ChatGPTの「回答データ源」になる——ロレアルがOpenAI提携で仕掛けたAI時代の広報戦略

L'Oréal's AI Strategy: 40% Cost Cut, ChatGPT Integration for Content & Marketing

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ChatGPTの「回答データ源」になる——ロレアルがOpenAI提携で仕掛けたAI時代の広報戦略
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ポイント

  • ロレアルはOpenAIと提携し、AI基盤「CreAItech」を強化
  • これにより、コンテンツ制作コスト40%削減を達成した
  • ChatGPT連携で広告や研究開発部門にもAI活用を拡大する

デジタルメディア・マーケティング専門媒体のDigidayは、フランスの化粧品グループ、ロレアルがOpenAIと包括的なAI提携を締結したと2026年6月19日公開の記事で報じた。

ロレアルがこの提携を正式に発表したのは、2026年6月19日にパリで開催されたテクノロジーカンファレンス「VivaTech」の場だった。発表に際してロレアルのチーフ・デジタル・アンド・マーケティング・オフィサー(最高デジタル・マーケティング責任者)のアスミタ・ドゥベイ氏がステージに立ったという。同カンファレンスにはLVMH、Google、ルノーの幹部も登壇したとされる。

社内AI基盤「CreAItech」がOpenAIと連携

今回の提携の中核にあるのは、ロレアルが2024年から開発を開始した社内の生成AIコンテンツ基盤「CreAItech(クリエイテック)」だ。このシステムは世界1万人規模のマーケティングスタッフが、静止画・動画を含むマーケティング素材を大量かつ迅速に制作するために活用されているという。Digidayによると、CreAItechにはすでにSeedance、Google(Gemini、Veo3、Imagen)、Adobe、Stable Diffusionのモデルやツールが組み込まれており、今回OpenAIのモデルが新たに加わる形となった。

ドゥベイ氏はDigidayのインタビューで、OpenAIを追加する理由についてこう語ったという。「AIモデルはそれぞれ異なる強みを持っている。OpenAIの画像モデルはテキストから画像への変換精度が非常に高いため、加えたい」。

直近の通期決算説明会では、CEO(最高経営責任者)のニコラ・イエロニムス氏がアナリストに対し、CreAItechによってコンテンツ制作コストが40%削減され、社内スタッフが同システムのツール群を通じてすでに5万点のマーケティング素材を制作したと明らかにしたとDigidayは伝えている。イエロニムス氏は「ツールを使いこなすことを学ばなければならないが、これは本当に新しい時代だ」と述べたとされる。

ChatGPT内での製品発見と広告出稿

今回の提携はコンテンツ制作だけにとどまらない。ロレアルはOpenAIに対して自社製品の最新情報を直接提供し、ChatGPTを動かす基盤モデルに組み込んでもらう仕組みを構築するという。これにより、ユーザーがChatGPTでロレアル製品の情報を求めた際に、製品レビューサイトやRedditの投稿、Wikiといったスクレイピング由来の情報だけでなく、ロレアル自身が提供した正確な製品情報を参照できるようになるとされる。なお同社の傘下ブランドであるメイクアップブランドのメイベリン(Maybelline)は、バーチャルでメイクを試せる「仮想試着(バーチャル・トライオン)」アプリをChatGPTに直接統合する予定だとも報じられている。

広告面では、ロレアルがすでにChatGPT上で有料広告出稿を行っていることも明らかになった。ドゥベイ氏によると、スキンケアブランドのCeraVe(セラヴィ)、SkinCeuticals(スキンシューティカルズ)、Garnier(ガルニエ)の3ブランドで2026年4月から米国内でChatGPT広告のテストを開始しているという。ドゥベイ氏は「消費者が何を見ているか、購入まで進むかどうかをテストしている段階。まだ初期段階だ」と述べ、具体的な数字は公表しなかったとDigidayは伝えている。

研究開発部門にもAI基盤を拡大

今回の提携はマーケティング領域を超え、研究開発部門にも及ぶ。ロレアルは、OpenAIがライフサイエンス分野向けに開発した推論AIモデル「GPT-Rosalind(GPT・ロザリンド)」へのアクセスも今回の提携に含まれると報じられている。

投資面では、ロレアルの2025年のテクノロジー投資総額が約15億ユーロ(約2,200億円 ※1ユーロ148円換算)に達したとDigidayは伝えた。また、ロレアルは2025年にNVIDIA(エヌビディア)とも別途契約を締結し、CreAItechの規模拡大に伴うGPU(画像処理半導体)の利用効率向上を図ったという。

市場調査会社ガートナーのアナリスト、グレッグ・カルーシ氏は同記事の中でこうコメントしたとされる。「生成AIが消費者のブランド発見・インタラクションのあり方を変えるなか、パーソナルケアブランドはAI検索への移行によりウェブサイトへのトラフィック減少を経験しており、消費者のほぼ5人に1人が情報収集に生成AIツールを使っている。美容業界においてこの動きは特にタイムリーだ」。

同記事によると、ガートナーの調査ではCMO(最高マーケティング責任者)の70%が「自社をAIのリーダーにすることが重要な目標だ」と回答しており、マーケティング組織は平均で予算の25%をAI投資に充てているという。ロレアルのドゥベイ氏は「私たちは両社ともに、根本的なパートナーシップを構築したいと考えている。AIに対してより高い要求ができると信じている」と語ったとされる。

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ロレアルAIChatGPTマーケティング

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