社内広報と社外広報の壁を壊す「1つの窓口」改革が日本企業に迫る組織再編の論点

Hershey Overhauls PR: Integrated Comms & Project-Based Staffing Becomes New Standard

ソースに基づく報道記事 10件の情報源
社内広報と社外広報の壁を壊す「1つの窓口」改革が日本企業に迫る組織再編の論点
画像: 情報ソースより

ポイント

  • 米国菓子大手ハーシーが広報部門を刷新したと2026年8月27日に報じられた
  • 社内と社外広報を統合し、案件ベースで横断的に動ける体制を構築
  • 依頼窓口の一本化やプロジェクト管理システム導入で効率化を図る

PR・コーポレートコミュニケーション専門メディアのRaganは、米国の菓子・スナックメーカーであるThe Hershey Companyが広報部門の組織モデルを抜本的に刷新したと2026年8月27日公開の記事で報じた。

縦割り廃止、一体運営へ

同社は2025年から広報部門の再編に着手し、それまで別々に運営されていた社内広報と社外広報の機能を統合したという。同社のコミュニケーションズ・マネージャーであるアシュレイ・ポラート氏(Ashleigh Pollart)がRaganの取材に応じ、改革の経緯と新体制の詳細を語った。

ポラート氏によると、従来の体制では社内向けと社外向けで編集カレンダー、編集会議、目標がそれぞれ独立して存在していたという。「しかし、今日の従業員とのコミュニケーションのあり方を考えると、社内と社外という区分はどんどん曖昧になってきている。チームの規模を踏まえ、どこに時間を使っているか、広報がどこで最も価値を生み出しているか、そしてどうすれば業務をより効率的に統合できるかを見直す必要があった」と同氏は語った。

新体制では、特定のチャンネルや機能に縛られた縦割り構造をやめ、各事業領域にそれぞれ担当の広報人材を配置しつつ、実際の業務執行者は案件に応じて社内向け・社外向けを問わず、またチャンネルの違いを超えて横断的に動ける体制をとっているという。「ゼネラリスト的なアプローチをとった」とポラート氏は述べ、「サプライチェーン、財務、各事業部門といったエリアごとの深い知識は維持しつつ、実行担当者はその垣根を越えて動ける。これによりチームはエージェンシーのように機能できる」と説明した。ポラート氏自身は新体制において、ハーシー社のスナック事業を担当しているという。

依頼の窓口を一本化

再編にあたって同社が講じた最大の変化の一つが、広報業務への依頼受付を一元化したことだとRaganは伝えている。ポラート氏によると、ハーシー社はテクノロジースタックを変更し、すべての依頼を一か所に集約できるプロジェクト管理システムを導入したという。

「今はメディア対応と社内対応のそれぞれにインテークフォームがあるが、バックエンドでは同じ場所に集まってくる。そこから担当者がすぐにアサインするか、その領域を管理している担当者に回すかを判断する」とポラート氏は説明した。

依頼を受け取った際には、「現在の優先事項と合致しているか」「広報チームが主体となって動く必要があるか」「テンプレートやセルフサービスツールで対応できるか」「依頼者との関係を誰が管理すべきか」という4つの問いを立ててから着手するかどうかを判断するという。断る際にも、年初や四半期初めに優先事項をすり合わせてあるため、新規依頼と比較できる具体的な基準がある点が有効に機能しているとポラート氏は述べた。

この一元的な受付プロセスは、再編後のチームとのコミュニケーション方法を社内に浸透させるうえでも役立ったという。「誰に何を頼めばよいかを社員に教えることも変革管理の一部だったが、この一貫したプロセスが本当に助けになった」とポラート氏は語った。

案件ごとに人を選ぶ

プロジェクトを引き受けた後の業務アサインについても、Raganは詳しく報じている。ハーシー社では全社内広報チームや全社外広報チームで集まるのではなく、案件が実際に必要とするものに基づいて人をアサインする方式をとっているという。

「一人の担当者がプレスリリースを書き、ソートリーダーシップに取り組み、さらにその周辺の社内広報まで担うこともある。誰が何をいつ行うかについて、非常に具体的に決めている」とポラート氏は述べた。

担当決定にはRACIモデル(Responsible=実行責任、Accountable=最終責任、Consulted=助言者、Informed=報告対象)を活用し、誰が実行し、誰が承認し、誰が関与し、誰に共有するかを明確にしているという。アサイン時には処理能力だけでなく、個人のスキルや案件への関心も考慮される。「もし自分がガバメントリレーションズについて学びたいと言っていれば、その経験を持つ人と一緒に動けるプロジェクトに入る機会が生まれる」とポラート氏は述べた。

同時に複数のプロジェクトが動く状況も日常的だという。「6つのプロジェクトを同時に進めていて、それぞれまったく異なる領域に関わることもある。次から次へと切り替えることに慣れなければならない。長い目で見ると、それがチーム全体をより幅広い広報担当者に育てている」と語った。

この新体制を丸1年運用し、現在はどこが機能していてどこにまだ課題があるかを見極める段階に入ったとポラート氏はRaganに伝えた。「仕組みを動かし続けることと、社内に繰り返し周知することに多くの時間を投資する必要がある」と述べ、体制の定着には継続的な工数が伴うことを率直に認めた。

情報ソース一覧

広報改革組織再編ハーシー案件ベース配置

記事内容に関するお問い合わせ・フィードバックはこちらからお寄せください。