広告持株会社3社トップの報酬競争が加速、パブリシスCEOに最大1710万豪ドルの提案

World's Largest Ad Group CEO Arthur Sadoun to Get 20% Raise, Up to A$17.1M

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広告持株会社3社トップの報酬競争が加速、パブリシスCEOに最大1710万豪ドルの提案
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ポイント

  • 世界最大級の広告グループCEOの報酬が20%引き上げの見通しです
  • 基本報酬は年間約230万豪ドル、総報酬は最大約1710万豪ドルになります
  • 競合他社より最低水準だったためで、5月27日に株主総会で採決されます

オーストラリアのメディア・マーケティング専門誌Mediaweekは、広告・マーケティング持株会社パブリシス・グループ(Publicis Groupe)の会長兼CEOアーサー・サドゥーン(Arthur Sadoun)氏の報酬パッケージが大幅に引き上げられる見通しだと2026年5月11日公開の記事で報じた。

パブリシス・グループは、サドゥーン氏の基本報酬を20%引き上げ、年間約230万オーストラリアドルとする方針を明らかにしたという。この引き上げの背景として同社が挙げたのは、サドゥーン氏の基本給が競合他社のCEOと比較して最低水準にあったという事実だ。

競合比較で「最低報酬CEO」が判明

Mediaweekの報道によると、ボーナスや業績連動報酬を含む総報酬パッケージは最大で約1710万オーストラリアドルに達する可能性があるという。2025年の総報酬は約1350万オーストラリアドルであり、基本給は約190万オーストラリアドル、業績連動の株式報酬として約590万オーストラリアドルが含まれていたとされる。

今回の引き上げ提案が承認されれば、2022年以来初の基本給引き上げとなるという。同誌はキャンペーンUKの報道を参照する形でこの点を伝えている。パブリシス・グループは2022年から2025年にかけて、オーガニックベースの純収益で19%の成長を記録し、時価総額は49%増加、1株当たり配当も29%増加したと説明しているという。

比較対象として示されたのは、パブリシス・グループと世界規模で競合する2社のCEO報酬だ。広告・PR持株会社のWPPは、CEO(最高経営責任者)のシンディ・ローズ(Cindy Rose)氏の総報酬パッケージとして最大約2070万オーストラリアドルを承認したという。同パッケージは2026年5月8日にロンドンで開催されたWPP株主総会で議決され、出席株主の75%が賛成票を投じたとされる。

一方、もう一方の競合である広告持株会社のオムニコム(Omnicom)は、昨年、報酬体系が変更された当時のCEO兼会長であるジョン・レン(John Wren)氏の報酬体系を変更したという。基本給は約140万オーストラリアドルから約138万オーストラリアドルへとわずかに引き下げられた一方、400万株分のオプションが付与されたとされる。このオプションの想定価値は約4億2900万オーストラリアドルにのぼるといい、オムニコムによるインターパブリック(Interpublic)買収後の3年間にわたって株価上昇分に連動する仕組みになっているという。レン氏は2024年に年間約3000万オーストラリアドルの報酬を受け取っており、広告持株会社の中で最高報酬のCEOだったとされる。

パリの株主総会で5月27日に採決

サドゥーン氏の報酬引き上げ案は、2026年5月27日にパリで開催される年次株主総会で承認を諮られる予定だという。

議決権行使助言機関のインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(Institutional Shareholder Services、以下ISS)は、サドゥーン氏の報酬案への賛成票は「妥当だが懸念がないわけではない」との見解を示したという。懸念点として挙げられたのは、株式の権利確定にかかる取締役会の裁量権だとされる。ただしISSは「重大な懸念はなく」、パブリシス・グループが基本給引き上げを正当化するための「詳細な情報を提供している」とも述べているという。

2027年末に「在任ボーナス」も控える

サドゥーン氏にはさらに、2027年末に在任ボーナスの支給も予定されているという。このボーナスは2023年の株主総会で承認されたもので、CEOとして5年間在任し続けることを条件に、年収の10倍相当の株式が一括で付与されるという内容だとされる。

パブリシス・グループは2025年に18.2%の利益率を記録し、オーガニック収益成長率は5.6%だったという。同社は今回の報酬引き上げについて、競合との報酬格差を縮小することに加え、2025年の「卓越した業績」を評価することが目的だと説明しているという。

なお、WPP前CEOのマーク・リード(Mark Read)氏は2025年9月に退任しており、最終的な報酬は約1490万オーストラリアドルだったとMediaweekは伝えている。

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