AI回答の情報源、広告はほぼゼロ――報道獲得がブランドの命運を握る新常識

84% of AI-cited content is ad-free: The reality of AI's information sources

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AI回答の情報源、広告はほぼゼロ――報道獲得がブランドの命運を握る新常識
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ポイント

  • Muck Rackの調査でAI回答の引用は84%がアーンドメディアだった
  • 有料広告やタイアップの引用割合はわずか0.3%に留まる
  • AIは信頼性のある報道や学術コンテンツを引用する傾向にある

米国のPR・コミュニケーション専門メディア「PR Daily」は、PR管理プラットフォームのMuck Rackが公開した調査データをめぐる議論について、2026年9月3日公開の記事で報じた。

執筆したのはMuck Rackのデータ&インテリジェンス担当副社長のマット・ドゥジュガン氏と、コミュニケーション担当副社長のリンダ・ジェビアン氏の2名だ。記事は、同社の調査「What Is AI Reading?(AIは何を読んでいるのか)」の結果の解釈をめぐって業界内で起きている論争に正面から答える内容となっている。

AI引用の84%が「報道獲得」由来

同調査の最新版(2026年5月公開)では、対話型AI「ChatGPT」「Claude」「Gemini」の3サービスが生成した回答で引用された2,500万件以上のリンクを分析した。その結果、いわゆるアーンドメディア(企業が広告費を支払わずに第三者から自然に獲得するメディア露出)が引用全体の84%を占めた。一方で、有料広告やタイアップコンテンツの引用割合はわずか0.3%だという。

この傾向は単発の結果ではないとドゥジュガン氏らは強調している。同調査は2025年7月、2025年12月、2026年5月の計3回にわたって実施されており、アーンドメディアの引用割合は一貫して82%〜89%の範囲で推移してきたという。また、ジャーナリズム(報道記事)が引用全体に占める割合も、3回の調査を通じて25%〜27%と安定しているとしている。

「アーンドメディア」の定義をめぐる論争

記事が取り上げているのは調査結果そのものより、その解釈をめぐる業界内の議論だ。同調査がアーンドメディアに「報道記事」だけでなく、百科事典的なサイト・政府機関のサイト・学術コンテンツ・ソーシャルプラットフォーム・その他の第三者コンテンツを広く含めている点が、一部の実務家から「定義が広すぎてデータが誇張されているのではないか」と批判されているという。

ドゥジュガン氏らはこの批判に対し、定義の選択には根拠があると説明している。Muck Rackが1,000名以上の広報担当者を対象に実施した「2026年PR業界実態調査」では、コンテンツ制作やインフルエンサー対応が広報担当者の主要な職務機能に入ってきており、LinkedInやInstagramへの活動もコミュニケーション戦略の中核をなしているという。広報の仕事は報道掲載だけではなく、カテゴリの定義もその現実を反映しているとしている。

WikipediaはAI引用の「穴あき問題」を示す

論争の中でも特に注目されているのが、Wikipediaの扱いだという。同調査ではWikipediaがChatGPTで最も多く引用されるドメインとなっており、ジャーナリズム以外のカテゴリでは最大の割合を占める。

ドゥジュガン氏らはこの点について独自の分析を示している。S&P500(米主要株価指数の構成銘柄500社)の企業ウィキペディアページ489件と、そこに引用された5万8,490件の参照先を分析したところ、参照の60%がジャーナリズム(報道記事)だったという。つまり、AIがWikipediaを引用しているとしても、その情報の源流の多くは報道記事であり、「AIが最終的にどのURLを引用したか」だけを見ると情報の起点が見えなくなるという問題を指摘している。

ある報道記事がWikipediaに引用され、さらにそのWikipediaの記述がRedditで言及され、その後何らかの形でAIの回答に反映されるというプロセスを考えると、最終引用先だけを追うのでは不完全な分析になるという考え方だ。

ドゥジュガン氏らはまた、GEO(生成エンジン最適化)のデータは測定方法によって大きく異なると認めており、一つの割合だけでブランドのAI上での存在感を評価すべきではないとしている。

一方、Muck Rackが2026年5月に公開したブログ記事によると、ChatGPTは回答の96%でソースを引用するが、1回答あたりの平均引用数は5件にとどまる。Geminiは82%の回答でソースを引用し、平均8件。Claudeは55%の回答でしか引用しないが、引用する場合の平均は13件と多いという。各AIサービスが最も多く引用するドメインも異なり、ChatGPTはWikipedia、ClaudeはPubMed Central(医学・生命科学分野の学術論文データベース)、GeminiはRedditにそれぞれ依存しているという。

また、AirOpsが2万1,311件のブランド言及を分析したところ、85%が第三者ソース由来だったとドゥジュガン氏らは紹介している。方法論や用語の定義は異なるが、AIが自社所有でも広告でもない外部の情報源に強く依存しているという方向性は一致しているとしている。

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AI引用アーンドメディア広告ゼロ広報戦略

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