老舗バス会社が報道獲得を量産できた理由は「5つの型」より前の問いにあった

Greyhound's 5 Media Exposure Strategies: From Reactive PR to Proactive News Generation

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老舗バス会社が報道獲得を量産できた理由は「5つの型」より前の問いにあった
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ポイント

  • 米国バス会社グレイハウンドは広報機能を刷新
  • 2024年6月入社の責任者が「ニュースルーム・マインドセット」を導入しました
  • その結果、5つのメディア露出戦略で主要メディアへの掲載を次々と獲得し、報道を生む組織に変わりました

米国のPR・コミュニケーション専門メディア「PR Daily」は、米国の長距離バス会社グレイハウンド(Greyhound)が広報機能を刷新し、主要メディアへの掲載を次々と獲得するまでの過程を2026年7月29日公開の記事で報じた。

グレイハウンドは、北米で長距離バスサービスを展開する老舗ブランドだ。現在はドイツの旅行テクノロジー企業Flix(以下、フリックス)の北米部門「Flix North America」として運営されている。フリックスがグレイハウンドを買収したのは2021年10月のことで、以降、広報を含む事業全体の変革が進んでいるという。

「守り」の広報から脱却するまで

変革の起点となったのは、2024年6月にグレイハウンドへ入社したカリナ・フレイター(Karina Frayter)氏だ。フレイター氏はCNNやCNBCでの放送ジャーナリズムを経歴に持ち、現在はFlix North Americaのコーポレート・アフェアーズ&マーケティング責任者を務めているという。

フレイター氏が入社した当時、同社の広報機能はビジネス目標から切り離された状態にあったとPR Dailyは伝えている。チームの役割は問い合わせへの対応や個別の発表支援にとどまり、自社のブランドストーリーを能動的に発信する体制ではなかった。バス旅行を巡る報道上のナラティブは、自社ではなくニュースメディアが主導していたという。

「私たちは、何かに反応するだけの立場に置かれていた。自社内で起きていることを能動的に説明し、自分たちのストーリーを自分たちで形成するというよりも」とフレイター氏は語っていると、同記事は伝えている。

新経営陣のサポートを得て、フレイター氏はチームに「ニュースルーム・マインドセット」を取り入れた。メディア掲載を積極的に増やし、ブランドの評判形成に貢献するという考え方だ。その結果として生み出されたのが、以下の5種類のメディア露出の型だという。

5つの報道獲得パターン

第1の型は「経営幹部のプロフィール記事」だ。チームが最初に獲得した大きな成果のひとつが、グローバルな経済・ビジネス情報メディア「Bloomberg」への掲載だったという。フリックスの最高財務責任者クリストファー・デブス(Christoph Debus)氏を取り上げた30分の動画プロフィールで、グレイハウンドを直接フィーチャーする内容ではないが、親会社フリックスをテクノロジー先進企業として位置づけることに成功したとフレイター氏は述べているという。

第2の型は「従業員のプロフィール記事」だ。フィラデルフィアのABC系列テレビ局が、勤続40年以上のグレイハウンドのドライバー兼インストラクター、クロフォード・ラッシター(Crawford Lassiter)氏を特集したという。フレイター氏によれば、このような報道は「ブランドの裏側にいる人々を浮き彫りにし、顧客やコミュニティとの人間的なつながりを育む」効果があるとPR Dailyは伝えている。

第3の型は「ソートリーダーシップ(思想的なリーダーシップ発信)」だ。米国の政治・政策専門メディア「The Hill」に、Flix North AmericaのCEOカイ・ボイサン(Kai Boysan)氏が寄稿。都市間バスは米国の交通ネットワークに不可欠な存在であるにもかかわらず、公的資金で整備された交通ハブから慢性的に排除されているとして、連邦法の強化を議会に求める論考を発表したという。こうした取り組みが、都市間バスを「合法的で、手頃で、賢く、現代的な」移動手段として読者に認識させる効果につながるとフレイター氏は説明しているという。

第4の型は「専門メディアへのニッチなテーマの提供」だ。顧客体験(CX)領域を専門に扱うデジタルメディア「CX Dive」には、グレイハウンドの定時運行率の改善や公共交通との接続強化、そしてネット・プロモーター・スコア(NPS)の向上について取り上げた記事が掲載されたという。また、広告・マーケティング専門誌「Adweek」には、米国建国250周年を記念した愛国的なパッケージングの特集の一部として、グレイハウンドの「アメリカ250周年フリート」—ビニール装飾を施し「From Sea to Shining Sea(海から輝く海へ)」の文字を掲げたバス車両—が紹介されたと伝えている。この機会に同社の広報担当者は、「バスはこの国における移動の自由を可能にする上で、過去も現在も不可欠な役割を担っている」とコメントしたという。

第5の型は「ニュースジャッキング」、つまり時事ニュースに乗じたメディアへの売り込みだ。米経済紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」には、格安航空会社スピリット航空の経営悪化を受けてグレイハウンドの利用が増えているという記事が掲載されたという。フレイター氏自身がこのアイデアをジャーナルへ売り込んだとされており、こうしたトップメディアへの掲載がバス旅行を選択肢として検討する人を増やしたと述べているという。また、「USA Today」には、FIFAワールドカップ期間中の旅行需要急増に備えたグレイハウンドの対応を伝える記事が掲載されたとPR Dailyは報じている。

記者の懐疑心を超えた先にある成果

フレイター氏はチームへの言葉として「メディアリレーションは長期的なゲームだ」と繰り返してきたとPR Dailyは伝えている。活動の初期には、バス旅行の重要性や注目度に対して記者側から懐疑的な反応があったという。しかし継続的なメディアへの売り込みの成果として、今では「問い合わせが向こうから来るようになった」とフレイター氏は語っており、それを「本当に素晴らしいこと」と表現しているという。

情報ソース一覧

広報戦略メディア露出企業広報事例研究

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