AI引用の99%は報道獲得から――プレスリリース大量配信が通用しない時代の広報戦略転換

99% of AI-cited content from earned media: Implications for PR pros

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AI引用の99%は報道獲得から――プレスリリース大量配信が通用しない時代の広報戦略転換
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ポイント

  • AIが引用するリンクの99%は、自然獲得メディア由来であることが判明しました
  • そのうちジャーナリズムが27%を占め、プレスリリースはわずか1.1%です
  • この事実は、広告や有料コンテンツよりも報道獲得の重要性を示しています

PR・メディア管理プラットフォームのMuck Rackが公開した最新データについて、米国のPR・コミュニケーション専門メディアPR Dailyのポール・ヒーバート記者が2026年5月8日公開の記事で報じた。同データによると、ChatGPTなどのAIチャットボットが引用するリンクの99%は、広告や有料コンテンツ以外の、いわゆる自然獲得メディア(報道や一般コンテンツ)由来のものだという。

AIが引用するコンテンツ、首位はジャーナリズムの27%

Muck Rackのレポートによると、AIが引用するコンテンツの最大カテゴリはジャーナリズム(報道)で、全体の27%を占めるという。さらに、発表日時が明らかなジャーナリズムの引用のうち、57%は過去12カ月以内に公開されたものだとしている。2番目に多いカテゴリは企業ブログや自社制作コンテンツで24%、3番目はキュレーターサイトや百科事典にあたる「アグリゲーター・百科事典」カテゴリで17.4%と報じられた。

一方、広報担当者にとって見過ごせない数字もある。有料広告やタイアップ(広告主体のコンテンツ)はAI引用全体のわずか0.3%にすぎず、プレスリリースに至っては1.1%にとどまるという。大量配信・有料配信よりも、メディアに取り上げられることがAIの「情報源」として機能しているという実態が、数字で裏付けられた格好だ。

チャットボットによって引用傾向は異なる

同記事ではMuck Rackのデータをもとに、代表的なAIチャットボット間で引用傾向に違いがあることも紹介されている。ChatGPT(米OpenAIが提供する対話型AI)は、情報源としてウィキペディアを多用する傾向があるという。一方、Claude(Anthropicが提供するAI)は学術医療論文データベースのPubMed Centralを主な引用元とし、Google Geminiはレディット(米国の大規模掲示板サービス)を主要ソースとして活用するとしている。

つまり、「AIに引用されること」を広報戦略の目標として設定する場合、どのチャットボットでの露出を狙うかによって、アプローチすべきメディアやコンテンツの種類が変わってくることを意味する。

SECの新規則と広報担当者への影響

同記事ではMuck Rackのデータのほかに、注目すべき業界ニュースも取り上げられている。米国証券取引委員会(SEC)が、米国上場企業による業績報告を現行の四半期(年4回)から半期(年2回)に変更することを認める新たな規則案を発表したと報じた。この変更はあくまで任意であり、企業が引き続き四半期ごとの開示を選ぶことも可能だという。

PR Dailyの記事は、この規則変更がPRの観点からも複数の判断を迫るものだと指摘している。業績低迷時に情報公開の頻度を下げることで企業評判を守れるのか、それとも逆に情報を絞ることで疑念を招くのか、という問いだ。また、従来は業績報告が埋めていたニュースサイクルの空白を、広報担当者がコンテンツで補う機会が生まれるという見方も示された。

また、英国メディアThe Guardian(英ガーディアン紙)が、1986年に公開した同紙の名物広告「Points of View(視点)」を現代向けにリニューアルしたことも同記事で取り上げられている。コメディアンのキャシー・バーク氏を起用した新バージョンは、オリジナルと同じく「一つの出来事を複数の視点から見ると全く異なるストーリーが生まれる」というコンセプトを踏襲している。ガーディアン紙の編集長キャサリン・ヴァイナー氏は声明の中で、同紙の価値観は「変わらず、強い独立系ジャーナリズムで権力を監視し、誰にでも開かれている」と述べたという。

さらに、米調査機関Pew Research Center(ピュー・リサーチセンター)の新たな調査データも同記事で紹介された。米国成人の40%が健康・ウェルネス情報をポッドキャストやソーシャルメディアのインフルエンサーから得ているという。そのうち43%は、インフルエンサーが提供する情報が医療機関から得る情報と「やや異なる」と回答し、18%は「非常に異なる」または「極めて異なる」と答えたとしている。さらに同調査では、健康系インフルエンサーの多くが自らを医療専門家として紹介していないことも示されており、病院やクリニックなどの医療機関が専門性を打ち出す余地があると同記事は指摘している。

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