24カ国調査で信頼度に6倍の格差、日本の広報担当者が今すぐ戦略を見直すべき理由

Global Trust Crisis: Sweden 83% vs. Japan 40% in PR Strategy Impact

ソースに基づく報道記事 10件の情報源

ポイント

  • IPRは世界的な信頼度格差調査を解説しました
  • スウェーデンが社会的信頼度83%で最高です
  • 日本のニュース信頼度は40%と低水準でした

米国フロリダ州に本部を置くPR業界の研究機関・Institute for Public Relations(IPR、広報・コミュニケーション分野のエビデンスベース研究を推進し、業界実務者向けに学術知見を発信する機関)は、世界的な信頼度格差に関する調査データをまとめた解説記事を2026年3月3日公開の記事で報じた。この記事はIPRが、2004年設立の米国の非党派・非営利シンクタンクであるPew Research Center(政治・社会・メディアに関する世論調査を世界規模で実施し、データは学術・政策・ビジネス分野で広く引用される)の最新調査結果を、広報実務者向けに解説・発信したものだ。

Pew Research Centerは2025年1月8日から同年4月26日にかけて、24カ国の成人37,877人を対象に社会的信頼度に関する大規模調査を実施したという。「ほとんどの人は信頼できる」と答える割合を「社会的信頼度」として国際比較したところ、国によって劇的な差が浮き彫りになったとIPRは報じた。最も信頼度が高かったのはスウェーデンの83%であり、最低はトルコの14%と、同じ調査内で約6倍の開きがあるという。所得水準別に見ると、高所得国の中央値が59%であるのに対し、中所得国の中央値は27%にとどまり、経済的豊かさと社会的信頼が強く連動していることが示された。

メディアへの信頼についても深刻な低下傾向が確認されたという。Pew Research Centerが米国を対象に実施した調査では、全国ニュースへの信頼度が56%と、2016年比で20ポイント低下したと報じた。同じ期間にローカルニュースへの信頼度も82%から70%に低下しており、メディア全般への信頼の侵食が着実に進んでいることが示されたとしている。

政府への信頼についても同様の傾向がみられる。Pew Research Centerの追跡調査によると、米国における政府信頼度は17%と数十年来の最低水準に落ち込んでいるという。同機関は1958年から継続的に米国の政府信頼度を追跡しており、今回の17%という数字は歴史的に見ても異例の低さだと報じた。政府・メディア・対人関係という三つの信頼軸がすべて同時に低下しているという構造的変化は、PRや広報戦略の根本的見直しを迫るものだとIPRは指摘している。

今回の調査データが広報業界に突きつける課題をIPRは次のように整理しているという。従来の広報手法の中心は「権威ある情報源を通じたメッセージ発信」であったが、政府機関・主要メディア・専門家といった権威への信頼が軒並み低下している現状では、その手法の実効性が根本から揺らいでいるという。代わりに重要性を増すのが、透明性・一貫性・地域コミュニティとの直接的な関係構築だと同機関は強調している。また、生成AIによる情報生成が急増する中、何が真実かを判断する基盤そのものが揺らぐリスクが一層高まっており、信頼構築を核に据えたPR戦略の重要性は今後さらに増すとしている。

なお、英国オックスフォード大学に附属するジャーナリズム・メディア研究機関であるReuters Institute(毎年「Digital News Report」を発行し世界各国のニュース消費・信頼度を比較分析する機関)が2024年に発表した「Digital News Report 2024」によれば、日本のニュースメディアへの信頼度は40%と調査対象46カ国中最低水準に近い数字であり、今回の調査で示された米国の56%をも下回っている。信頼の低下は決して欧米だけの問題ではなく、日本においても深刻な課題であることが複数の調査から裏付けられている。

情報ソース一覧

信頼広報戦略メディア国際比較

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