社内動画は「作り込むほど見られない」?完成度を捨てて届けるショート動画戦略の逆説

Cisco's TikTok-style approach: Realness over refinement transforms internal comms

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社内動画は「作り込むほど見られない」?完成度を捨てて届けるショート動画戦略の逆説
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ポイント

  • Ragan.comはシスコのショート動画活用事例を2026年5月18日に報じた
  • シスコは「完成度の高さは逆効果」とし、人間的なコンテンツを重視した
  • 社内クリエイター育成で真正な動画を量産、従業員の視聴成果を上げた

PR・コーポレートコミュニケーション専門メディアのRagan.comは、社内コミュニケーションにショート動画を活用する最前線の事例を、2026年5月18日公開の記事で報じた。

シスコが語った「なぜ刺さらないか」

記事によると、ネットワーク・通信インフラ企業のCisco(シスコ)のコミュニケーション部門ディレクター、アリソン・マレー(Allison Murry)氏は、Raganが主催する社内コミュニケーション・カルチャーカンファレンス「Ragan's Employee Communications and Culture Conference」の2026年ボストン大会に登壇し、社内広報戦略をショート動画中心に刷新した取り組みを紹介したという。

マレー氏はこの場で、社内コンテンツが従業員に届かない根本的な理由を率直に語ったとされる。「私たちがスマートフォンで何時間も過ごせるのに、従業員は社内コンテンツに数分も割いてくれない。なぜか」と問いかけ、「従業員が無関心なのではない。私たちが届ける方法・作る方法と、彼らが仕事外でコンテンツを消費する方法が、根本的に食い違っているだけだ」と指摘したという。

「完成度の高さ」は逆効果だった

Ragan.comの報道が特に強調したのは、映像の品質に関するマレー氏の見解だ。マレー氏は「従業員は過度に磨き上げられた動画を望んでいない。より人間的なタッチのコンテンツを好む」と述べたという。

具体的には、「制作コストの低い、台本に縛られないコンテンツが、ほぼ常に本格制作を上回る。撮影しているときはFaceTimeのような感覚で、見ているときもFaceTimeのような感覚であるべきだ」と語ったとされる。高品質・高コストの映像制作に投資するほど、かえって従業員の共感を失うという逆説を、実践経験から示した形だ。

社内コンテンツクリエイターのネットワーク構築へ

このアプローチを実際の業務に落とし込むために、マレー氏のチームが取った行動が、社内コンテンツクリエイターのネットワーク構築だったという。シスコ社内に複数の動画制作担当者を配置し、組織全体から真正性のある動画ストーリーを生み出す仕組みを整えたと、Ragan.comは伝えている。

今回マレー氏が登壇したRagan's Employee Communications and Culture Conferenceは、Raganが主催する社内コミュニケーションと企業文化に特化した年次カンファレンスで、大企業のコミュニケーション担当者が最新事例や実践手法を共有する場として位置づけられているという。Ragan.comの記事(5月18日公開)では、先月(4月)にボストンで開催された同カンファレンスでの発表内容として紹介されている。

ショート動画を社内広報に転用する流れは、シスコに限った話ではない。社内コミュニケーション・従業員エンゲージメントプラットフォームを提供するBlue Colibriは、自社のブログで同様の潮流を詳しく解説している。同ブログによると、60〜90秒以内の字幕付きショート動画は、新入社員のオンボーディングから社内ポリシーの周知、リーダーからのメッセージ配信まで、幅広い場面で有効だとしている。特にリーダーのメッセージは社内コミュニケーションプラットフォーム上でも最も視聴される部類のコンテンツとされており、ショート動画との親和性が高いという。

Blue Colibriの同ブログはさらに、社内動画で成果を上げる上での「真正性」の重要性を強調している。社内インフルエンサーや社員アンバサダーによる動画は、「どれだけ本物らしく見えるか」が成否を決めるとし、従業員が自分の視点から職場体験を自由に語れるよう、動画制作のツール提供やトレーニングが必要になる場合もあると指摘している。

情報ソース一覧

社内コミュニケーションショート動画シスコTikTok

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