オレオ親会社がAI×広告会社×コンサルの三者連合でマーケ基盤を刷新

Mondelez Partners Accenture, Publicis to Refresh AI Marketing Platform

ソースに基づく報道記事 8件の情報源

ポイント

  • モンデリーズがAI・生成AIプラットフォームを稼働開始
  • アクセンチュアとパブリシスがデータとクリエイティブを支援
  • 5000億ドルの市場で高速コンテンツ生成と変化対応を目指す
英国発の広告・PR業界専門紙PR Week(PRウィーク)は、オレオやリッツなどのブランドで知られる米国の菓子・スナックメーカー大手モンデリーズ・インターナショナル(Mondelez International、150カ国以上で事業展開)が、グローバルマーケティング向けのAI・生成AIプラットフォームの構築と稼働を開始したと同メディアの記事で報じた。同社がパートナーとして選んだのは、グローバル総合コンサルティング企業のアクセンチュア(Accenture、世界120カ国以上で事業展開)と、フランス・パリに本社を置く世界第3位の広告ホールディング会社パブリシス・グループ(Publicis Groupe)の2社だという。

同記事によると、今回のプラットフォームでは役割分担が明確に設計されているという。アクセンチュアはリアルタイムデータの収集・処理を担うデジタルコア基盤の構築を主導し、パブリシス・グループは同社が推進する統合ソリューション戦略「Power of One(パワー・オブ・ワン)」の枠組みのもとで、生成AIを活用したクリエイティブアセットの制作を担っているとしている。テキスト・画像・動画といった複数フォーマットのパーソナライズされたコンテンツを高速生成することで、変化する消費者トレンドへのほぼリアルタイムな対応を実現することを目指しているという。また、責任あるAI原則に基づいた倫理的運用を前提として設計されている点も強調されている。

背景として、モンデリーズ・インターナショナルは2012年に米国食品大手クラフト・フーズから分離独立して以来、アクセンチュアとはデジタルトランスフォーメーション領域で、パブリシス・グループとはメディア・クリエイティブ領域でそれぞれ長期的なパートナーシップを継続してきた経緯があると報じられている。今回のAIプラットフォームは、こうした既存の関係性を生成AI領域へと戦略的に拡張したものと位置づけられており、単なる試験的取り組みではなく、すでに稼働を開始した実運用段階にある点が注目される。

市場環境としては、モンデリーズが競争を繰り広げるグローバルスナック市場の規模は2024年時点で5,000億ドル(約75兆円、1ドル150円換算)を超えるとされており、消費者の嗜好変化やデジタル接点の多様化に対応する速度が競争優位を左右する状況になっているという。パブリシス・グループが生成AIへの年間投資として数億ドル規模を公表済みであることも、今回の提携の厚みを示す要素として報じられている。

業界全体への影響として、今回のプラットフォームはCPG(消費財)業界における生成AIを活用したマーケティング変革の象徴的事例となり得ると同記事は伝えている。特に注目されているのは、パブリシス・グループがクリエイティブ制作にとどまらず、AIプラットフォームの設計・運用パートナーとして中核を担っている点だという。広告ホールディング会社がテクノロジー企業的な役割へと機能を拡張する潮流を加速させる事例として、広告・PR業界全体のサービス定義そのものを塗り替えるインパクトを持つ可能性があるとしている。コスト削減・パーソナライゼーション・コンテンツ制作速度の向上を同時に実現するモデルとして、業界標準に影響を与える可能性についても言及されている。

記者の目

この三者連合モデルが示す本質は、「広告代理店がAIインフラ企業になりつつある」という構造変化だ。日本では電通グループが2023年に独自の生成AI基盤「ChatDentsu」を社内展開し数千人規模の従業員が利用を開始、博報堂DYホールディングスも同年に「HAKUHODO AI Studio」を設立するなど動きは出ている。ただし、広告主・コンサル・代理店が統合プラットフォームを共同構築するモデルは国内ではほぼ存在しなかった。経済産業省の調査では日本企業の生成AI業務活用率は約10〜15%にとどまり、米国の約35%と大幅な差があった。この遅れが2026年現在も解消されているとは言い難い。

日本の総広告費は2023年時点で約7兆3,167億円(電通「日本の広告費」)に達し、2022年に初めて3兆円を超えたデジタル広告費は3兆円規模として定着しつつある。市場規模としての存在感は十分ありながら、国内大手CPGメーカーのAI活用は個社単位の模索にとどまる状況が続いてきた。広報・マーケティング担当者が今すぐ問うべきは「自社の代理店やコンサルとの契約に、AIプラットフォームの共同設計という発想が入っているか」という一点だ。入っていないなら、その契約は既に時代遅れになっている。

情報ソース一覧

AIマーケティング広告コンサルティングCPG

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