NTT DOCOMOとNECが世界初のAI自動化5Gコアをクラウド上で商用稼働、展開時間80%短縮

NTT DOCOMO & NEC Launch World's First AI-Automated 5G Core on Cloud, 80% Faster Deployment

ソースに基づく報道記事 8件の情報源

ポイント

  • NTTドコモとNECがAI自動化5Gコアを商用稼働
  • AWS上で展開時間を80%短縮し、電力も70%削減
  • 世界初のAgentic AI適用で、9,100万契約者を支える
テクノロジー専門メディア「Japan Industry News」は、NTT DOCOMOと日本電気(NEC)が世界初となるAgentic AI(エージェント型AI)を用いた自動設計・構築技術によって日本初の商用5Gコアネットワークを稼働させたと、2026年3月9日公開の記事で報じた。

NTTグループ傘下で国内最大手の携帯電話キャリアであるNTT DOCOMO(契約者数9,100万人)と、通信キャリア向けネットワーク機器・ソフトウェアを手がける日本電気株式会社(NEC)は、2026年2月26日、米Amazon社が提供する世界最大規模のクラウドコンピューティングサービスであるAWS(Amazon Web Services)上で、5GC(5Gコアネットワーク)の商用稼働を開始したという。5GCとは5G通信の中枢を担うネットワーク制御システムであり、データ通信の管理・認証・ルーティングを一手に引き受ける基幹インフラだ。従来は専用の物理ハードウェアに依存していたが、今回の商用化によってクラウド上のソフトウェアへと完全移行したとしている。

今回の取り組みで最大の注目点とされているのが、Agentic AI(エージェント型AI)の世界初となる商用通信インフラへの適用だ。Agentic AIとは、人間の指示を最小限にAIが自律的に判断・行動・実行するAI技術を指す。同報道によると、このAgentic AIをネットワークの設計から構築までの工程に適用した結果、ネットワーク展開時間を従来比80%短縮することに成功したという。また、AWSが独自開発した省電力プロセッサであるGraviton2を使用した運用テストでは、消費電力を従来比70%削減できることが確認されたと報じた。この省電力実績は、9,100万人という商用規模の契約者を支えるネットワークに適用されたものであり、通信業界全体のカーボンニュートラル目標に対する具体的な成果例として世界的な注目を集めているとしている。

同プロジェクトの実証実験は2022年3月から開始されており、商用稼働に至るまで約4年の歳月を要したと報じられている。その間、NTT DOCOMOはNECおよびAWSとともにハイブリッドクラウド上での5Gコア移行に向けた検証を重ねてきたという。技術的な実装においては、インフラ構成をコード(プログラム)として記述・管理するIaC(Infrastructure as Code)や、ソフトウェアの設定・変更をバージョン管理ツールで一元管理するGitOps、さらにAWSが提供するインフラ自動構築サービスであるCloudFormation、ソフトウェアのテスト・統合・展開を自動化するCI/CDパイプラインといった手法を組み合わせることで、高度な自動化と再現性を実現したとされている。

本取り組みは2026年2月にスペイン・バルセロナで開催された世界最大規模の通信・モバイル技術の見本市であるMWC(モバイル・ワールド・コングレス)でも展示され、グローバルな通信業界から広く注目を集めたと複数の媒体が伝えている。NASDAQが配信したプレスリリースでも本件が取り上げられており、クラウドネイティブ5Gコアの標準化を世界規模で加速させる可能性があると評価されているという。ネットワークスライシング(通信網を用途別に仮想的に分割して提供する技術)や超低遅延といった5G SA(スタンドアローン)固有の機能が商用規模で利用可能になることで、製造・物流・医療などエンタープライズ向けソリューションの開発競争が今後さらに激化するとみられていると、同報道は伝えた。

記者の目

この発表が広報・PR担当者にとって持つ意味は、「通信インフラの話」で片づけるにはもったいない。AI自動化によってネットワーク構築という高度に複雑な業務工程が80%削減されたという定量的事実は、あらゆる業種の反復業務への応用可能性を示している。総務省の「令和6年版 情報通信白書」によれば、日本企業のAI導入率は約46%で、米国の約65%、中国の約58%をいずれも下回る。一方で今回、NTT DOCOMOが「世界初」の商用実装を日本発で実現したことは、「日本のAI活用は遅れている」という通説に真っ向から反証する事例だ。

PR業界に目を転じると、日本パブリックリレーションズ協会(PRSJ)加盟企業の多くは、AIツールをいまだ試験的導入段階にとどめており、業務の中核としての自動化は普及途上にあるのが現状だ。電通PRコンサルティングやオズマピーアール(博報堂DYグループ傘下の大手PRエージェンシー)といった大手でさえ、媒体リスト作成・プレスリリース配信・効果測定といった反復業務の自動化は道半ばにある。DOCOMOが4年の実証を経て80%削減という数字を出した今、PR担当者が次に問うべきは「どこから自動化を始めるか」であり、「やるかどうか」を議論している段階ではない。

情報ソース一覧

5GコアAI自動化NTT DOCOMONEC

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