「隠されても240万いいね」規制を逆手に取った報道獲得が正攻法の露出を超える理由
World Cup PR's Reverse Thinking: Turning Regulations into Global Viral Content
ポイント
- FIFAはW杯会場でロゴ隠蔽を義務付ける「クリーンスタジアム」を設けた
- リーバイスは白いタープを逆手にとり240万いいねを獲得した
- ジレットやハインツもこの規制をネタに広報戦略を展開した
PR業界専門誌のPRWeekは、国際サッカー連盟(FIFA)が定めるワールドカップ会場の「クリーンスタジアム」ルールを逆手に取り、複数のブランドが創意工夫でSNS上の話題を獲得していると2026年6月22日公開の記事で報じた。
FIFAの「ロゴ消せ」規制とは何か
FIFAは、ワールドカップの開催会場に対して、既存のブランドロゴをすべて撤去または隠蔽することを義務付ける「クリーンスタジアム」ポリシーを設けているという。これは公式スポンサー以外のブランド露出を厳しく制限するためのルールで、スタジアムの命名権を持つ企業であっても例外ではない。
同記事によると、スタジアム内で提供されるハインツケチャップのボトルも例外ではなく、大会期間中はブランドラベルに黒いテープを貼ることを強いられたという。また、MediaPostが2026年6月21日付の記事で伝えたところによると、選手が使用するBeatsブランドのヘッドフォンについても、ロゴを覆うカバーの着用が強制されたとしている。
リーバイスが仕掛けた「白いタープ」の妙手
カリフォルニア州サンタクララに位置するリーバイス・スタジアムは、大会期間中「サンフランシスコベイエリア・スタジアム」と改名することを義務付けられた。PRWeekによると、スタジアム側が取った対応は、正面入口のロゴ看板に白いタープをかぶせるというシンプルなものだったという。
ただし、ブランドにとって幸運だったのは、タープで覆われても「バットウィング」と呼ばれる同社ロゴの特徴的な翼型のシルエットが隠しきれなかった点だ。PRWeekの報道によれば、リーバイスはこの状況を積極的に活用し、タープで覆われたロゴの画像をInstagramに投稿した。キャプションは「世界中の皆さんを、美しい【検閲済み】スタジアムへようこそ!」というユーモアのある内容で、フォロワー1,000万人に向けて発信されたという。
この投稿はPRWeekの記事公開時点で240万件のいいね、35万4,000件のシェア、3万9,000件の再投稿、2万6,000件のコメントを集めたとされている。さらにリーバイスはInstagramのプロフィール画像もタープで覆われたロゴに変更し、ベルリン、香港、メキシコ、ミラノ、パリ、アラブ首長国連邦の店舗でも同様にロゴを隠す演出を施したとMediaPostは伝えている。
ジレット、ハインツ、ルーメンの各社も追随
PRWeekによると、ジレット・スタジアムも大会期間中「ボストン・スタジアム」への改名を余儀なくされた。同ブランドはリーバイスの手法にならい、スタジアムのロゴ看板を白いタープではなくシェービングクリームの大きな塊で覆った写真をミーム形式でInstagramに投稿した。フォロワー17万3,000人に向けて「少なくとも、どうやって隠すかは自分たちで選べた」というメッセージとともに発信され、「リーバイスさん、うちも同じ目に遭いましたよ」というタグ付けがなされた。この投稿は3万4,000件のいいね、1万1,000件のシェア、560件の再投稿、387件のコメントを獲得したとPRWeekは報じている。
ハインツケチャップはスタジアムの命名権を持たないものの、会場内のケチャップボトルに黒いテープでラベルが隠される事態に直面した。PRWeekによると、同ブランドはこの状況を受けて「非公式スタジアムケチャップ」と名付けた独自のボトルデザインを制作し、ラベルを意図的に隠した商品として発表したという。同社が展開してきた「It has to be Heinz(ハインツでなければ)」というキャンペーンの延長線上に位置づけられた施策だとしている。
ルーメン・テクノロジーズが命名権を持つルーメン・フィールドも、大会期間中「シアトル・スタジアム」への改名を強いられた。同社の最高戦略・マーケティング責任者であるライアン・アスドゥーリアン氏は自身のInstagramアカウントに動画を投稿し、「ルーメンの最高戦略・マーケティング責任者として、私の仕事はブランドをあらゆる場所に届けることだ。しかし世界中のファンが私たちの街、私たちのスタジアムに訪れる今、私の仕事はブランドをどこにも存在させないことだ」と語ったとPRWeekは報じている。
情報ソース一覧
- ワールドカップのスタジアム規定を回避する「最も巧妙な」ブランドは? Which brand is the ‘sneakiest’ at bypassing World Cup stadium rules? www.prweek.com
- Levi'sとGilletteがワールドカップのブランディング禁止を穏やかに風刺 Levi's, Gillette Gently Mock World Cup Branding Ban www.mediapost.com
- FIFAのクリーンスタジアム規則を遵守するため、Levi'sは自社のスタジアムブランディングを隠す必要があった To Comply With FIFA's Clean Stadium Rules, Levi's Had To Conceal Its Own Stadium Branding www.facebook.com
- FIFAの指令により、調味料ブランドも影響を受ける Under a FIFA Mandate, Even Condiment and Sauce Brands Are Affected www.reddit.com
- スクープ:Levi'sとHeinzがワールドカップの注目をかっさらう The Scoop: Levi's and Heinz are stealing the World Cup spotlight www.prdaily.com
- HeinzがFIFAの「クリーンスタジアム」ワールドカップ政策を愉快な新製品で風刺 Heinz pokes fun at FIFA's 'clean stadium' World Cup policy with hilarious new product release sports.yahoo.com/articles/heinz-pokes-fun-fifa-clean-082103084.html
- Instagramリール:ワールドカップのブランディング規則への創造的な対応 Instagram Reel: Creative Response to World Cup Branding Rules www.instagram.com/reel/DZ3L993xHuN/
- Instagram投稿:ワールドカップのブランディング革新 Instagram Post: World Cup Branding Innovation www.instagram.com/p/DZ4DRgOEWyA/
- Instagramリール:ワールドカップのブランディング課題への取り組み Instagram Reel: Tackling World Cup Branding Challenges www.instagram.com/reel/DZ0HWf-SnsE/