「行動せよ」という企業メッセージが消費者の反発を招く理由とブランドへの影響

When Coercion Trumps Empathy: Social Issue Messaging Risks for Corporate Image

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「行動せよ」という企業メッセージが消費者の反発を招く理由とブランドへの影響
画像: 情報ソースより

ポイント

  • PR研究機関IPRは、企業の強い言い切り表現がブランドに深刻なダメージを与えると発表
  • 断定的なメッセージは消費者の「心理的リアクタンス」を引き起こし、4つの評価指標を低下
  • この反発は、企業偽善への疑念「ウォッシング」が根本原因とされている

PR・コミュニケーション分野の研究を推進する機関であるInstitute for Public Relations(IPR)は、企業の社会的メッセージにおける強い言い切り表現がブランドに深刻なダメージを与えうるという研究知見を、2026年4月29日公開の記事で報じた。

同記事は、学術誌「Corporate Communications: An International Journal」に掲載された研究を紹介するもので、社会課題に企業が積極的に関与する「コーポレートアクティビズム」のあり方に警鐘を鳴らす内容だ。

強い言葉が招く「反発心理」の正体

IPRが紹介した研究によると、「変化のために行動してください」「あなたもこの取り組みに参加すべきです」といった断定的・命令的な表現を含む企業のアクティビズムメッセージは、消費者の「心理的リアクタンス」——自分の選択の自由が脅かされていると感じたときに生じる反発心理——を引き起こすという。

研究では、強い言い切り表現を含むメッセージとそうでないメッセージを比較した第1実験を実施している。その結果、強い言い切り表現を含むメッセージは、そうでないメッセージと比較して、キャンペーン評価の低下、ブランド評判の悪化、メッセージを他者と共有する意向の低下、ブランドについて好意的な口コミを発信する意向の低下という4つの指標すべてで劣っていたと報じた。

この反発が生まれる根本的なメカニズムとして、研究は「企業偽善の知覚」を挙げているという。メッセージのトーンが攻撃的に感じられると、受け手は主張の内容そのものではなく、「本当にこの企業は真剣に取り組んでいるのか、人気のある社会課題をイメージ戦略に利用しているだけではないか」という疑念——いわゆる「ウォッシング」への疑いを抱き始めるというのだ。

コメント欄は「第二のメッセージ」になる

IPRが紹介する研究の第2実験では、SNS上の企業投稿に付いたユーザーコメントが、企業への信頼評価をどう変えるかを調べたという。

その結果、強い言い切り表現を含む企業投稿に否定的なコメントが多数付いた場合、「企業偽善の知覚」が急激に高まったとしている。ユーザーにとって、見知らぬ他者のコメントは企業が発するブランドコピーよりも「本音」として受け取られやすく、懐疑的なコメントは企業の誠実さを疑う「手がかり」として機能するというのだ。

一方、肯定的なコメントについては効果が一貫して確認されたわけではなく、特に元の投稿がすでに押しつけがましいと感じられている場合は、否定的なコメントによる不信感を打ち消すには至らなかったと報じた。

広報チームへの提言

IPRは研究知見に基づく実践的提言として、まず「命令型」の言葉を「招待型」に切り替えることを挙げている。「〜すべき」「〜しなければならない」という表現の代わりに、「私たちは〜にコミットしています」「私たちは〜を支援することを選びました」「私たちはこのように関わっています」といった、企業自身の姿勢を示す表現を選ぶことで、消費者の自由意志を尊重しながら反発を抑えられるとしている。

なお、IPRの記事はソース公開時点で途中までの掲載となっており、追加の提言が存在する可能性があるが、現時点でソースから確認できる提言は上記の一点にとどまる。

デジタルメディア環境下では、一つのニュースが数時間以内に企業の評判を左右しうるとIPRは指摘する。人々はニュースを読むだけでなく、家族・友人・フォロワーと共有するため、企業の発信が瞬時に広がる構造が生まれているというのが同記事の出発点となっている。

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