広報会社の買収件数が前年比20%増、「できないことを買う」能力獲得型M&Aの波が来た

Global PR Firm M&A Accelerates: 6 Key Acquisitions in H1 2026 Reveal Trends

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広報会社の買収件数が前年比20%増、「できないことを買う」能力獲得型M&Aの波が来た
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ポイント

  • PRovoke Mediaは2026年上半期の広報代理店買収・合併6件を報じました
  • PR業界のM&A件数は前年同期比約20%増加、小規模売り手に偏ります
  • プライベートエクイティによる買収も増加し、特定能力が重視されました

PR・コミュニケーション業界に特化したグローバル業界メディアのPRovoke Mediaは、2026年上半期に完了した広報代理店の買収・合併案件のうち、業界の今後を大きく左右しうる6件を取り上げたと2026年8月11日公開の記事で報じた。

同記事によると、PRovoke Media と、広告・マーケティング・メディア分野のM&A法務を専門とするニューヨークの法律事務所Davis+Gilbertの両機関がそれぞれ独立してデータを集計したところ、2026年上半期のPR業界のM&A(合併・買収)件数は前年同期比で増加していたという。Davis+Gilbertのデータは、完了した取引件数が約20%増加したことを示しており、取引は規模の小さい売り手側に偏る傾向があり、プライベートエクイティ(PE、非上場株式投資ファンド)による買収の割合も増加していたとしている。また、インフルエンサーマーケティング、データ・分析、危機対応・評判管理、コンテンツ制作といった能力を持つ企業が、買い手から特に強い関心を集め続けていたとPRovoke Mediaは伝えている。

ヘルスケアPRが初のアジア拠点獲得

注目案件の一つ目は、ヘルスケア特化型の大手PR会社であるReal Chemistryによるシンガポールを拠点とするSpurwing Communicationsの買収だ。PRovoke Mediaによると、Real Chemistryはサンフランシスコ発のバイオテック専門エージェンシーとして出発し、現在は世界最大のヘルスケアPR会社へと成長、デジタルコミュニケーションやデータ・分析においても破壊的な存在として知られ、世界のPR会社の上位10社に入るという。同社はこれまで主に米国内の事業に軸足を置いており、ロンドンやヨーロッパへの展開は一部にとどまっていたが、アジアには今夏まで一切の拠点を持っていなかったとしている。

今回買収したSpurwing Communicationsは、ヘルスケアコミュニケーション、医療関係者向けの広報、戦略コンサルティングのほか、データ分析や広告の領域でも地元の専門知識を持つとされており、Real Chemistryがほかの地域で築いてきた事業を補完する理想的な存在だとPRovoke Mediaは評している。この買収により、Real Chemistryは世界の主要市場のほとんどでサービスを提供できる、真にグローバルな体制を確立したとしている。

財務・危機対応専門のInfiniteが2件を連続取得

二つ目は、企業広報および危機対応を専門とする広報代理店Infiniteによる、2026年上半期の2件の買収だ。同社は昨年8月、ノースカロライナ州を拠点とするプライベート投資会社ParkSouth Venturesから戦略的な投資を受け、その資金を2026年上半期に積極的に活用したとPRovoke Mediaは伝えている。

まずInfiniteはニューヨークを拠点とするファイナンシャルコミュニケーション(金融広報)専門のDukas Linden Public Relationsを買収し、金融サービス領域の能力を拡大してプロフェッショナルサービス分野での存在感を強化したという。続いてInfiniteは、英国を拠点とする金融・プロフェッショナルサービスに特化したコミュニケーション会社Greentarget UKを買収し、ロンドンでの事業規模を一挙に2倍以上に拡大したとしている。

PRovoke Mediaによれば、2件の買収を経てInfiniteの統合後の陣容は、ロンドン、ニューヨーク、サンフランシスコ、シカゴ、ロサンゼルス、ボストン、ワシントンDCにまたがる120名超のコンサルタントを擁し、世界有数の危機・リスク対応アドバイザリー会社のリストに、より規模の大きい老舗企業と並んで名前が挙がるようになったという。

大手持株会社Havasが高付加価値領域を強化

三つ目は、フランスの大手コミュニケーション持株会社Havasによる、傘下のH/advisors部門を通じた2件の戦略的買収だ。PRovoke Mediaは、大手持株会社の多くがPR事業の売却や統合に関する動きで話題になる中、Havasは例外的に買収で積極姿勢を見せていると指摘している。

2026年2月、Havasはスペインの大手パブリックアフェアーズ(政策渉外)コンサルティング会社Acento Public Affairsの過半数株式を取得したという。Acento Public Affairsはマドリード、バルセロナ、ブリュッセルの各拠点に50名超の専門家チームを有しており、取得後ただちにH/Advisorsに統合され、スペインへの国際的なアドバイザリーサービスの展開が始まったとしている。さらに2026年5月には、フランスの「コーポレート・インフルエンス(企業の社会的影響力強化)」を専門とするコンサルティング会社Formatを買収し、Havas ParisおよびH/Advisorsと連携させる形でフランス国内の体制を強化したとPRovoke Mediaは伝えている。

同メディアは、こうした一連の買収はH/advisorsを、収益性・影響力ともに高い「高付加価値・高利益率」の広報事業のリーダーとして確立しようとする戦略の表れだと分析している。

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PR業界M&A広報会社再編専門能力グローバル

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