AIツール従量課金が直撃、マーケ予算の「定額で安心」が崩れる日に備える方法

AI Tools Shift to Usage-Based Pricing: Impact on PR/Marketing Budgets

ソースに基づく報道記事 7件の情報源
AIツール従量課金が直撃、マーケ予算の「定額で安心」が崩れる日に備える方法
画像: 情報ソースより

ポイント

  • 2026年5月27日、企業AIが定額制から従量制へ移行と報道
  • Google Gemini、GitHub Copilot(6月〜)、Claude(4月〜)が従量制に移行
  • 企業はAI予算確保、代理店は使用量ベース請求で対応開始

マーケティング専門メディアのMarketing Brewは、企業向けAIツールの料金体系が定額制から従量制へと一斉に移行しつつあり、ブランド企業や広告・PR代理店の予算管理に波紋が広がっていると2026年5月27日公開の記事で報じた。

主要AIが相次ぎ従量制へ移行

Googleは同社の年次開発者イベント「Google I/O」で、AIサービス「Gemini」アプリの料金モデルを変更すると発表した。新モデルは「使用した計算量(compute-used)」に基づく課金方式を採用し、チャットの長さ・使用した機能・プロンプトの複雑さに応じて料金が変わるという。これまでの「1日あたりのプロンプト回数制限」方式からの転換となる。

Microsoftのコーディング支援ツール「GitHub Copilot」も2026年6月から従量制請求に移行するという。また、AIの安全性研究を行う企業Anthropicが開発する対話型AIサービス「Claude」のエンタープライズ向けプランは、2026年4月にすでに同様の従量制課金への切り替えを完了している。

企業・代理店それぞれの対応

こうした変化を受け、企業やマーケティング会社がどう動いているかについて、Marketing Brewは複数の当事者への取材を通じて報じている。

ワインEコマース企業のFull Glass Wine Co.は、企業向けAIに対する予算枠を新たに確保したと、共同創業者・共同CEOのネハ・クマール氏が同誌に語ったという。同社はChatGPTとGeminiを社内全体で活用しており、社内外のコミュニケーション文書の要約業務などに利用しているという。同社のソムリエがワインのペアリングに関するメモをChatGPTに口述筆記させ、コピーライターと丸1日かけて行っていた文章作成を短縮している事例も紹介されている。「予算に組み込みたいか?もちろんです、すでに組み込んでいます」とクマール氏は語ったとしている。

マーケティングテクノロジーのスタートアップであるPomoは、企業向けAIプラットフォームのDatabricksを基盤に構築しており、エンジニアがOpenAIのコーディング支援ツール「Codex」やAnthropicの「Claude Code」を活用していると、共同創業者・CEOのプラニート・ダッタ氏が語ったという。Pomoはクライアントにリテイナー費用と、同プラットフォーム経由の広告費に対する一定割合を請求するモデルを採用しており、ダッタ氏はこれを「使用量の代理指標」と表現しているという。「トークンコストが変化すれば、自社の収益もそれに連動して変わる。これは、いまのコスト構造をAI時代に合わせて後付けで改修しようとしている大企業とは根本的に異なるポジションだ」と同氏は述べたとしている。

クリエイティブ代理店のVMLも、同社のプラットフォーム「Open Action」を通じてクライアントに使用量ベースで費用を請求しているという。同社最高イノベーション責任者のパブロ・ベルテロ氏が明らかにしたもので、クライアントは親会社WPPのプラットフォーム「WPP Open」を通じて複数のAIモデルを選択できるとしている。

「AI補助金時代」の終わりと構造的背景

こうした料金改定の背景について、Marketing Brewは「AIの補助金時代(subsidy era)」とも呼ばれた時期が終わりつつあると指摘している。主要なAI企業が膨大な計算資源(コンピュート)の調達コストを賄うため、従量制は収益確保の手段の一つになっているというのだ。

Anthropicは宇宙企業SpaceXとの間で、2029年5月までデータセンターへのアクセスを提供する契約を締結したと報じられている。この発表後、Anthropicはシートベースのエンタープライズ向け「Claude Code」サブスクリプションにおける5時間あたりの利用上限を2倍に引き上げたという。

Microsoftの企業向けAIアシスタント「Microsoft 365 Copilot」の有料利用者数は、2026年4月時点で2000万席を超えたと、同社CEOのサティア・ナデラ氏が四半期決算説明会で投資家に伝えたという。また配車サービス大手のUberのCOOであるアンドリュー・マクドナルド氏は、トークン消費に起因する高いAIコストを正当化することがますます難しくなっていると、インタビューで語ったと報じられている。

テクノロジー・ビジネス分析メディアのStratecheryは、MicrosoftのCFOエイミー・フッド氏が2026年1月の決算説明会で、クラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」を通じた外部需要と、GPUやCPUといった社内AI関連資産への内部需要をどう調整するかという同社の戦略に言及したことを取り上げているという。AIの需要増加はサービス提供コスト全体を押し上げており、その圧力が企業向け料金に転嫁される流れが加速しているとみられる。

情報ソース一覧

AI料金体系従量制課金マーケティング予算

記事内容に関するお問い合わせ・フィードバックはこちらからお寄せください。