6兆円超の食品買収劇が示す新潮流、広報会社が経営中枢に入る時代に日本は備えられているか

6.7 Trillion Yen M&A: PR Firms Now Central to Corporate Strategy

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6兆円超の食品買収劇が示す新潮流、広報会社が経営中枢に入る時代に日本は備えられているか
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ポイント

  • 米コンサルFTIが6.7兆円M&Aのメディア対応を担当
  • マコーミックによるユニリーバ食品部門の超大型買収だ
  • 広報会社が経営中枢で戦略的コーポレート広報を担った

米国のPR業界専門メディア「O'Dwyer's」(オドワイヤーズ)は、米国の大手グローバルコンサルティング会社FTI Consulting(本社:ワシントンD.C.、NYSE上場、年収約38億ドル規模)が、調味料世界最大手マコーミック社による食品大手ユニリーバの食品部門買収交渉において、メディア対応全般を担当していると2026年3月31日公開の記事で報じた。

取引規模と構造

取引総額は約450億ドル(約6兆7,500億円 ※1ドル150円換算)にのぼると報じられており、マコーミック社の時価総額約145億ドル(約2兆1,750億円)の3倍以上に相当する超大型案件だという。両社が公式に交渉の存在を認めたのは2026年3月20日のことで、その後もFTI Consultingが一貫してマコーミック側のメディア対応を担っているとしている。

取引スキームには「リバース・モリス・トラスト(RMT)」と呼ばれる節税型企業再編手法が用いられるという。これは、売り手となる親会社(今回はユニリーバ)が切り離したい事業部門を先行して独立させ、買い手となる別会社(マコーミック)と合併させる構造で、ユニリーバの株主が合併後の新会社株式の50%超を保有することで課税を回避できる点に特徴があるとされている。財務アドバイザーとしては、ユニリーバ側に米国大手投資銀行ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレー、英国最大手の会計・コンサルティング会社PwC(プライスウォーターハウスクーパース)が、マコーミック側には米国大手金融グループのシティ(シティグループ)と欧州の老舗投資銀行ロスチャイルドが起用されていると伝えられている。

統合される食品ブランドの全容

買収対象となるユニリーバ食品部門の2025年売上高は約129億ユーロ(約1兆9,350億円 ※1ユーロ150円換算)に達するという。主力ブランドは世界最大手マヨネーズ「ヘルマンズ」、スープ・調味料の「クノール」、英国発の発酵食品ペースト「マーマイト」、英国産マスタードの「コールマンズ」などで、ヘルマンズとクノールだけで食品部門の売上の約60%を占めるとされている。

マコーミック社は1889年創業・137年の歴史を持つ米国メリーランド州本拠の調味料・スパイスメーカーで、「マコーミック」ブランドのほか、メキシコ発のホットソース「チョルーラ」や「フランクスレッドホット」なども傘下に持つ。一方のユニリーバ(本社:英国・オランダ)は「ダヴ」「バセリン」「リプトン」などを展開する世界最大級の消費財メーカーで、近年は美容・パーソナルケア分野への経営資源集中を進める戦略転換の一環として、食品部門の切り離しを検討してきたとされている。

FTIが担う広報の役割

今回のM&A交渉においてFTI Consultingが担っているメディア対応は、単純なプレスリリースの配信にとどまらないとO'Dwyer'sは指摘している。投資家向け広報(IR)、規制当局への対応、グローバルメディア向けの戦略的メッセージ設計を一体的に統合した「コーポレート広報」の典型例だという。取引規模が6兆円を超える案件では、一つの情報漏洩や不適切なコメントが株価や交渉の行方に直接影響を与えるため、メディア対応を専門の広報会社が経営チームと同じテーブルで担うことが不可欠とされているとしている。

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M&A広報戦略PR会社コーポレート広報

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