AI生成の架空商品がバズったとき「45分で方針決定」できる広報体制の作り方

Fictional Pool Viral: Coleman's 45-Min Decision After 32M Views

ソースに基づく報道記事 8件の情報源
AI生成の架空商品がバズったとき「45分で方針決定」できる広報体制の作り方
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ポイント

  • 実在しないAI生成巨大プール画像がSNSで拡散
  • コールマンは45分で迅速に方針を決定し3日で施策を展開
  • 動画は3200万回再生され、サイト検索流入の90%を占めた

アメリカのPR・コミュニケーション専門メディア「PR Daily」は、実在しない製品のAI生成画像がソーシャルメディアで爆発的に拡散した事例を、2026年6月23日公開の記事で報じた。主役となったのは、「Coleman(コールマン)」というアウトドアブランドだ。

発端は「架空の200フィート」

コールマンのブランド担当バイスプレジデントであるジミー・ジア氏(英字表記: Jimmy Jia)のもとに、あるとき社内のソーシャルメディア担当チームから一枚の画像が届いた。それは、コールマンの名前がついた全長200フィート(約61メートル)の巨大なバックヤード用レイジーリバー(流れるプール)を写したように見える画像だった。ただし、この製品は実在しない。AIが生成した架空のものだった。

ジア氏の第一声は「最高じゃないか!」だったという。担当チームがその投稿に気づいたのは、日常的にオンライン上のブランドへの言及、タグ、消費者の会話を追跡するソーシャルリスニングツールを使っていたからだ。ツールに加え、チームはSNSのフィードを直接リアルタイムで確認することも習慣としており、この投稿が社内で即座に共有されたという。

「見た瞬間に、これだけで話題になる条件が全部揃っていると感じた」とジア氏はPR Dailyに語ったという。「流れるプールというだけでも面白いのに、サイズが200フィートで、しかもアウトドアといえばこのブランドというほど認知されたロゴまでついている」。チームはまず「これは社内から漏れたプロトタイプではないか」を確認し、架空のものだと判断した上で、どう対応するかを検討した。

45分で方針を固め、3日で展開

コールマンが取ったのは「否定して終わり」ではなく、「正直に認めつつ、乗っかる」という選択だった。公式メッセージは「私たちもそれが本当だったらよかったのに」という一言に集約されたとジア氏は語ったという。この言葉が「製品が架空であることを認めつつも、消費者の夢想に寄り添う」という絶妙な立場を可能にしたと同氏は説明した。

チームはアイデアを出し合い、約45分で施策の全体像を固めたという。方針が決まったのが水曜日、クリエイティブ素材が完成したのが木曜日、そしてコールマンの公式サイトおよびTikTokとInstagramへの展開が始まったのは金曜日だった。

公式サイト上には「このレイジーリバーは本当に存在するのか?」というページが設けられた。クリックすると「まだ、ない(Not yet)」という答えが現れ、その下に実在するコールマンのクーラーボックスやシェルター、チェアなどの関連製品が「レイジーリバーな雰囲気を実生活で実現するために」として紹介された。また、「Lazy River」というプロモーションコードで全商品10%オフになるキャンペーンも設けられた。

さらに後から追加されたInstagramとTikTok向けの動画では、コールマンの社員たちがサングラスとゴーグルを着けて椅子に座り、湖に浮かんでいるかのようなポーズで施策のアイデアを出し合う様子を演じたスキットが公開された。ジア氏はこの動画について、「AIには絶対にできないこと、つまりブランドの内側にいる本物の人間が自分たちを笑い飛ばしている姿を見せた」と語ったという。

施策後、サイトトラフィックの90%が「検索」から

PR Dailyによると、この架空のレイジーリバーに関連する動画は、最初の1週間で合計3200万回以上再生され、数万回にわたってリポストされたという。DesignRushの報道では、TikTok単体で1840万回、Instagramで1430万回だったと伝えた。

施策を展開した週末には、Coleman.comへのオーガニック(自然流入)トラフィックのうち90%が「Coleman lazy river」または「lazy river」という検索ワード経由だったとジア氏は明かしたという。財務面の詳細は開示できないとした上でのコメントだ。また、コールマンがInstagramで「この製品を実際に作るべきか」というアンケートを実施したところ、回答者の100%が「作るべき」と投票したとジア氏は語ったという。

ジア氏がこの事例から得られた教訓として挙げたのは3点だという。まず、チームが会話の流れに十分近い場所にいたことで、投稿が最高潮に達する前に発見できた点。次に、現場に最も近い若手チームメンバーを信頼したこと——「組織図で最も下にいる人が、こういう瞬間には最も重要な声になる」とジア氏は語ったという。そして、製品が架空であることを訂正しながら、同時に消費者の次のアクションに向けた道筋を示した点だ。AIによって偽物の画像が作りやすくなり、消費者がすぐに見破れなくなる時代において、ブランドは「訂正すべきか、無視すべきか、参加すべきか」を判断する基準を持つ必要があるとジア氏は述べたという。

「この扉を完全に閉じるつもりはない」とジア氏は語ったという。「私たちが目指しているのは、人々を屋外に引き出すことだ。たとえそれが200フィートの流れるプールの上であっても」。

情報ソース一覧

コールマンAIソーシャルメディアバイラルマーケティング

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