PR担当者の7割超が「ROI証明」に苦悩、日米比較で見える効果測定の温度差

PR Industry Shifts: From Awareness to ROI Proof by 2026, 5 Realities Unveiled

ソースに基づく報道記事 7件の情報源

ポイント

  • CisionがPR業界調査「Inside PR 2026」を発表
  • 60%がメディア変化、73%がROI証明に課題を持つ
  • AIリテラシーと俊敏性が2026年の必須スキルとなる

米国イリノイ州シカゴを拠点とするグローバルPRテクノロジー企業Cision(CisionOne・Brandwatch・PR Newswireなどを運営し、Fortune 500企業の84%を含む世界75,000社以上にサービスを提供)は、米英のPR・コミュニケーション専門家約600名を対象に実施した業界調査レポート「Inside PR 2026」を2026年3月10日公開の記事で報じた。同レポートはPR業界の非営利研究機関である米国フロリダ州拠点のInstitute for PR(IPR)のウェブサイトを通じても公開されており、急速な変化の時代にPR専門家がどのような課題・ツール・スキルと向き合っているかを明らかにしたものだという。

同調査によると、60%のPRチームが「急速に変化するメディア環境への対応」を現時点における最大の課題として挙げたという。また、58%のPRチームがリソース不足——すなわち人材・予算の欠如——を主要課題として列挙しており、現場の逼迫した状況が浮き彫りとなっている。さらに73%のPR専門家が「ビジネスインパクトの証明(ROI)へのプレッシャーを感じている」と回答しており、PR活動の収益貢献を数字で示すことが従来以上に強く求められる時代に入ったとCisionは分析している。

メディアの断片化(フラグメンテーション)をめぐっても深刻な認識が広がっているという。PR代理店(エージェンシー)側の71%がメディアフラグメンテーションを主要な障壁と認識しており、企業の広報部門(インハウスチーム)と比較して高い割合を示しているとされる。テレビ・新聞・デジタルメディア・ソーシャルメディア・ポッドキャストなど情報流通経路が細分化する中、代理店がクライアントに対してどのチャネルで何を訴求するかを設計する難度が急上昇しているという背景がある。

優先事項のシフトも鮮明だという。調査全体ではブランド認知向上を最優先とするPR担当者は36%を占めているが、経営幹部層および代理店では収益・ROIを最優先とする割合が32〜33%に上昇しているとCisionは報じている。「認知を取るか、売上貢献を取るか」という議論が現場と経営層の間で生じていることを示すデータだとしている。加えて、2026年のPR業界における新たな必須スキルとして「AIリテラシー」と「俊敏性(アジリティ)」が浮上しており、生成AIツールを使いこなせる人材への需要が急増しているという。

今回の調査が公表された背景には、生成AIの急速な普及とメディア環境の構造的変容がある。Cisionはこの状況を「数十年に一度の転換期」と位置づけており、従来の「プレスリリース配信・メディア掲載獲得」型の業務モデルでは経営層の期待に応えられなくなりつつあると分析している。同社はこのギャップを「アジリティ・ギャップ」と呼んでおり、変化への対応速度と実際のチーム能力の乖離が深刻化していると報じている。特にAIツールへの習熟度と、ポッドキャストや縦型動画など新フォーマットへの適応の遅れが、個人・チーム・組織の各レベルで課題となっているとしている。

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