広報の報告先はCEOか部門長か?100人超の専門家が突きつけた組織設計の盲点

Why Public Relations Must Report Directly to CEO: Over 100 Pros' Insights

ソースに基づく報道記事 9件の情報源
広報の報告先はCEOか部門長か?100人超の専門家が突きつけた組織設計の盲点
画像: 情報ソースより

ポイント

  • PR Dailyの調査で広報部門の報告先が議論された結果が報じられた
  • 100人超の専門家がCEO直属を圧倒的に支持した
  • 他部門傘下では広報の戦略的価値が損なわれると指摘された

PR・コミュニケーション専門メディアの「PR Daily」は、広報部門はどの役職に報告すべきかをLinkedInで問いかけ、その結果と業界専門家の意見を2026年8月13日公開の記事で報じた。100人を超える専門家が回答し、「広報はCEOに直接報告すべき」という意見が圧倒的多数を占めたという。

CEO直属を支持する声が続々

同記事には複数の業界専門家のコメントが掲載されている。広報コンサルタントのエリン・アビー氏(Abbey Communications Group)は、「CEOへの報告ラインこそが、意思決定の場に入るための切符だ」と述べたという。人事部門、法務部門、マーケティング部門、そしてCEOと、異なる上位組織に報告した経験を持つ同氏は、「広報を別の部門の傘下に置けば、その部門の目標を引き継いでしまう。広報は企業全体に奉仕する機能であり、組織上の位置づけもそれを示すべきだ」と指摘したとしている。

日立(Hitachi)のアメリカ地域の広報担当、ステファニー・ロバーツ氏は、他部門を経由した報告ラインが「代理人」を生み出すと語ったという。最高マーケティング責任者(CMO)を経由して広報専門家の意見がCEOへ届く場合、本来の専門的な視点が薄まってしまうと述べたとしている。

Greenough CommunicationsのCEOであるニッキ・フェスタ・オブライエン氏は、より踏み込んだ主張をしたという。「広報はCEOに直属するだけでなく、他のC-suiteと同等の地位、予算、肩書きを得るべきだ」と述べ、最高コミュニケーション責任者(CCO)の肩書きや予算権限が伴わないまま、C-suiteと同等の責任を担っている広報リーダーが多すぎると訴えたとしている。

「マーケティングの傘下では役割が歪む」

マーケティング部門と広報部門の目標のずれを指摘する声も目立った。The Flip Side Communicationsの創業者兼マネージングパートナーのローレン・ヤスキン氏は、「広報の真価は『ノー』と言える力にある」と述べたという。リスクを指摘したり、発表のタイミングに異を唱えたり、経営陣が聞きたくない事実を伝えたりする力こそが広報の本領だとし、CMOのリード獲得や成長という目標の傘下では、その力が発揮できないと語ったとしている。

CommsConsultants.comの創業者アシュリー・デニソン氏は、「広報が意思決定の後に呼ばれると、必ず評判が傷つく」と断言したという。ビジネスの判断は、社員・一般市民・あらゆるステークホルダーの反応を見越した視点から下されるべきであり、決定後にメッセージを磨くだけの役割に広報を押し込めることが、最大の失敗だと述べたとしている。

WHO財団(WHO Foundation)で広報・ドナーエンゲージメント&ガバナンス部門を率いるキャロリン・モンセル氏も同様の見解を示したという。「広報が意思決定の後に招かれる頃には、戦略的・ステークホルダー的・評判上のリスクを変えるには手遅れになっていることが多い」と語ったとしている。

「例外」も存在するが、あくまで例外

一方で、マーケティング担当責任者(CMO)への報告が機能した例外ケースも紹介されている。RealPageの元コミュニケーション&クリエイティブ担当シニアバイスプレジデント、ジェニファー・ボウコック氏は、Dolbyで広報を率いていた際にCMOへ報告する体制だったと振り返ったという。ただし、その環境が機能したのは「広報を理解し、CEOへの直接アクセスを優先してくれるCMOがいたから」であり、「これは例外であって、ルールではない」と強調したとしている。

今回のLinkedIn上での議論を分析した別の記事(Marketers Index)では、「形式的な組織図よりも、経営層への実質的なアクセスこそが重要だ」という反論を提示する声も取り上げられている。また実際のLinkedIn上のコメント欄でも、報告先がCEOであるかどうかよりも「広報がマーケティングのサービス部門として扱われていないか」こそが本質的な問題だとする指摘が寄せられている。ただし、PR Dailyの記事に寄せられた意見の大勢は、あくまでCEOへの直属ラインを構造的に確保することの重要性を訴えるものだったという。

情報ソース一覧

広報CEO直属組織構造コミュニケーション戦略

記事内容に関するお問い合わせ・フィードバックはこちらからお寄せください。