社会的紛争に企業はどう向き合うべきか、1000人調査が示す4つの行動類型と「沈黙」の代償

In Conflict, Silence is Not an Option: Corporate Response Shapes Trust, Survey Finds

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社会的紛争に企業はどう向き合うべきか、1000人調査が示す4つの行動類型と「沈黙」の代償
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ポイント

  • PR機関IPRは、紛争時の企業の対応姿勢に関する調査結果を公表
  • ロシア・ウクライナ戦争を題材に1000人調査を実施
  • 「事業継続」は中立ではなく「無関心」と見なされることを実証

PR・コミュニケーション分野の学術研究機関であるIPR(Institute for Public Relations)は、社会的紛争が発生した際に企業がどのように行動すべきかを問う調査レポートを2026年5月20日に公開・発表した。

「中立」は中立ではない

同レポートによると、IPRはロシア・ウクライナ戦争に対する企業の対応を題材として、2024年と2025年の2度にわたる研究を実施したという。調査手法はオンライン実験形式で、フィンランドの消費者パネルから1,000人のサンプルを抽出した。

研究が明らかにした最も重要な知見は、「平常通りの事業継続(business as usual)」が消費者に中立として受け取られないという点だとしている。紛争が深刻かつ道徳的な問題として社会に認識されている場合、沈黙や事業継続は「回避」や「無関心」と解釈されることが多いという。この知見は、危機・社会的分極化における企業への期待に関する先行研究とも一致すると同レポートは述べている。

企業の対応は4類型に整理される

レポートでは、社会的紛争に際して企業が取りうる行動パターンを4つに整理している。

第一は「平常通りの事業継続(Business as usual)」で、中立を保ち事業を続ける姿勢であり、非政治的・実用的な立場として自社のスタンスを説明するケースだという。第二は「利益獲得(Taking advantage)」で、紛争による混乱を商業的利益に転換する行動を指す。市場からの撤退企業の後釜に入ることや、価格引き上げ、競合上の優位性の活用などがこれにあたるとしている。第三は「撤退(Withdrawal)」で、主として倫理的理由から市場を離脱するか事業を停止するものの、被害を受けた人々への積極的な支援活動は伴わないケースだという。第四は「積極的関与(Proactive engagement)」で、人道支援・寄付・従業員主導の活動・支援団体との連携など、被害の軽減を意図した行動を取ることを指すとしている。

なぜ「言葉」ではなく「行動」に着目したのか

IPRは、PR・コミュニケーション分野の既存研究の多くが、組織が直接の原因となった危機や、政策提言・課題に対する立場表明といった象徴的な対応に焦点を当ててきたと指摘している。一方、戦争・侵略・地政学的危機といった社会的紛争は状況が異なる。こうした文脈では企業は当事者ではなく第三者であることが多いにもかかわらず、責任ある行動を求める公衆の期待は高まっている。

そのためIPRは、企業が「何を言うか」ではなく「何をするか」へと研究の焦点を移した。PR・企業の社会的責任(CSR)・紛争マネジメントの各領域の研究を踏まえ、上記4類型を設定したという。

沈黙も意思表示と見なされる

レポートは、企業が行動するかどうかに関わらず、その選択は紛争における立ち位置として不可避的に評価されると指摘している。企業は社会システムの不可分な構成要素であり、経済的・象徴的・道徳的な意味を持って社会に組み込まれているという認識が根底にある。外部の観察者として紛争の外側にとどまり続けることはできないという立場だ。

今日の企業は、従業員・顧客・サプライチェーン・パートナーシップ・社会的期待といった多方面から影響を受けており、意思決定者には倫理的な圧力が集中する。同レポートは、多くの企業と広報担当者がリスク管理と道義的責任のバランスを取りながら、それぞれの選択が公衆にどう受け取られるかについて明確な指針を持てないまま対応を迫られていると述べている。

この研究は、これまで実践の場で感覚的に理解されてきた「企業の行動は言葉より重い」という知見に、実証的な裏付けを与えるものだとIPRは位置づけている。同レポートは広報担当者向けに、紛争時の企業対応がどのような公衆反応を生むかについて、信頼・評判・ステークホルダーからの支持への影響を含めて分析した内容だとしている。

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企業対応紛争広報戦略信頼

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