「情熱ある社員」が最強の広報資産になる?1014人調査が示す社内コミュニケーション投資の再定義

Is "Passion for Work" a Must for Managers? US PR Study Reveals Pitfalls.

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「情熱ある社員」が最強の広報資産になる?1014人調査が示す社内コミュニケーション投資の再定義
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ポイント

  • IPRは、職場での「情熱」がリーダーシップの必須条件か研究
  • 23名のリーダーと1,014名の従業員を調査し、情熱の3構造を特定
  • 情熱は従業員エンゲージメント、組織への誇り向上に繋がる

PR・コミュニケーション分野の非営利専門研究機関であるIPR(Institute for Public Relations)は、職場における「情熱」がリーダーシップの必須条件かどうかを問う研究を、2026年7月29日公開の記事で報じた。

情熱の3つの構造を特定

同研究は、IPR傘下の「Internal Communication Research Hub」に所属するレニー・ミットソン(Renee Mitson)博士、サニー・チン(Sunny Qin)博士、エイプリル・ユエ(April Yue)博士を含むチームが実施したという。調査手法は2段階に分かれており、まず米国内の幅広い業種で活躍する23名の経験豊富な社内コミュニケーションリーダーに対して、職場での情熱の実態や意義についての詳細なインタビューを実施した。続いて、インタビューで得た知見を検証・発展させるために全国の正規雇用従業員1,014名を対象とした調査を行ったと報じられている。

同研究は、職場における情熱が「感情的次元」「アイデンティティ的次元」「パーパス(目的意識)的次元」という3つの構造から成ると定義したという。感情的次元とは、情熱的な従業員が業務において熱意・高揚感・喜び・エネルギーを感じる状態を指す。アイデンティティ的次元は、仕事が自分の才能・価値観・自己観と結びついている状態を意味し、「この仕事が大切なのは、それが自分自身の一部だから」と言えることがその本質だとしている。パーパス的次元は、自分の業務と組織の使命・価値観・社会的貢献との間につながりを見出せている状態であり、「何をするか」だけでなく「誰のためにするか」「なぜそれが重要なのか」が情熱を育む上で重要だと述べられている。

情熱がもたらす組織的効果

研究結果として、情熱は従業員個人にとってエンゲージメントの向上・心理的ウェルビーイングの改善・生活満足度の上昇と関連していることが示されたという。IPRは「情熱を生産性向上のツールとしてのみとらえるべきではない」とし、適切に育まれれば従業員が仕事に意義と充実感を見出す助けになると強調している。

組織側の効果としては、情熱が組織への誇り・従業員と組織の関係性強化・従業員によるアドボカシー(自社を積極的に支持・推薦する行動)の促進につながるという。情熱的な従業員は自社について好意的な発言をする可能性が高く、その組織のストーリーを発信し、批判を受けたときには組織を擁護する傾向があるとされる。IPRは「従業員の声は公式な企業の声明よりも信頼されることが多い」と指摘し、真の信念から生まれたアドボカシーにのみ、従業員が組織の最も信頼できる発信者になれると述べている。

情熱を育てるために組織ができること

IPRは実践的な提言として、まず情熱を「人としての優先事項」と「戦略的な優先事項」の両面で認識することを挙げている。従業員を単なる生産性の単位ではなく、感情・アイデンティティ・希望・価値観・個人的な事情を持つ人間として見ることが出発点だとしている。

また、社内コミュニケーション担当チームに中心的な役割を担わせることも提言している。社内コミュニケーションの機能は単に情報を配布することにとどまらず、意味を作り出し、関係性を構築し、対話を可能にし、従業員が自分の貢献と組織の全体像との関係性を理解する助けとなるとしている。

一方、ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)のジョン・M・ヤッチモウィッツ(Jon M. Jachimowicz)助教授とハンナ・ワイズマン(Hannah Weisman)研究員が発表し、『Research in Organizational Behavior』誌に掲載された研究によると、米国の求人票に「情熱(passion)」という言葉が登場する頻度は2007年から2019年の間に2%から16%へと上昇し、約10倍に増加したという。しかし同研究は、雇用主と従業員が「情熱」の意味を異なる形で解釈することが多く、それが職場での摩擦を生むと指摘している。従業員が「情熱」を個人の価値観と仕事を結びつける自己充実の手段ととらえるのに対し、マネジャー側は情熱のある従業員は追加業務を引き受けてくれるという期待につながりやすい構造があるという。ヤッチモウィッツ助教授は「組織として情熱のある人を採用するだけでは不十分であり、リーダーは情熱をどうマネジメントするかも学ぶ必要がある」と述べている。

IPRは、表面的なメッセージや特典・スローガンによって情熱を「演出」しようとするアプローチでは効果がないと明示している。情熱が育まれるのは、従業員が自分の仕事に意義を感じ、自分の声が届いていると実感し、自分の貢献がより大きな何かとつながっていると理解できているときだとしている。

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情熱管理職社内コミュニケーション従業員エンゲージメント

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