AI予算を増やす企業の8割超が成果不明――投資対効果を測る組織だけが勝ち残る理由
AI Investment Trap: Why Companies Can't Scale Beyond 22%
ポイント
- ガートナー調査でAIを複数部門展開できた組織は22%に留まる
- 85%がAI支出を増やす一方、11%は前年の投資を把握せず
- ROI追跡企業は81%で成果
ビジネス・テクノロジーに関する調査・アドバイザリー企業のガートナー(Gartner)は、AIを複数の事業部門にわたってスケール展開できた組織がわずか22%にとどまるという調査結果を、2026年9月1日に発表した。プレスリリースはガートナーの公式ニュースルームを通じて公開された。
調査は2026年1月から4月にかけて実施され、2025年度の年間売上高が5,000万ドル(約75億円 ※1ドル150円換算)以上の企業に所属する1,303名の回答者を対象としたという。AIへの投資が加速しているにもかかわらず、複数部門にAIを展開できた組織、あるいはAIファーストのアプローチを採用した組織が全体の5分の1強にとどまるという現実が浮き彫りになった。
予算は増えるが、中身は見えていない
同調査では、85%の部門リーダーが2026年のAI支出を増やす計画を持っているという。2025年には部門予算の平均12%をAIに配分しており、投資の勢い自体は衰えていない。一方で、自部門が2025年にAIに何を費やしたか「まったく把握していない」と答えた組織が約11%存在することも明らかになった。
ガートナーのディスティングイッシュト・バイス・プレジデント兼フェローのティナ・ヌーノ(Tina Nunno)氏は「財務上の可視性が欠如している状態で支出が加速すれば、リスクは高まるばかりだ。ビジネス上の成果に直結した規律ある測定なしには、組織はリソースの浪費と期待外れという結果に直面する」と述べたという。
「測定できる組織」と「できない組織」の差は歴然
同調査は、AIのROI(投資対効果)を積極的に追跡しているかどうかで、企業間に大きな成果格差が生じていることを示した。ガートナーが「ハイパフォーマー」と分類した企業、すなわちAI施策のROIを継続的に追跡し、AIをポートフォリオとして管理し、成果の低い施策を定期的に再配分または中止している企業では、AIの施策の81%でポジティブなリターンが報告されたという。
対照的に「ローパフォーマー」と分類された組織では、AI施策の29%についてリターンの実態を把握できていないと回答したという。投資の中身を見える化できているかどうかが、成果を左右する最大の分岐点であることが数字で示された形だ。
AI活用の目的としては、生産性向上が圧倒的な首位に立つことも分かった。75%の部門リーダーが生産性向上を主要な目標として挙げており、AIへの機能別支出の平均約30%が生産性向上に充てられているという。これは次点の目的に配分される割合の約2倍にあたるとガートナーは説明している。
「人気の活用法」は成果に直結しない
同調査で特に注目される発見の一つが、多くの企業が追求するAI活用法と、実際に高い成果を生む活用法のあいだに存在する明確なギャップだ。
IT部門を例にとると、C-suiteレベルのリーダーが「よく取り組む」と回答した活用法の上位3つは、サイバーセキュリティの脅威検知・対応(54%)、ITサービスデスクの自動化(54%)、コード自動生成・リファクタリング(44%)だったという。しかし、ポジティブなリターンを報告した割合が最も高い活用法は異なり、ITアセット・コスト最適化(40%)、合成データ生成(28%)、コード自動生成・リファクタリング(23%)の順だったとしている。「コード自動生成」は上位に顔を出すものの、「サイバーセキュリティ」や「サービスデスク自動化」は追求する企業が多い割に成果指標での存在感が薄く、注力領域と成果の逆転現象が鮮明に表れた。
ヌーノ氏は「組織が最も定量的な価値を得ているのは、認知度は低いが自社固有のビジネスニーズに密接に連動した、戦略的に選ばれた活用法だ。CEOとCIOは、どのAI活用法が本当に財務上のポジティブなリターンをもたらしているかを特定し、そのうえで各部門とリーダーに対して明確で実効性のある目標を設定しなければならない」と指摘したという。
情報ソース一覧
- Gartner調査によると、AIを複数の事業部門で成功裏に規模拡大できた組織はわずか22% Gartner Survey Finds Only 22% of Organizations Have Successfully Scaled AI Across Multiple Business Units www.google.com/goto
- 報告書によると、AIを事業部門全体で規模拡大できた企業はわずか22% Only 22% companies have scaled AI across business units: Report economictimes.indiatimes.com
- X上のGartner(@Gartner_inc) Gartner (@Gartner_inc) on X x.com/Gartner_inc/status/2094707082142392675
- X上のGartner(@Gartner_inc) Gartner (@Gartner_inc) on X x.com/i/status/2094707082142392675
- Gartner調査によると、AIを複数の事業部門で成功裏に規模拡大できた組織はわずか22% | Clover Infotech Gartner Survey Finds Only 22% of Organizations Have Successfully Scaled AI Across Multiple Business Units | Clover Infotech www.linkedin.com
- business / the scaling stagger 78 of enterprises struggle to expand ai www.techshotsapp.com
- Gartner調査によると、組織の55%が生成AIを試験運用または本番稼働モードで利用 Gartner Poll Finds 55% of Organizations are in Piloting or Production Mode with Generative AI www.gartner.com
- トレンド Trending digitalterminal.in/trending
- Gartner:AI主導の変革、株主重視戦略、長期的な成長と収益のための二重エンジン Gartner: AI-Driven Transformation, Shareholder-Focused Strategy, Dual Engine for Long-Term Growth and Income www.ainvest.com
- AIファーストのアプローチがROI向上を推進:Gartner AI-First Approach Drives Increased ROI: Gartner channeldailynews.com/news/ai-first-approach-drives-increased-roi-gartner/82536