SNS炎上の3分類を知れば「あえて沈黙する」判断が組織の共通言語になる
PR Pro's New Crisis Judgment: Understanding 3 Types of Online Chatter
ポイント
- オンライン上のつぶやきは3種類に分類される新基準が提唱された
- オシュコシュ・コーポレーションのギルマン氏がPR Daily Conferenceで発表
- ノイズ、イシュー、クライシスに応じた対応で危機判断と資源配分が変わる
米国のPR・コーポレートコミュニケーション専門オンラインメディア「PRデイリー」は、2026年6月4日公開の記事で、同メディアが主催するカンファレンス「PR Daily Conference」のセッションで提唱されたオンライン上の会話の分類フレームワークを報じた。
登壇したのは、オシュコシュ・コーポレーション(Oshkosh Corporation)で対外コミュニケーション部門を率いるティム・ギルマン氏(Tim Gilman)だ。セッションは2026年6月3日、米ニューヨーク州ブルックリンで開催された同カンファレンスの場で行われたという。
「全部に反応しなくていい」という前提
ギルマン氏がまず示したのは、「すべてがクライシスではない」という原則だ。かつてはテレビや新聞などの従来型メディアが1日のニュースサイクルを支配していたが、現在のニュースはコメント欄やSNS投稿から「底上げ式」に発生するという。PRチームはあらゆるネガティブ投稿に反応しようとしがちだが、それは間違ったアプローチだとギルマン氏は指摘した。
その上でギルマン氏は、オンライン上の会話を判断するための3分類を提示した。
1つ目は「ノイズ(Noise)」だ。単発的な不満やネガティブコメントで、主にSNS上に散発的に現れる段階を指すという。例として「レストランがチーズバーガーを冷たい状態で提供した」と苦情を言う投稿が挙げられた。主流メディアの報道は存在せず、企業への実質的な影響はほぼない。この段階では、広報担当者は状況をモニタリングするにとどめ、むやみに介入しないことが重要だとしている。介入することで問題が大きくなるリスクすらあるという。
2つ目は「イシュー(Issue)」だ。同様の不満が複数の人から繰り返し上がり、SNS上でモメンタムが生まれ始め、ニッチなメディアが記事を掲載し始める段階を指すという。社内でも従業員が内部チャンネルでコンテンツを共有し、懸念として認識し始める状況だ。この段階では、関与することで問題が次のレベルに拡大するのを防げるかどうかを評価しながら、積極的に対応を検討すべきだとしている。
3つ目は「クライシス(Crisis)」だ。主流メディアが報道を始め、SNS上でトレンド入りし、従業員が回答を求め、株価が下落し始め、ブランドの信頼そのものが毀損されるリスクが生じる段階を指すという。レストランの例であれば、多数の元顧客が体調不良を訴え、市当局が調査に乗り出すような状況に相当するとされた。この段階では、危機対応計画を即座に発動させ、状況の展開に応じて柔軟に動き続けることが求められるという。
「信頼」こそが唯一の評価指標
ギルマン氏はクライシスを「会社が関係を持つ重要なステークホルダー――投資家・従業員・顧客との間の信頼を傷つけうるあらゆる出来事」と定義したという。「クライシスとは、自分が大切にしている人たちとの信頼関係を損なうものだ」という言葉も残した。
また、現代のクライシスは古い「プレイブック(対応マニュアル)」では対応できないほど展開が速いとも強調したという。広報担当者が目指すべきゴールは、ネガティブコメントや見出しを封じ込めることではなく、信頼を維持することだとした。
「反応」ではなく「対応」ができる組織になれ
ギルマン氏は、事前に計画を持って動くことと、感情的に反応することの違いを明確に語ったという。「対応(Respond)とは、すでに考えており、計画があり、それを実行に移すことだ。反応(React)とは、初めてその話を聞いて、感情的になり、少し混乱している状態だ」という言葉が紹介された。
クライシスに際して実行すべき3ステップとして、ギルマン氏が示したのは以下の通りだという。1つ目が「メッセージ(Message)」で、共感を伝える形で一貫したメッセージを明確に発信すること。2つ目が「アライン(Align)」で、経営幹部やメディア対応の担当者が同じ事実・同じ戦略を共有すること。計画から逸脱した人物が状況を悪化させるリスクがあるという。3つ目が「アダプト(Adapt)」で、クライシスの展開を継続的にモニタリングしながら対応を更新し続けることだ。新しい情報が入るにつれ、目標の優先順位が変わることもあるとしている。
「クライシスは静止していない。新しい情報が入り、対応は進化しなければならない」というギルマン氏のコメントも紹介されたという。
情報ソース一覧
- オンラインチャットの3つのカテゴリーを理解する - PR Daily Understanding the 3 categories of online chatter - PR Daily www.prdaily.com/understanding-the-3-categories-of-online-chatter/
- チャットとは? - 定義、種類、プラットフォーム、リスク - GeeksforGeeks What is Chatting? - Definition, Types, Platforms, Risks - GeeksforGeeks www.geeksforgeeks.org
- オンラインチャット - Wikipedia Online chat - Wikipedia en.wikipedia.org/wiki/Online_chat
- いつもと違う種類のオンラインチャット - strange behaviors A Different Sort of Online Chat – strange behaviors strangebehaviors.wordpress.com/2011/02/11/a-different-sort-of-online-chat/
- デジタルマーケティングとは? 8つの種類 | SNHU What is Digital Marketing? 8 Types | SNHU www.snhu.edu/about-us/newsroom/business/types-of-digital-marketing
- オンラインで安全にチャットすることに関する視点 Perspectives on Chatting Safely Online www.youtube.com/watch
- オンラインチャットデータはビッグデータの宝庫 Online Chatter Data is Big Data Gold sloanreview.mit.edu/article/online-chatter-data-is-big-data-gold/