戦略コミュニケーション部門が全社を牽引——FTIコンサルが四半期最高売上を更新

FTI Consulting's Strategic Comms Division Drives Record Quarterly Revenue

ソースに基づく報道記事 9件の情報源

ポイント

  • FTIの戦略コミュニケーション部門がQ4売上9,940万ドルを記録し、前年比14.8%増となった
  • 調整後EBITDAマージンも19.2%へ大幅に改善し、収益性が向上した
  • 全社売上も過去最高の9億9,070万ドルを達成し、市場予想を上回った
英国発祥のPR・コミュニケーション業界専門メディアPR Week(グローバル版)は、1982年創業・ニューヨーク証券取引所上場の米国グローバル経営コンサルティング会社FTIコンサルティング(NYSE: FCN、企業財務・法務・経済・テクノロジー・戦略コミュニケーションの5部門を持ち、年商約37億ドル規模)の戦略コミュニケーション部門が、2025年第4四半期(Q4)に前年同期比14.8%増の売上高を記録したと2026年3月8日公開の記事で報じた。

PR Weekの報道によると、FTIの戦略コミュニケーション部門(企業のレピュテーション=評判管理、M&A時の財務広報、危機対応アドバイザリーを提供するコンサルティングサービス)の2025年Q4売上高は9,940万ドル(約149億1,000万円 ※1ドル150円換算)に達したという。同部門の収益性を示す指標である調整後EBITDAマージン(特別損益・減価償却・のれん償却などを除いた部門単位の実質的な収益力を示す経営指標)は、前年同期の15.9%から19.2%へと大幅に改善したと同メディアは報じている。

成長の主因についてPR Weekは、レピュテーション管理サービスへの需要増加を挙げている。AIやESG(環境・社会・ガバナンス)関連の規制強化や地政学リスクの高まりを背景に、企業が評判管理・危機対応への投資を積極的に拡大していることが需要を押し上げたと報じた。一方で、全社業績が好調な中にも明暗が分かれた部門があり、経済コンサルティング部門は同期間に売上高が14.5%減と大きく落ち込んでおり、戦略コミュニケーション部門が全社業績を牽引する構図となったと同メディアは報じている。

全社業績および財務詳細については、FTIコンサルティングの公式決算リリースおよびInvesting.com、MarketBeatなどの金融メディアが伝えている。これらによると、2025年Q4の全社売上高は9億9,070万ドル(約1,486億円 ※同換算)と四半期として過去最高を記録し、市場のアナリスト予想を7.87%上回った。2025年通期売上高は37億8,900万ドル(約5,684億円 ※同換算)で前年比2.4%増となり、調整後EPS(1株当たり利益)は11期連続で成長を達成した。同社は2025年に8億5,860万ドル(約1,288億円 ※同換算)の自社株買いを実施しており、株主還元にも積極的な姿勢を示している。

FTIコンサルティングの公式決算発表の場では、暫定最高財務責任者(Interim CFO)のポール・リントン氏が業績説明を担当した。同氏は需要の背景として、AI活用に伴うガバナンスリスクへの企業の感度上昇や、ESG開示強化に伴う対外コミュニケーション需要の拡大を具体的な要因として言及した。また同社は、2026年通期売上高ガイダンスとして39億4,000万〜41億ドル(約5,910億〜6,150億円 ※同換算)を公式に示しており、成長軌道の継続に自信を示している。

この結果が示す業界的な意味合いについてPR Weekは、経済不確実性や規制強化が増す環境下において、高度な戦略的コミュニケーション支援への需要がグローバルで継続的に拡大していると分析している。PR会社と経営コンサルタントの中間に位置する「コミュニケーションアドバイザリー」の代表格であるFTIの業績は、広報・PR機能が単なる情報発信にとどまらず、企業価値を守る戦略的投資として経営層に認識されつつあることを裏付けるものだとしている。

記者の目

今回の数字で最も注目すべきは、全社の経済コンサルティング部門が14.5%減と苦戦する中で、戦略コミュニケーション部門が14.8%増という真逆の成長を遂げた点だ。「不況時にこそ広報投資を削る」という日本企業の慣習と、この数字は完全に矛盾する。日本IR協議会の2024年調査によると、東証プライム上場企業でIR・PR統合型の戦略コミュニケーションを公式に採用する企業は全体の約15%にとどまっている。FTIのStratCom部門が1四半期で稼ぐ約149億円に対し、国内独立系PR大手のプラップジャパンの年間売上高は約80億円(2024年度)に過ぎない。スケールの差は、そのままサービスの高付加価値化の差でもある。

日本能率協会の2024年調査では国内企業の約67%が広報・PR業務を主に内製化しており、FTI型の外部戦略コミュニケーション活用モデルは国内では少数派だ。しかし経済産業省の企業情報開示指針や東証の企業価値向上要請を受け、IR・PR統合の圧力は確実に高まっている。まず自社の危機対応プロセスと外部アドバイザリー活用の可否を棚卸しすることが、日本の広報担当者に求められる具体的な第一歩となる。

情報ソース一覧

FTIコンサルティング戦略コミュニケーション四半期決算PR

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