数千人規模のストライキで問われた「現場常駐型」社内広報の設計力とは

Internal Communication's True Test in Strikes: US Hospital's 'On-Site' Lesson

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数千人規模のストライキで問われた「現場常駐型」社内広報の設計力とは
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ポイント

  • ニューヨーク市の大規模看護師ストライキで、マウント・サイナイ病院が社内広報を再構築
  • CMOは「現場業務に入り理解を深める」重要性を強調した
  • 同病院は1日複数回、受け手別に情報を最適化し対応

米国のコミュニケーション専門メディア「Ragan Communications」は、ニューヨーク市内で大規模な看護師ストライキが発生した際、医療法人マウント・サイナイ・ヘルス・システムがどのように社内向けコミュニケーションを運営したかを、2026年4月29日公開の記事で報じた。

「現場を知らなければ伝えられない」

記事によると、ニューヨーク市内で数千人規模の看護師がストライキに入ったことで、マウント・サイナイ・ヘルス・システムは患者ケアの提供体制を急きょ見直すとともに、システム全体の従業員に向けたコミュニケーション戦略の立て直しを迫られたという。

この対応を主導したのが、同法人の最高マーケティング責任者(CMO)兼システム戦略コミュニケーション統括責任者のカレン・ウィッシュ氏だ。ウィッシュ氏は同誌に対し、「現場の業務に入り込んでいなければ、それをうまく伝えることはできない。他の人たちに向けて言語化するには、現場で実際に何が起きているかを理解することが先決だ」と語っている。

ウィッシュ氏は2026年5月6日から8日にかけてフロリダ州キービスケーンで開催される「Ragan Communications Leadership Council Retreat(コミュニケーション幹部向けリトリート)」に登壇し、今回のストライキ対応での経験を共有する予定だとRagan Communicationsは報じた。

患者移送が生んだ「連絡の連鎖」

ストライキによる人員不足への対応として、マウント・サイナイは患者を系列施設間で移送する措置をとったという。これにより、現場スタッフ・管理職・サポートスタッフの間に連絡の連鎖を構築する必要が生じた。

ウィッシュ氏のチームはすべての業務上の判断を、受け手となる各層の従業員と具体的な行動に結びつける形でマッピングしたと報じられている。前線で働くスタッフがその場で実行すべきことと、管理職がチームを横断して調整すべきことは異なるため、情報の粒度とタイミングをそれぞれ変える必要があったという。

「患者を移送する場合、それが業務上どういう意味を持つかを正確に理解してから初めて、相手に分かる形で説明できる。患者本人だけが知ればいいのではなく、フロアで働く全員がそのメッセージを受け取って動かなければならない」とウィッシュ氏は述べている。

1日複数回、受け手別に情報を最適化

ストライキが続く中、チームは1日に複数回の情報発信を継続したという。患者ケアを直接担う従業員か、病院運営を支える業務担当かによって、情報の詳細度をリアルタイムで調整したとRagan Communicationsは報じた。

ウィッシュ氏は「人は情報を、それぞれ異なる方法・タイミング・形式で受け取る。だからほぼすべてのコミュニケーションを複数の手段で届けた。大切なのは何を言ったかではなく、相手が実際に使える形で届いたかどうかだ」と述べたという。

ストライキ期間中はフィードバックの収集も欠かさなかったとされ、信頼できる社内の関係者が「何が機能していて、何が機能していないか」をリアルタイムで伝えてくれることが、メッセージの修正と指示の明確化に直結したとウィッシュ氏は語っている。「リアルタイムで動いている。本当に重要なのは、すぐに何が届いていないかを教えてくれる信頼できるステークホルダーを持つことだ。何かが伝わっていなければ、待たずにすぐアプローチを変える」とのことだ。

今回の対応についてウィッシュ氏は「私たちが実際にやっていたことは、組織のメンバー全員が何が起きているか、なぜそれが重要なのか、次に何をすべきかを理解できる状態をつくることだった。コミュニケーションが最も大きなインパクトを持ったのは、そこだった」と振り返っている。

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社内広報ストライキ対応危機管理病院経営

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