大企業も個人も45点で横並び――広報の効果測定を阻む「活動設計の欠如」という盲点

PR Measurement Failure: The Real Reason Is System Design, Not Tools

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大企業も個人も45点で横並び――広報の効果測定を阻む「活動設計の欠如」という盲点
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ポイント

  • Spin Sucksは効果測定問題の根本原因を「設計の欠如」と指摘
  • 測定ツールより活動の連鎖やシステムが重要だと強調
  • 大企業スコア45点、個人実務家44点で予算では決まらない

PR・コミュニケーション業界の専門教育メディアであるSpin Sucksは、「あなたの効果測定問題は、実は測定の問題ではない」と題した記事を2026年6月9日公開の記事で報じた。執筆したのはSpin Sucksのジニ・ディートリッチ(Gini Dietrich)氏で、広報・マーケティング担当者が抱える「効果が証明できない」という悩みの根本原因を、測定ツールや指標の問題ではなくコミュニケーション活動の「設計の欠如」にあると指摘した。

測定の問題ではなく「システムの問題」

ディートリッチ氏はまず、典型的な相談事例を紹介している。あるクライアントのチームは、予算も人材も潤沢で、数多くのツールを活用しながら大量のコンテンツ制作、メディアへの売り込み、キャンペーン、ソーシャルメディア運用に取り組んでいた。しかし経営層から「その活動はビジネスにどう貢献しているのか」と問われた瞬間に、答えが出せなかったという。

このチームに「測定のフレームワーク」を構築して提供することは技術的には可能だったとディートリッチ氏は語る。しかし同氏はそれを「簡単な方法であり、最も危険な方法だ」と位置づけた。なぜなら「測定問題は、壊れたシステムが最初に姿を現す場所にすぎない」からだという。ダッシュボードだけを直しても、それが計測している仕組みそのものが機能していなければ、「間違ったものをより正確に見る手段を与えたにすぎない」と表現した。

同氏が強調するのは、広報・マーケティング効果を測定するには、そもそも活動間のつながりが必要だという前提だ。オウンドメディアがアーンドメディア(報道獲得)を下支えし、アーンドメディアがソーシャルで拡散され、広告がそれらの中で最も価値ある情報を指し示す。そしてその全体が、企業の評判・売上・採用・リスク管理といったビジネスが本当に重視する目標に向かっている状態が前提になる。「この連鎖がなければ、測定できないのではなく、そもそも測定する対象がない」とした。

データが示す「規模の無意味さ」

ディートリッチ氏はこの主張を、自社が蓄積したPESOモデル診断ツールのデータで裏付けた。PESOモデルとは、ペイドメディア(広告)・アーンドメディア(報道獲得)・シェアードメディア(SNS)・オウンドメディア(自社メディア)の4チャネルを統合してビジネス成果に結びつけるフレームワークで、ディートリッチ氏が提唱したものだ。

同診断ツールで実務担当者の運用状況をスコア化したところ、大企業チームの「可視化準備スコア」は平均45点だったという。一方、一人で全業務をこなすフリーランスの実務家は平均44点だった。潤沢な予算、大勢のスタッフ、複数の代理店、あらゆるツールを持つ大企業が、一人で戦う個人とわずか1点しか変わらなかった。ディートリッチ氏はこのデータについて「準備の水準は予算によって決まるのではなく、システムによって決まる」と結論づけた。

さらに診断結果を分析すると、最もスコアが高かったのはチャネル間の統合度で、効果測定の次元はそれより10ポイント低かったという。チームは測定方法を習得するよりも速くチャネル同士を接続しているが、それが逆に「測定への不満」として表面化する、とディートリッチ氏は分析した。大きな組織ほどチャネルのつながりが多い一方で、システム思考のスコアは低い傾向にあり、「インフラを買ったが、基盤となる設計思想をインストールしなかった」状態だと表現した。また、企業規模の大きな回答者のうち最高成熟度レベルに達していたのはわずか2組織のみで、残りは「試験的な段階」にとどまっていたという。

「予算をとる会話」の組み立て方

ディートリッチ氏はさらに、広報・マーケティング担当者が経営陣に予算を訴える際のアプローチについて言及した。「もっとマーケティング予算が必要だ」という言い方では予算は取れない、と明言した上で、コミュニケーション機能をプロダクト、採用、IT、財務、リスク管理をまたぐ「オペレーティングシステム」として提案するアプローチに組み替えれば承認されやすくなると主張した。

CMO・CFO・CIO・CCO・CEOがそれぞれ異なる問いを持っているにもかかわらず、PESOモデルの診断ツールが出力する「1枚の図」がそのすべての問いに答えるという。この1枚を予算会議に持ち込むことで、言葉による説明の前に会話の前提を組み換えることができる、というのが同氏の主張だ。

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広報効果測定PESOモデルシステム思考

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