検索の6割が「クリックなし」で終わる時代、広報担当者が報道獲得を再評価すべき理由

The Reality of 90% of Companies Being Ignored by AI: PR's Role Has Changed

ソースに基づく報道記事 10件の情報源
検索の6割が「クリックなし」で終わる時代、広報担当者が報道獲得を再評価すべき理由
画像: 情報ソースより

ポイント

  • 検索の約60%がウェブサイトにアクセスしないゼロクリックに達しています
  • ユーザーはAIに直接質問し答えを得るようになりました
  • AIに引用されるコンテンツ戦略が広報の鍵です

PR・コミュニケーション専門メディアの「Spin Sucks」は、AI時代における広報・マーケティング担当者の役割変化について、2026年6月18日公開の記事で報じた。記事を執筆したのはSpin SucksのMelissa Wickes氏で、「誰も教えてくれなかったが、自分の仕事は変わってしまった」という率直な問題提起から始まる内容は、広報・マーケティング担当者の間で大きな共感を呼んでいるという。

SEOの常識が通じない時代へ

同記事によると、これまでの広報・マーケティング担当者の仕事は、検索エンジン最適化(SEO)ツールを使ってキーワードを選定し、Googleの検索結果上位に表示させることが中心だったという。キーワードを記事タイトルや本文に適切に盛り込み、Googleの1〜5位に表示されれば「成功」とされてきた、とWickes氏は振り返っている。

しかしChatGPT、Claude、Perplexity、Geminiといった生成AIサービスの台頭により、情報の探し方そのものが変わりつつあると同記事は指摘する。ユーザーは検索結果の一覧からリンクをクリックするのではなく、AIに質問して直接答えをもらうようになったというのだ。さらにGoogleも、数週間前に開催した「Google I/O」カンファレンスで検索機能のAI刷新を発表。従来のリンク一覧ではなく、AIが対話形式で回答する「インテリジェント検索ボックス」への移行を明らかにしたと同記事は伝えている。

「クリックされない検索」が6割に達する

同記事は、現在の検索の約60%がゼロクリック、つまりユーザーが検索結果からどのウェブサイトにもアクセスしないまま終わると伝えている。AIが生成した回答を読んで満足してしまうため、企業のウェブサイトへの流入自体が起きないという構造だ。

こうした状況の中、Spin Sucksでは「ビジビリティ・エンジニアリング」という概念を約1年前から提唱してきたという。これはAIの生成する回答の中に自社の名前や情報が引用されるよう、コンテンツ戦略を設計することを指す。同メディアのGini Dietrich氏がこの分野の専門家として、フラクショナルCMO(特定業務を担う外部CMO)のSukhi Sahni氏、ゲイツ財団でグローバルコミュニケーション担当シニア・コミュニケーションズ・オフィサーを務めるSarab Kochhar氏と共同で、米国の広報・マーケティング専門メディア「Ragan」が主催するワークショップを開催したと同記事は報じている。

「データがない企業でも引用される」という逆転の発想

ワークショップでは参加者から多くの疑問が寄せられたといい、その一つが「オリジナルのデータを持っていない企業は、AIに引用されないのか」という問いだったという。これに対しSpin Sucksは、「データを持つ必要はなく、解釈を持てばよい」という考え方を示している。他社のデータや研究に対して、自社の専門的な見解や独自の視点を加えたコンテンツを発信することで、AIに引用される可能性が高まるというのだ。

また同記事は、従来のSEOとAIビジビリティは似て非なるものだと整理している。SEOがキーワードとクリック数を重視するのに対し、AIビジビリティが重視するのは「信頼性」「権威性」「AI生成の回答に引用されるかどうか」だという。さらに、ペイド(広告)、アーンド(報道獲得)、シェアード(SNSでの拡散)、オウンド(自社メディア)という4つのメディア領域が相互に連携し、一貫したメッセージを発信し続けることが重要だとしている。この4領域の統合的な活用モデルは「PESOモデル」と呼ばれており、Spin Sucksが長年提唱してきたフレームワークだという。

加えて同記事は、企業のウェブサイト上に「信頼できる情報の一次ソース」となるページを設けることの重要性を強調している。自社が発信するすべてのコンテンツや各チャネルが、その一次ソースページを参照・リンクする構造を作ることで、AIが信頼できる情報源として認識しやすくなるという考え方だ。

MarketingProfsが掲載した寄稿記事では、ChatGPTが現在1日あたり25億件超のプロンプトを処理しており(数カ月前の10億件から急増)、PerplexityやClaude、Geminiといったプラットフォームも独自のAI型情報発見体験を構築しつつあると伝えている。同記事は「もはやユーザーが企業のホームページを最初に訪れる時代は終わった。AIインターフェースが最初の接点になりつつある」と指摘する。ウェブサイトはデザインの美しさではなく、AIがデータを読み取れる構造になっているかどうかで評価されるとしており、HTMLの構造、スキーママークアップ、メタデータの整備が現代の広報・マーケティング担当者の必須スキルになりつつあるという。

情報ソース一覧

AI広報マーケティングゼロクリック検索

記事内容に関するお問い合わせ・フィードバックはこちらからお寄せください。