生成AIの回答欄に自社ブランドが載っているか、PRの効果測定が根本から問い直される

Cision Acquires Trajaan to Track AI Citations of Press Releases

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生成AIの回答欄に自社ブランドが載っているか、PRの効果測定が根本から問い直される
画像: プレスリリースより

ポイント

  • CisionはTrajaanを買収し、PR NewswireにAI引用計測機能を統合
  • 買収は2025年12月11日に公表され、AEO概念に対応した
  • AmplifyはAEO Platform of the Yearに選出され、広報業務を支援する

マーケティングテック専門メディアのMarketScaleは、グローバルなメディアインテリジェンス・PR技術企業のCisionが、AI検索インテリジェンスプラットフォームのTrajaan(トラジャン)を買収したと、2026年8月14日公開の記事で報じた。この買収により、Cisionのプレスリリース配信サービスであるPR Newswireのプラットフォーム「Amplify」に、生成AI上でのブランド露出を計測する機能が加わることになるという。

買収の発表自体は、Cisionが2025年12月11日にプレスリリースを通じて公表したものだ。発表当時のCisionのCEOであったガイ・アブラモ氏は「Trajaanをエコシステムに統合することで、検索インテリジェンス、会話型インサイト、AI駆動型分析が一本化される。消費者行動の『なぜ』に対して、より深く予測的な理解を顧客に提供できるようになる」と述べたという。

買収に至った経緯

今回の買収は突然の動きではない。CisionのソーシャルリスニングツールであるBrandwatchとTrajaanは、2025年8月にすでにパートナーシップを締結していた。その提携関係をグループ全体に広げる形で、正式な買収へと発展した経緯だという。

統合の対象はAmplifyだけにとどまらない。Cisionが提供するBrandwatch、CisionOne、PR Newswire、Cision Insights Servicesという4つの製品群すべてにTrajaanの技術が組み込まれる予定だとしている。Trajaan CEOのマチュー・ダニエルー氏は「Cisionへの参画により、我々の技術とビジョンをグローバルに拡大できる。ブランドが何を検索され、何を語られ、生成AIがその意思決定をどう形成しているかを、トレンドが主流になる前に理解する手助けができる」と述べたという。

Trajaan が計測するのは「AIの回答の中の自社ブランド」

Trajaan の技術的な特徴は、Googleなどの従来型検索エンジンだけでなく、Eコマースプラットフォーム、SNS、そしてChatGPTやPerplexity、Google AI Overviewsといった生成AIアシスタントにまたがるブランドの露出をリアルタイムで追跡できる点にあるとされている。

MarketScaleの記事によると、この買収の背景には「AEO(Answer Engine Optimization)」と呼ばれる概念の台頭がある。AEOとは、生成AIが質問に回答する際に、自社ブランドや製品が正確に引用・参照されるよう最適化する手法のことだ。従来の検索エンジン最適化(SEO)では、ユーザーがリンクをクリックして自社サイトに訪れることを前提としていたが、AIが直接回答を生成するようになった現在、リンクがクリックされないまま情報が消費されるケースが急増しているという。

この変化の重要性は、業界の評価にも表れている。MarketScaleによると、2026年のMarTech Breakthrough Awardsにおいて、Cisionは3部門を受賞した。2026年8月6日に発表されたその結果によれば、BrandwatchがSocial Listening Solution of the Year、PR NewswireがPress Release Distribution Company of the Yearを受賞したほか、AmplifyがAEO Platform of the Yearとして選出されたという。「AEO」が独立した評価部門として設けられたこと自体、AI検索対応が業界で独立した専門領域として認識され始めたことを示している。

Amplifyが担う広報業務のワークフロー全体

MarketScaleの記事は、Amplifyが今回の買収以前からどのような機能を持つプラットフォームとして設計されていたかも説明している。同プラットフォームはプレスリリースの企画から配信、効果測定までを一画面で管理できる統合ツールとして構築されており、「Create+」モジュールと呼ばれる機能は、1本のプレスリリースからブログ記事、短尺動画、記者への提案メールなどの派生コンテンツを自動生成するという。また「Plan」モジュールでは、業界の注目トレンドをサーフェスし、コンテンツを書き始める前に広報キャンペーン全体の戦略を設計できるとしている。

Trajaan の計測機能はこのワークフローの「測定」工程に組み込まれる位置づけだ。同記事によると、PR Newswireは50万以上のメディア、ニュースルーム、インフルエンサーに及ぶ配信ネットワークを持ち、編集者の平均経験年数は12年以上、精度は99.9%を達成していると同社は主張しているという。また、自社配信ネットワークが競合他社と比較して検索可視性において2倍以上の優位性を持つとも述べているとのことだ。

企業広報担当者にとっての実務上の含意についても、MarketScaleは明示している。自社がすでにプレスリリース配信に使っているプラットフォームが、ChatGPTやPerplexityなどのAI検索エンジン内にそのコンテンツが表示されているかどうかを追跡するインフラを構築しようとしているということだ。同記事は「これはほとんどのエンタープライズ広報チームが、いまだどのベンダーからも提供されていない機能だ」と指摘している。

情報ソース一覧

AI広報プレスリリースAEO

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