危機対応演習で組織を鍛える、シナリオ設計の実践的な3つのポイント

Making Crisis Drills Practical: Key Scenario Design for Frontline Impact

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危機対応演習で組織を鍛える、シナリオ設計の実践的な3つのポイント
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ポイント

  • 米メディアRaganが研修講演を2026年8月7日に報じた
  • ダーラ・コーエン氏は、リアルな危機演習シナリオの重要性を強調した
  • 組織再編など社内危機の想定が実践的だと訴えた

米国のコミュニケーション・広報担当者向け専門メディア「Ragan」は、自社が主催するオンライン研修カンファレンス「Communications Boot Camp Virtual Conference」での講演内容を2026年8月7日公開の記事で報じた。

リアルな想定が演習の価値を決める

登壇したのは、米国ゲーミング産業の業界団体であるAmerican Gaming Associationで戦略的コミュニケーションおよびメディアリレーションズ担当シニアディレクターを務めるダーラ・コーエン(Dara Cohen)氏だ。コーエン氏は、広報・コミュニケーション担当者が危機対応の演習を設計する際には、実際に起こりうるシナリオを中心に据えるべきだと強調した。

「広報担当者として働く時間の中で、何らかの形の危機に直面しない人はいない。それが社内向けの問題であれ、社外向けの問題であれ、あるいはその両方が絡み合ったものであれ、だ」とコーエン氏はカンファレンスの聴衆に語った。「まったく準備できていない状態ほど最悪なことはない。演習があれば、プレッシャーのかかる局面で一人ひとりがどう動くかを事前に練習できる」とも述べた。

「社内向け危機」のシナリオ例

コーエン氏はとりわけ、社内コミュニケーションの危機対応に特化したシナリオの重要性を訴えた。

「社内コミュニケーションを重視するのであれば、例えば組織の再編・再構築に関するシナリオが考えられる」とコーエン氏は述べた。「上級幹部が退任することになった場合、各チームで広がるであろう噂話にどう対処するか。従業員の士気や組織文化にどのような影響が出るか。転職活動を始めようと考える人が出てくるか」といった問いを演習の軸に据えることを提案した。

なお、Raganの記事本文の大部分は同メディアの有料会員サービス「Ragan Insider」の登録会員のみに公開されており、コーエン氏の講演内容の詳細はRagan Insiderのプレミアムコンテンツとして提供されている。

危機シミュレーション演習の具体的な実施方法

コーエン氏の登壇とは別に、危機コミュニケーションの専門家であるジェラード・ブロード(Gerard Braud)氏は自身のサイト上で、危機シミュレーション演習の具体的な実施手順について詳細な提言を公開している(2019年8月30日付)。

ブロード氏はまず、演習の目的をこう端的に表現している。「本番で失敗しないために、内輪で失敗しておくことが目標だ」。演習の日程は事前に告知してよいが、開始時刻はできる限り伏せることを推奨している。理由として、実際の危機は最も都合の悪い時間帯に発生することが多いため、現実に即した緊張感を生むためだと述べている。

シナリオの構成についてブロード氏は、火災や爆発といった緊急事態のほか、サイバー侵害、気象災害、経営幹部の不正疑惑なども対象になりうるとしている。またシナリオは「推理小説」のように書くべきで、チームメンバーを誤った思い込みに誘導するミスリードを意図的に盛り込むことを勧めている。加えて、架空のソーシャルメディア投稿・偽の動画・偽の目撃者証言なども演習に組み込み、事実と虚構を峻別する訓練にすることを推奨している。

演習では次のような項目についてスピードを測定すべきとブロード氏は述べている。危機発生の最初の通知が全員に届くまでの時間、チームメンバーが集合するまでの時間、最初のニュースリリースが作成・承認・配信されるまでの時間、スポークスパーソンが模擬記者会見に臨めるようになるまでの時間、そしてそのスポークスパーソンの実際のパフォーマンスだ。また演習の中には少なくとも2回のニュースリリース作成と記者会見を組み込むことを目安として示している。

さらにブロード氏は、チームメンバーが倫理的・手続き的な判断を迫られる「意思決定の対立」を演習内に意図的に設けることを勧めている。演習中はメモを取り続け、主要な達成事項、ボトルネック、対立、所要時間を記録することが重要だとしている。これらの記録が事後評価の基礎資料になるためだ。

所要時間の目安についてブロード氏は、演習本体が平均3〜4時間、事後評価が1時間から1時間半とした上で、演習後の評価結果を次のアクションに直結させることが重要だとしている。具体的には、計画に欠陥があれば修正する、チームメンバーが互いの役割を侵害していれば担当領域を守るよう指導する、事前作成済みニュースリリースへの編集が過度に時間を要した場合は経営幹部に事前承認を求める、スポークスパーソンの対応が不十分であればすぐにメディアトレーニングを再設定する、といった対応を挙げている。ブロード氏は最後に「演習で失敗することは許容される。しかし実際の危機で失敗することは本物の問題だ」とまとめている。

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危機対応演習シナリオ設計内部コミュニケーション広報戦略

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