プレスリリースの半数近くにAIが混入、178,672件調査が広報担当者に突きつける問い

AI-generated content in press releases: 50% overall, 64% in advertising, study reveals

ソースに基づく報道記事 9件の情報源
プレスリリースの半数近くにAIが混入、178,672件調査が広報担当者に突きつける問い
画像: プレスリリースより

ポイント

  • 米国プレスリリースの約半数にAI生成文章が混入していることが判明した
  • 17万件超の調査でAI混入率は1年で22%から48%へ倍増
  • 広告業界で突出する一方、金融・エネルギーは低水準に留まる

米国最大のプレスリリース配信サービスに掲載された17万件超のプレスリリースを分析したところ、2026年6月時点でその約半数にAIが生成した文章が含まれていることが分かった。AIによるテキスト検出を専門とするPangram Labsが調査を実施し、米地域紙の電子版Tucson.comが2026年9月15日に報じた。

Pangram Labsは、プレスリリース配信サービスのPR Newswireに掲載された英語のプレスリリース178,672件を対象にスキャンを行った。PR Newswireは企業が決算報告や製品発表、各種告知などを報道機関や金融情報端末へ配信するための有料サービスで、ファイザー、トヨタ、ウォルト・ディズニー・ワールドといった大企業も利用する米国最大級の配信ネットワークだ。米証券取引委員会への情報開示義務を負う企業が使う主要な配信網のひとつでもある。

AI混入率、1年で倍増

調査の結果、過去12カ月間に公開されたプレスリリース全体のうち34%にAI生成テキストが含まれていた。週次でみたAI混入率は、2025年8月時点の22%から2026年6月には48%まで上昇しており、わずか1年で倍以上に増えた計算になる。

AI混入が検出された61,523件のプレスリリースのうち、全文がAIで書かれていると判定されたものは25%(15,205件)で、残り75%(46,318件)は人間の文章とAI文章が混在するハイブリッド型だった。AI混入が確認された文書全体における貢献率の中央値は52%で、プレスリリースの半分以上がAIによって書かれている計算になる。

Pangram Labsの分析では、AI混入率の分布がふたつの極に集中する傾向も見られた。AIをほんの少しだけ使ったものか、完全にAIで書いたものかのどちらかに偏っており、中間的な使い方は少ない実態が浮かび上がった。

広告業界が突出、金融・エネルギーは低水準

業種別に見ると、AI活用率には大きな開きがある。広告業界は完全AI生成の割合が41%と最も高く、AI文章の全体混入率も64%と群を抜いて高かった。一方、金融、エネルギー、バイオテクノロジーの各業界はAI活用率が低く、完全AI生成の割合はいずれも5%以下にとどまっている。

広告業界のAI率が突出して高い背景として、Pangram Labsは「authority laundering(権威付け目的のコンテンツマーケティング)」と呼ばれる手法の普及を指摘している。地域の中小企業に代わって編集記事風のマーケティングコンテンツをプレスリリースとして大量に配信するエージェンシーが多く存在するためだという。調査対象のデータセットに含まれる「HelloNation」という配信元は単独で2,265件のプレスリリースを発行しており、そのうち2,198件(97%)が完全AI生成と判定された。

スタートアップや小規模事業者が多い業種ほどAI活用率が高いという傾向も見られた。フィンテック分野(対象1,526件)はシングルオペレーターの新興企業や暗号資産関連事業者が多く、AI混入率は44%、完全AI生成率は12%だった。これに対し、大手銀行や伝統的な金融機関が中心の銀行・金融サービス分野(対象8,817件)はAI混入率が25%、完全AI生成率は7%にとどまっている。

文字数も増加、AIが長文化を促進

AI活用はプレスリリースの内容だけでなく、ボリュームにも影響を及ぼしている。過去12カ月でPR Newswire掲載プレスリリースの中央値語数は488語から562語へと約15%増加した。2026年7月時点で比べると、人間のみが書いたプレスリリースの中央値は521語だったのに対し、AIが含まれるプレスリリースの加重平均は601語で、AIを使うほど文章が長くなる傾向が確認されている。

情報ソース一覧

AIプレスリリース広報広告業界

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