フォロワー数より「専門性」と「共感」——ヘルスインフルエンサーの説得力を決める3つの要素が判明

Health Influencers: Expertise & Empathy, Not Followers, Drive Persuasion

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フォロワー数より「専門性」と「共感」——ヘルスインフルエンサーの説得力を決める3つの要素が判明
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ポイント

  • 広報研究機関BIRCがヘルスインフルエンサーの影響を分析
  • 説得力はフォロワー数でなく「専門性」「信頼性」「類似性」に依存
  • 485人の片頭痛患者実験で、信頼が購入・シェア意向を高めた

広報研究機関のIPR(Institute for Public Relations)内に設置された行動科学専門の研究センターBIRC(Behavioral Insights Research Center)は、ヘルスインフルエンサーが視聴者に与える影響を分析したブログ記事を2026年8月26日公開の記事で報じた。インフルエンサーの説得力を左右するのはフォロワー数ではなく、「専門性」「信頼性」「視聴者との類似性」という3つの定性的要素であることが、実験研究によって示されたという。

Dr. Mikeに見るヘルス情報の消費シフト

記事の冒頭では、医師でありインフルエンサーでもあるミハイル・ヴァルシャフスキー氏(オンライン上では「Dr. Mike」として知られる)が事例として取り上げられている。同氏はYouTube、Instagram、TikTok、X(旧Twitter)の合計で3,000万人以上のフォロワーを持ち、医療に関する誤情報の否定や、「グレイズ・アナトミー」「マイ・ストレンジ・アディクション」といったテレビ番組の医療描写のレビューなど、健康に関するコンテンツを発信しているという。

BIRCは、こうしたヘルスインフルエンサーの台頭の背景として、医療機関や政府指導者、ジャーナリストへの信頼が近年低下傾向にある一方、2026年のGallup(ギャラップ)の調査では米国人が医療従事者を依然として高く評価していることを指摘している。同調査によると、看護師が調査対象21職業のうち1位、医師が3位にランクインしたという。BIRCはヘルスインフルエンサーが、医療従事者がもともと持つ信頼の源泉を活用しながら、SNSを通じたフォロワーとの継続的な関係構築によって影響力を高めているのではないかとしている。

485人の片頭痛患者を対象にした実験

BIRCが今回紹介したのは、「International Journal of Strategic Communication」(国際戦略コミュニケーション学術誌)に掲載されたオープンアクセスの研究論文だ。研究では、慢性または発作性の片頭痛を抱える米国人485人を対象にオンライン実験が実施された。

参加者には、架空のヘルスインフルエンサーが片頭痛緩和用のジェルアイスパックを紹介するInstagramの模擬プロフィールと投稿が提示された。実験では「インフルエンサーが患者か医師か」「片頭痛に特化した発信者か幅広い健康トピックを扱う発信者か」という2つの条件を変動させた。比較のため、インフルエンサーのプロフィールなしで商品投稿のみを見るコントロール群も設けられた。

信頼がついに「行動」を動かす

研究の結果、医師のインフルエンサーは知識量の面でより高く評価された一方、患者のインフルエンサーは参加者との類似性・共感しやすさの面で高く評価されたという。また、患者・医師いずれのインフルエンサーも、インフルエンサー不在のコントロール群と比較して「真摯さ(オーセンティシティ)」の評価が高く、SNS上での一貫した発信が専門家・患者を問わず信頼感の醸成につながることが示されたとしている。

発信テーマの専門性については、片頭痛に特化したインフルエンサーが幅広い健康トピックを扱うインフルエンサーより高い評価を受けたという。片頭痛特化型のインフルエンサーは、真摯さ・知識量・参加者との類似性のいずれの点でも高いスコアを記録した。この結果は「マッチアップ仮説」と呼ばれる考え方、すなわちインフルエンサーが発信してきたテーマと訴求する商品・情報の一致度が高いほど、視聴者の反応も好意的になるという理論と整合しているとBIRCは説明している。

そして最も実務に直結する知見として、インフルエンサーへの信頼がメッセージ自体への信頼を高め、それが最終的に「商品を購入する意向」および「コンテンツをシェアする意向」の向上につながることが確認されたという。専門性と類似性は、シェア意向を直接高める効果も確認された。BIRCは「投稿をシェアすることは購入より低いコミットメントかもしれないが、それでも健康情報の拡散に貢献する」と指摘しており、インフルエンサーの信頼性が個々の購買行動だけでなくキャンペーン全体のリーチにも影響を与えうることを示唆しているとしている。

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