AIは「もっと速く、もっと大量に」より「もっと賢い判断」に使え——シカゴの独立系代理店が示した新しい正解

Independent agency twoxfour redefines AI: focus on smarter decisions, not speed or volume.

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AIは「もっと速く、もっと大量に」より「もっと賢い判断」に使え——シカゴの独立系代理店が示した新しい正解
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ポイント

  • シカゴの独立系代理店twoxfourが、AI新システム「multiplier」を導入した
  • 広告業界のAI活用は「意思決定支援」が置き去りだと問題提起
  • 4領域データを統合し、人がより良い判断をするための支援を追求する

広告・クリエイティブ業界向けのグローバルメディア「Little Black Book(LBB)」は、2026年9月3日公開の記事で、シカゴの独立系広告代理店「twoxfour」が新システム「multiplier(マルチプライアー)」を開発・導入したと報じた。

AI活用の問いを根本から変える

twoxfourは、広告業界が「AIで何を作れるか」という問いに集中しすぎており、「AIがどう意思決定を助けるか」という問いが置き去りにされていると主張しているという。同社はこの問題意識を背景に、クリエイティブ・メディア・オーディエンスの行動・ビジネス成果という4領域のデータを横断的に統合し、ブランドの次の行動を決める判断材料に変換するビジネスインテリジェンスシステム「multiplier」を立ち上げたとしている。

twoxfourのプレジデント、ジェシカ・ロマニウク氏は、LBBの記事の中で次のように語っているという。「マーケターはすでに扱いきれないほどのデータとコンテンツを持っていた。AIはそれをさらに大量に、さらも速く生み出せるようにした。しかしそれは、最も重要な問いに答えることには必ずしもつながらない。どのオーディエンスが重要なのか。何を伝えるべきか。どこに投資すべきか。何をやめるべきか」。ロマニウク氏はその上で、「AIの真の可能性は、マーケティングをただ速くすることではなく、人がより良い意思決定をできるように支援することにある」と述べているという。

「AIツール」ではなく「インテリジェンスOS」

同システムについてロマニウク氏は、「AIツールは何かをする。インテリジェンス・オペレーティングシステムは、働き方そのものを変える」と説明しているという。LBBの記事によると、multiplierはtwoxfourの全マーケティングプロセスにまたがって機能するものと位置づけられている。

multiplierの仕組みについて同社は、キャンペーンのデータを活用してパフォーマンスの要因を特定し、進行中のクリエイティブ・メディアの判断に反映させながら、その学びを次のキャンペーンへとつなげる継続的な学習システムを形成するものだと説明しているという。また、このシステムの価値は、基盤となるテクノロジー単体にあるのではなく、それを取り巻く方法論とシニア人材の専門知識にあるとも述べているという。さらに、異なるビジネスインテリジェンス環境でも機能するとしている。

大手ではなく「独立系」が有利な理由

twoxfourが指摘する課題の核心は、「データ不足」ではなく「データの断片化」だとしている。ロマニウク氏はLBBの取材に対し、「ほとんどのブランドは、ブランドヘルスデータ・メディアデータ・CRMデータ・販売データ・ウェブ解析・クリエイティブ実績・調査結果がバラバラの場所に存在し、各チームがそれぞれの断片を別々に見ている状態だ」と語っているという。課題は「インテリジェンスの欠如」ではなく「インテリジェンスの断片化」にあるとし、シグナルをつなぎ合わせて「実際に何を学んでいるのか、それによって何を変えるべきか」を問うことに本当の価値があるとしている。

また同社は、この状況がむしろ独立系代理店に有利に働くと主張しているという。大手ネットワーク系代理店のような組織の縦割り(サイロ)を抱えていない分、人・データ・テクノロジーをより密接につなぎ、知性の活用における人間の判断を中心に据えやすいと、ロマニウク氏は見ているという。戦略・クリエイティブ・メディア・アナリティクス・CRMなどの領域に分散したままのインテリジェンスをいかにつなぐか、またどこでテクノロジーが主導し、どこで人間の判断が不可欠かを見極めることが、より大きな課題だとしている。

LBBの記事はインタビュー形式で構成されており、multiplierが部門横断的に同社の働き方をどう変えているか、そして「インテリジェンス・パワード・エージェンシー」が将来どのように機能しうるかについても、ロマニウク氏が論じているという。

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