社名変更の秘密を1100人が1年間守れた理由:Blood Cancer Unitedのリブランディング設計術

Nonprofit's Bold Rebrand: Disclosing New Name to 1100 Employees 1 Year Early Pays Off

ソースに基づく報道記事 3件の情報源
社名変更の秘密を1100人が1年間守れた理由:Blood Cancer Unitedのリブランディング設計術
画像: 情報ソースより

ポイント

  • 血液がん支援団体が3年かけ社名変更を実施した
  • 1100人の従業員に1年前から新名称を開示し秘密を守る賭けに成功
  • 結果、フォロワー10%増、ウェブサイトトラフィック15%増を達成

米国のPR・コーポレートコミュニケーション専門メディアのRagan Communicationsは、血液がん支援専門の非営利団体Blood Cancer Unitedによるリブランディングの内幕を、2026年6月2日公開の記事で報じた。3年間にわたる社名変更プロセスにおいて、1100人の従業員に対して徹底した情報開示を行うという異例のアプローチが、最終的に成功につながったという。

「一色」に埋もれた旧ブランドの限界

Blood Cancer Unitedは、旧称をThe Leukemia & Lymphoma Society(以下、LLS)という。団体は1949年にRobert Roesler de Villiers Foundationとして設立され、2000年にLLSへと改称した経緯を持つ。その後も活動の実態とブランド名のずれは広がり続け、2020年代初頭には限界が顕在化していたとRaganは報じた。

課題は二つあった。一つ目はロゴだ。白背景に赤い血液のしずくとグレーのフォントを組み合わせたデザインは、非営利健康系の分野において「赤・白、そこに少々の青というデザインが溢れ、どこも同じに見えた」と、団体のチーフエクスペリエンスオフィサー(広報・マーケティング統括責任者)のリン・ゴドフリー氏は語ったという。二つ目は名称そのものの問題だった。白血病(Leukemia)とリンパ腫(Lymphoma)の二疾患しか名称に含まれておらず、骨髄腫や骨髄異形成症候群など100種類以上ある血液がんの約20%が旧名称ではカバーされていなかったという。「私たちの名前は、意図せず血液がん患者の20%を排除していた」とゴドフリー氏は述べたとRaganは伝えた。

400の候補名から3年かけて選んだ一語

リブランディングのプロセスは3年間に及んだ。まず組織内部では、変更の是非を問うアンケートが実施された。その結果、従業員の8割以上が名称刷新を支持したという。「従業員から変更の委任を得た」とゴドフリー氏は振り返ったとRaganは報じた。

グローバルブランディングエージェンシーのJones Knowles Ritchieとともに、団体はRubyからThe Leukemia, Lymphoma & Myeloma Societyに至るまで約400の候補名を検討したという。「聖域はなかった。本当に広い視野で考えた」とゴドフリー氏は述べたとされる。最終的に「Blood Cancer United(血液がん連合)」という名称が、さまざまなステークホルダーの評価で最も高い支持を得た。

変更を告知するだけでは不十分と判断した団体は、従業員向けの内部メールニュースレター「Brand Bites(ブランドバイツ)」を立ち上げた。当初は隔月での発行だったが、発表が近づくにつれて隔週へと頻度を上げたとRaganは伝えた。タウンホールミーティングでも定期的に進捗が共有されたという。「スタッフには、単に情報を伝えるだけでなく、そもそもブランドに投資する理由を教育することが重要だった」とゴドフリー氏は語ったとされる。

新名称を「秘密」として1年間抱えた1100人

最大の賭けは、2024年9月に行われた。新名称とロゴを公式発表の約1年前に、バーチャル会議という形式で全従業員1100人に開示したのだ。情報が漏洩しないよう求めつつ、社内コミュニティとして秘密を守るよう依頼した。ゴドフリー氏はこの判断を「大きなリスク」と表現したとRaganは報じた。「それは、プロセスの一部として、内部コミュニティとして大切に保持すべきものに加わるための招待だった」と同氏は述べたという。

秘密は守られた。そして2025年8月、Blood Cancer Unitedとして新名称が公式に発表された。発表から4か月後、団体はSNSのフォロワー数が10%増加し、ウェブサイトのトラフィックが15%増加したと報告したとRaganは伝えた。「発表の時点では、全員が名前が変わることもその理由も知っていた」とゴドフリー氏は述べ、その重要性を強調したという。

情報ソース一覧

社名変更リブランディング従業員エンゲージメント非営利団体

記事内容に関するお問い合わせ・フィードバックはこちらからお寄せください。