高級車のインフォテインメント画面にスパイダーマン広告を配信、「体験であり広告ではない」との弁明が炎上を拡大させたBMWの失敗

BMW In-Car Spider-Man Ads Anger Luxury Owners: "Not an Ad" Claim Sparks PR Firestorm

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高級車のインフォテインメント画面にスパイダーマン広告を配信、「体験であり広告ではない」との弁明が炎上を拡大させたBMWの失敗
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ポイント

  • BMWは車載画面にスパイダーマン動画を配信し、オーナーから強い反発を受けた
  • 映画プロモーションで70カ国展開
  • 2026年7月下旬から実施された

米国のPR・コミュニケーション業界専門メディアPR Dailyは、BMWが車載インフォテインメント画面にスパイダーマンのアニメーションを配信し、オーナーから強い反発を受けていると2026年8月7日公開の記事で報じた。

車のダッシュボードに突然現れたヒーロー

BMWは映画『スパイダーマン:ブランドニューデイ』のプロモーションを目的に、ソニー・ピクチャーズとのグローバルマーケティング提携の一環として、対象車両の車載画面にスパイダーマンをあしらったバナーを配信した。オーストラリアの自動車業界メディアGoAutoが2026年8月7日に報じたところによると、このキャンペーンは70カ国以上で展開され、2020年7月以降に製造されたBMW OS 7、8、8.5、9またはXを搭載する車両が対象となったという。

バナーをタップすると、約19秒のフルスクリーンアニメーションが起動し、スパイダーマンがBMWのiX3(電気SUV)の周囲を飛び回る映像と音楽が流れる。一部の車種では、車内のアンビエントライト(間接照明)もアニメーションに連動して変化したという。キャンペーンは2026年7月27日から同年8月10日まで実施された。

BMWは今回の施策について「広告ではなく、オプションのブランド体験だ」との立場を取った。GoAutoが報じたBMWのコメントによると、「アニメーションは車両起動時に自動再生されるわけではなく、ドライバーはコントロールディスプレイ上のバナーを見て、体験を起動するかどうかを選択できる」としている。しかしバナーを無視しても、スパイダーマンのアイコンはキャンペーン期間中ずっとインフォテインメント画面内に残り続け、完全には消去できなかったとGoAutoは伝えている。

「プライベートな空間に広告を出すつもりはない」過去の発言が裏目に

この施策が特に批判を受けた背景には、BMW自身の過去の発言がある。電気自動車専門メディアのelectriveが2026年8月7日に報じたところによると、BMWグループのコネクテッドカー開発担当シニアバイスプレジデントであるステファン・デュラッハ氏は2023年12月に「スクリーンをコマーシャル再生のために売るというのは、私には考えられない。(車内は)プライベートな空間だ」と発言していたという。

この発言と今回の施策との矛盾が、批判の火に油を注ぐ形となった。PR Dailyによると、Redditのユーザーからは「5万〜10万ドルもする車を買ったのに広告が表示される」「車にもアドブロッカーが必要だ」といった声が相次いだという。BMWはBusiness Insiderへのコメントとして「この表示は、さまざまなグローバル・ローカルのイベントに連動したオプションのテーマ別アニメーションとメッセージを提供するためのものだ。これは広告の一形態ではない」と主張したとPR Dailyは伝えている。

消費者保護の専門家も問題提起

PR Dailyの記事では、ConsumerWorld.orgの創設者で元マサチューセッツ州司法長官補佐を務めたエドガー・ドウォースキー氏のコメントも紹介されている。同氏はニューヨーク・ポスト紙に対し「ドライバーは自分の車というプライベートな空間でビデオ広告にさらされることを期待していないし、そうあるべきでもない」と述べたという。

electriveの報道によると、ドイツでは今回のような形式のプロモーションは通常、裁判所によって広告と分類されるという。また同メディアは、BMWが今回のキャンペーンに踏み切った背景として、劇中へのプロダクトプレイスメント(映画の中にiX3と5シリーズが登場)やロサンゼルス試写会での特別限定車の展示など、ソニー・ピクチャーズとの包括的なパートナーシップの一環であることを指摘している。

今回の施策をめぐっては、コネクテッドカーのOTA(Over-the-Air)アップデート機能——インターネット経由でソフトウェアを遠隔更新する仕組み——が、メーカーによって販売後もオーナーへのアクセス手段として使われることへの懸念も改めて浮上したとGoAutoは報じている。同メディアによると、ステランティスも過去にジープ、ラム、クライスラーの各モデルのインフォテインメント画面にプロモーションメッセージを表示し批判を受けたことがあるという。

なお、GoAutoの報道によると、BMWオーストラリアは現地の顧客期待値を考慮した結果、今回のキャンペーンへの参加を見送ったという。「市場への展開は各国が独自に判断した。オーストラリアの顧客の好みを踏まえ、今回の施策には参加しなかった」とBMWオーストラリアの広報担当者は述べたとされ、同国での同種キャンペーンの実施予定も現時点ではないとしている。

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BMWコネクテッドカー炎上車載広告

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