広報担当者の4人に1人が戦略から外れている時代に、次のCEOはどこから生まれるか

Why PR Professionals May Be Tomorrow's CEOs

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広報担当者の4人に1人が戦略から外れている時代に、次のCEOはどこから生まれるか
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ポイント

  • 米PRメディアが、広報専門家が次世代CEO候補と報じた
  • PRSA表彰のRagan CEOが論考で現状を分析した
  • 広報の約1/4が戦略意思決定に関与せず、リーダーシップ強化を訴える

米国の広報業界専門メディアPR Dailyは、2026年8月24日公開の記事で、広報・コミュニケーション専門家がこれからの経営トップ候補として急速に注目されている現状を報じた。

PRSAが新設した女性表彰制度

記事の発端となったのは、米国の広報専門家団体であるPRSA(全米パブリックリレーションズ協会)が2026年8月6日にイリノイ州シカゴのユニオン・リーグ・クラブで開催した「Women of Impact Summit & Awards」だ。これは広報業界に貢献した女性リーダーを顕彰するPRSA初の年間表彰制度であり、受賞者はリーダーシップ、革新性、および他者への貢献という基準で選ばれ、キャリア段階や専門分野を問わず幅広い層から表彰された、とPRSAは発表している。

このイベントで「AI・コミュニケーション技術の革新的活用」部門の受賞者に選ばれたのが、広報・コミュニケーション専門家向けの教育・メディア企業であるRagan CommunicationsのCEO、ダイアン・シュワルツ氏だという。受賞を機にシュワルツ氏は、PRSAの業界誌「Strategies & Tactics」に論考を寄稿し、その内容をPR Dailyが要約・紹介する形で記事にしたものが今回の報道だ。

「AIは仕事を楽にしない。高度化させる」

シュワルツ氏が論考の出発点として紹介しているのは、ある世界的ブランドのコミュニケーション部門トップとの会話だという。シュワルツ氏が「今の仕事で最も刺激的で充実しているのはどんな部分ですか」と問いかけると、その担当者は笑いながら「あまり考えたことがなかった」と答えたという。

この反応こそが、現在の広報現場のムードを象徴していると、シュワルツ氏は指摘する。生成AIによる組織変革が加速する中、多くの広報担当者は仕事の充実感よりも目の前のタスクをこなすことに精一杯で、それを「贅沢な悩み」とさえ感じているのだという。さらにシュワルツ氏は、「Harvard Business Review」の最近の記事を引用し、LLM(大規模言語モデル)の無限の可能性に圧倒されることで生じる認知的ストレスを「brain fry(脳の焦げ付き)」と表現した、と論考の中で紹介している。

ただし、シュワルツ氏はAIを悲観的に捉えてはいない。「AIは基準を上げた。下げたのではない」というのが同氏の立場だ。AIが実務的な作業を代替できる一方、判断力・リーダーシップ・影響力はAIには代替できないと論じているという。本当の課題は業務をこなすことではなく、「人を動かし、意思決定を形成し、信頼されるアドバイザーとしての役割を果たすこと」だ、とシュワルツ氏は述べている。

30万人コミュニティが見えた「現場の課題」

シュワルツ氏が代表を務めるRagan Communicationsでは、世界30万人以上の広報担当者・マーケターのコミュニティに向けて定期的な実態調査を行っているという。同社の「Communications Benchmark Survey(広報実態調査)」によると、効果的な広報活動を妨げる要因として、回答者の3分の1以上が「土壇場での依頼が多すぎる」と回答し、約45%が「スタッフ不足」を挙げたという。また、約4分の1の回答者が「コミュニケーションチームが戦略的意思決定プロセスに関与していない」と答えているとシュワルツ氏は明かしている。

こうした現状を踏まえ、シュワルツ氏は「リスクはもはや生産性の低下ではなく、燃え尽き症候群・離脱・無気力だ」と警鐘を鳴らす。その上で、「広報担当者は企業全体を動かすリーダーとして行動し始めなければならない」と主張しているという。

論考の中でシュワルツ氏は、次世代の企業リーダーとして広報担当者が備えるべき能力として、以下の点を挙げている。すなわち、①ビジネス感覚を磨くこと(CEOやCFOの言語を学ぶこと)、②個人のリーダーシップスキルを積み上げること、③社内の部門横断的なネットワークを構築すること、④影響力の定義を刷新すること(ジャーナリストのみならずポッドキャスターや従業員インフルエンサーまで含む)、の各点だという。PR Dailyはシュワルツ氏の論考のうち前半部分を要約しており、全文はPRSAのウェブサイトで公開されていると案内している。

なお、PRSAの2026年Women of Impact Awardsでは、「AI・コミュニケーション技術の革新的活用」部門のシュワルツ氏以外にも、危機対応部門や社内広報部門など計20以上のカテゴリで受賞者が発表されており、広報業界における女性リーダーの多様な活躍が示されたとPRSAは発表している。

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広報次世代CEOAIリーダーシップ

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