カンヌPR部門のショートリストでPR会社がわずか11%にとどまった構造的な理由

Ad Agencies Dominate Cannes Lions PR Category: PR Firms' Share Just 10%

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カンヌPR部門のショートリストでPR会社がわずか11%にとどまった構造的な理由
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ポイント

  • カンヌライオンズPR部門でPR会社のショートリスト入りはわずか11%だった
  • 広告代理店が84%を占め、PR専門会社を圧倒している
  • 広告起源の評価基準や効果測定への消極性が背景にある

PR Dailyは2023年6月27日付の記事で、カンヌライオンズのPR部門における広告代理店の優位性について報じた。

PR会社はショートリストの11%のみ

カンヌライオンズ(Cannes Lions International Festival of Creativity)は、映像・広告・PRなど多岐にわたる部門でクリエイティビティの優れた取り組みを表彰する国際フェスティバルだ。このフェスティバルにはPR専門の審査部門が設けられており、報道獲得やストーリーテリングにおける優れたキャンペーンが評価される。

メディアインテリジェンス企業のCARMAが実施した分析によると、PR部門のショートリストに名を連ねた応募作品のうち、実際のPR会社が手がけた作品はわずか11%にとどまったという。一方、広告代理店によるものが84%を占めており、PR専門会社がPR部門においてさえ広告代理店に圧倒されているという構造が明らかになった。

エントリー総数1,600件でも、PR会社は存在感を示せず

PR部門へのエントリー総数は1,600件に上った。そのうち85%は広告代理店からの応募であり、絶対的なエントリー数の差が結果にも直結している。

この状況についてCARMAの共同創業者であるリチャード・バグナル氏はPR Dailyの取材に対し、複数の要因を説明した。カンヌライオンズはもともと広告業界を起源とするフェスティバルであり、「クリエイティビティ」を重視する評価基準が広告代理店に有利に働くという。また、広告代理店はPR会社よりもはるかに大きな予算を持つことが多く、制作品質の高いキャンペーンを投入しやすい環境にあるとも述べた。

カンヌライオンズのPR部門審査委員長を務めたケッチャム(Ketchum)のグローバルマーケット担当CEOのジョー=アン・ロバートソン氏は、PR会社側に「自信を持ってエントリーする姿勢」が必要だと強調した。審査委員が求めているのは多国籍・大規模キャンペーンではなく、「しっかりとしたリサーチと戦略に基づき、組織的に意味のあるインパクトを生み出したクリエイティブ」だという。

測定・効果証明への消極性が足かせに

バグナル氏はPR会社が取り組むべき課題として、データ分析・測定・効果証明への姿勢を挙げた。PR業界は組織的な価値に結びつく形での測定や計画立案を避けがちであり、その傾向がカンヌでの評価にも影響しているとしている。

同氏は「PR部門の全カテゴリーの中で、『インサイト&メジャーメント(洞察と測定)』の部門が最も応募数が少なかった」と指摘し、これは業界全体が効果測定に本腰を入れていないことを示す警鐘だと述べた。

一方で、広告代理店は「アーンドメディア(報道獲得)」が大規模キャンペーンを構築する唯一の方法になりつつあるという潮流を捉え、PR会社が本来得意とするはずの領域に積極参入しているという。C層へのアクセスや予算面での優位性を持つ広告代理店は、こうした越境においても先行しているとバグナル氏は述べた。

スタントではなくリサーチと計画を

バグナル氏はPR会社の今後の方向性として、単発的なスタントやイベントに頼るのではなく、計画・リサーチ・データ・インサイトに等しく注力することが重要だと提言した。活動量を数えることと価値を証明することを混同しない姿勢が、業界の成熟につながるとしている。

その具体例として同氏が挙げたのが、英国の新聞デイリー・スターが手がけた「レタス・リズ」キャンペーンだ。大きな予算を使わずとも大きなインパクトと優れた報道獲得を実現できることを示したこのキャンペーンは、カンヌライオンズでブロンズ賞を受賞した。

また今年の受賞結果については、ケニアからの初受賞を含む世界各地域の多様な代表が受賞リストに名を連ねたことも注目点としてバグナル氏は触れており、PR業界がグローバルに優れた仕事を積み重ねていることは確かだと述べた。その上で、業界全体が自信を持って大手代理店と競い合う姿勢を持つことが今後の課題だと結論づけた。

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カンヌライオンズPR業界広告代理店効果測定

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