建国250周年に学ぶ「投票を委ねる」設計術――50州対抗サンドイッチ選手権の仕掛け

America's Official Sandwich: 5 Principles of Participatory Branding from Hellmann's Campaign

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建国250周年に学ぶ「投票を委ねる」設計術――50州対抗サンドイッチ選手権の仕掛け
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ポイント

  • マヨネーズブランドHellmann'sが「アメリカの公式サンドイッチ」を決めるキャンペーンを実施
  • PR Dailyは、他のブランドが参考すべき5つの設計原則を報じた
  • 50州代表が国民投票で競い、低摩擦で参加可能な仕組みです

米国のPR・コミュニケーション専門メディア「PR Daily」は2026年8月11日、マヨネーズブランドのHellmann's(ヘルマンズ)が実施したキャンペーン「America's Sandwich(アメリカズ・サンドイッチ)」を取り上げ、他のブランドが参考にすべき設計原則を報じた。また業界メディア「Ad World News」も2026年8月3日付の記事でキャンペーンの詳細を伝えている。

Hellmann'sはユニリーバ(Unilever)傘下のマヨネーズブランドだ。Brent Lukowski(ブレント・ルコウスキー)がアメリカ市場における調味料部門のシニア・マーケティング・ディレクターを務めており、Hellmann'sのマーケティングを統括している。

「公式サンドイッチがない」という文化的空白を突く

このキャンペーンの出発点は、一つの問いかけだった。アメリカには公式の鳥・木・国旗があるが、公式サンドイッチは存在しない。建国250周年という大きな文化的節目に、国民自身に決めてもらおうという発想から「America's Sandwich」は生まれたとPR Dailyは報じた。

ルコウスキー氏はPR Daily誌上で「アメリカに公式サンドイッチがないのは、あれだけアメリカらしい食べ物なのに犯罪的だと感じた。それがアイデアの原点で、そこから積み上げていった」と語ったという。

キャンペーンの仕組みはシンプルだ。50州それぞれから1品ずつ選ばれたサンドイッチがブラケット(トーナメント)にエントリーし対決する。ブランド側が勝者を決めるのではなく、投票は一般消費者が行う。Instagramのコメント欄に書き込むだけで投票が成立し、別ページへの遷移もログインも不要という設計だ。キャンペーン用のマイクロサイトも設けられ、全50州のサンドイッチを写真と説明文で確認できるようになっているとAd World Newsは伝えた。

50州×クリエイターで「地元の熱量」を全国に波及させる

Ad World Newsによると、Hellmann'sはまず各州を代表するサンドイッチを自ら選定し、各州の料理クリエイターを起用してその料理をカメラの前で調理してもらう方式を採用したという。クリエイターの投稿はまず本人のSNSアカウントで公開され、その後キャンペーンサイトにも掲載される仕組みだ。

ルコウスキー氏はAd World Newsに対し「どのサンドイッチを取り上げるか、それが各州の人々にとって本当にその州を代表するものかどうかを徹底的に検討した。その上で、地元への誇りを持ち、多くの人が共感できるレシピを表現できる料理の腕と発信力を持つクリエイターを探した」と述べたという。

また、Food Networkの番組「Sandwich King」の司会者で、「The Kitchen」の共同司会者でもあるJeff Mauro(ジェフ・マウロ)がキャンペーン全体のホスト兼コメンテーターを務めたとAd World Newsは報じている。マウロ氏自身はどのサンドイッチが勝つべきかを主張せず、「いつもは俺が決める立場に圧力をかけられる。でも今回はアメリカという民主主義の国で、みんなが投票して選ぶんだ」と語ったという。

AI生成映像でスケール感を演出した制作手法

Ad World Newsは、キャンペーンのローンチ映像の制作手法についても詳しく伝えた。同記事によると、マウロ氏はグリーンスクリーンの前で撮影し、周囲の環境はAI生成映像として後から制作されたという。この手法により、実際に50州を撮影・セット制作することなく、全米規模の搜索を表現するスケール感を一本の映像で実現したという。マウロ氏は「AI生成グリーンスクリーンコンテンツは初めての経験だった。鷹は実際にはいないから、どう演じればいいか手探りだったが、2シーン目には完全に乗り込めた」と振り返ったという。

トーナメントの構造にも工夫がある。Ad World Newsによると、50州を4つの地域グループに分類し、予選ラウンドで50を16に絞る。フィラデルフィア・チーズステーキとニュージャージー・イタリアンサブは同じ北東部のブラケットに入るため、全国決勝の前に対決することになる。各エントリーにはスクリーンショット映えする愛称も付けられており、ネバダ州のパティメルトは「皿の上のジャックポット」、カンザス州のバーントエンドは「端っこが全てだ、ただの終わりじゃない」と命名されているという。

投票のたびに2〜3日という短い受付期間を設けることで、ブランドは数日おきに新たな投稿をする理由ができ、フォロワーも結果を確認するために戻ってくる設計になっているとAd World Newsは伝えた。同記事はまた、ルコウスキー氏の「摩擦を減らし、参加しやすくすることがこのキャンペーンの効果には不可欠だった。コメント欄でそのまま投票できる」という発言も紹介している。さらに同記事は、ユニリーバが広告費の半分をソーシャルファーストの取り組みに振り向ける方針を示していることを背景として紹介している。

各州のレシピページはすべてHellmann'sの公式レシピページにリンクしており、各サンドイッチのレシピの中にマヨネーズが登場する形で商品が自然に組み込まれているとAd World Newsは伝えた。

情報ソース一覧

Hellmann's参加型ブランディングデジタルマーケティングサンドイッチキャンペーン

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