記者1800人調査が示す「無関係な売り込み」の代償と報道獲得を勝ち取る5つの鉄則

66% of Journalists Use PR Materials, But 75% of Pitches Are Rejected: Cision Report

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記者1800人調査が示す「無関係な売り込み」の代償と報道獲得を勝ち取る5つの鉄則
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ポイント

  • 記者の66%が広報素材を記事ネタに活用するが、売り込みの75%は即却下される現実が判明
  • 記者の50%が誤情報対策、49%が予算削減、43%がAIへの不安を主要課題と回答した
  • PR DailyがCisionの年次調査レポート「2026年版 State of the Media Report」の内容を報じた

PR業界専門メディアのPR Dailyは、世界1,800人以上の記者へのインタビューをもとに作成されたPRテクノロジー企業Cisionの年次調査レポート「2026年版 State of the Media Report(メディア現状報告書)」の内容を、2026年5月13日公開の記事で報じた。

同記事によると、現在の世界のニュースルームは深刻な課題を抱えているという。記者の50%が「正確性の追求とミスインフォメーション(誤情報)との戦い」を過去12カ月の最大の課題と回答した。前年の同調査では「信頼できるニュースソースとしての信頼性維持と『フェイクニュース』批判への対応」を主要課題と挙げた記者は40%だったとしており、1年で10ポイント増加したことになる。同時に、情報の検証と信頼できるソース探しを最大の課題と挙げた記者も20%にのぼったという。

予算削減・AIへの不安が急拡大

リソースの縮小も記者にとって大きな痛点となっているという。予算削減・人員削減・業務量増加を主要課題と挙げた記者は全体の49%にのぼり、前年の2025年版レポートで同様の回答をした29%から大幅に増加したとCisionのレポートは示している。AIの台頭に対する不安も高まっており、2026年版ではAIを最大の課題の一つに挙げた記者が43%に達し、前年版の30%から13ポイント増加したという。

こうした厳しい環境にある記者たちにとって、広報担当者からの情報提供は実は重要な役割を果たしている。同レポートによると、66%の記者がピッチ(記者への提案)・メディアキット・プレスリリースといった広報素材を記事のアイデア元として活用しており、ソーシャルメディア・競合媒体・業界イベントを上回る最大の情報源となっているとPR Dailyは報じた。

記者との関係構築はメールから始まる

関係構築の入口についても調査結果が示されているという。多くの記者が広報担当者との関係づくりの最初の一歩として「シンプルなメールによる自己紹介と連絡目的の説明」を挙げており、97%の記者がその後のやり取りもテキスト・電話・各種メッセージアプリよりもメールを好むと回答したとしている。

関係構築後に記者が広報担当者に求めるものとして、同レポートはデータ・解禁前(エンバーゴ付き)の情報・専門家へのアクセスの3つを挙げているという。読者に有益な情報を提供しつつ「フェイクニュース」批判にも耐えられる信頼性の高いコンテンツが求められているとPR Dailyは解説した。イベントへの招待やマルチメディア素材へのニーズも高いとしている。

的外れなアプローチが信頼を損なう

一方で、広報担当者が犯す最大の失敗は「担当分野と合わない記者に記事アイデアを送ること」だと同レポートは指摘しているという。多くの記者が受け取るピッチのうち関連性があると感じるものは25%以下にとどまると回答しており、的外れなピッチの氾濫が記者が広報担当者をブロックする主な理由になっているとしている。

この点について、Cisionのチーフマーケティングオフィサーであるエイミー・ジョーンズ氏はレポートの中で警鐘を鳴らした。「その手法(手当たり次第に送るアプローチ)は逆効果になり得ます。信頼を損ない、関係性を壊します」とジョーンズ氏は述べたという。同氏は広報担当者に対し、担当分野・読者層・過去の記事が自分の売り込みたいストーリーと合致する記者に絞ったリスト作りに時間とエネルギーを投資するよう助言したとしている。「記者がメディアへの売り込みに溢れかえっている時代だからこそ、丁寧に調整された人対人のアウトリーチが、広報チームにとっての競争上の差別化要因になります」とも語ったという。なお、ピッチを却下するかどうかの判断において、82%の記者が「自分の読者層または担当領域とのミスマッチ」が大きな要因になると回答したとされている。過度に宣伝的な内容や鋭い切り口のない企画も却下されやすいという。

AIが生成したピッチやプレスリリースに対しても、記者は慎重な姿勢を崩していない。53%の記者がAI生成の素材を受け取ることに強い、または一定の抵抗感を示しているとレポートは指摘している。前年版では56%だったとしており、わずかに数値は下がったものの依然として過半数が懸念を抱えているという。同レポートは「AIが使われているかどうかは圧倒的な反対意見ではないが、広報担当者がジャーナリストに送るコンテンツへのAI活用には慎重さが必要であり、正確性・パーソナライズ・人間らしいトーンが不可欠だ」と述べているとPR Dailyは伝えた。また、AIが代替できないものとして「特別なアクセス・細やかな洞察・本物のストーリーテリング」に注力するよう同レポートは広報担当者に促しているとしている。

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