広報担当者の98%がAIを使っても組織に定着しない、部門別ガイドライン不在という構造的欠陥
PR AI Adoption: 98% Use It, Yet Organizational Integration Lags - Challenges
ポイント
- 広報担当者の98%がAIを使うが、組織定着は遅れている
- 部門別ガイドライン不在が原因とサマンサ・スターク氏は指摘
- 旧来の全社ガイドラインではAIの潜在力は引き出せない
広報・コミュニケーション業務にAIを取り入れる人材はほぼ全員に達したが、組織としての活用体制は大幅に遅れている。Phyusionの創業者兼チーフストラテジストであるサマンサ・スターク氏が、この「定着しない」問題の核心に切り込んだ。Ragan.comが2026年9月21日に報じた。
スターク氏は、米国テネシー州ナッシュビルで先月開催されたRagan's Employee Experience Conferenceに登壇した。同氏は広報担当者がAIを業務に取り入れてはいるものの、その潜在力を十分に引き出せていないと指摘した。「私たちの98%は非常に頻繁にAIを使っている。でも、うまく使えているか。答えは概ねノーだ。業務のあり方を根本から変えるには、人々にまったく異なる種類の変革とトレーニングが必要だから」と語った。
2年前のガイドラインでは通用しない
問題の背景には、社内ルールの陳腐化がある。スターク氏によれば、多くの企業が「IT部門が2年前に作ったAIガイドライン」を今も使い続けており、それでは機能しないと言い切る。「もう通用しない。部門ごとに何がベストプラクティスかを整理する必要がある。どのAIを何に使うか。すべて職能別でなければ、効果は出ない」と述べた。
Ragan CommunicationsがRagan Center for AI Strategyを通じて2026年3月10日に発表した「State of AI & Communications」のデータも、同様の現状を示す。同調査によれば、回答者の98%が何らかの形でAIを業務に使用し、約75%が定期的に使用している。しかし、AIを通常の業務プロセスや組織戦略に正式に組み込んでいる企業は20%未満にとどまる。
活用は「アイデア出し」に偏り、高度活用は未開拓
同調査は用途の偏りも明らかにした。AIの使い道として最も多いのはアイデア出し・ブレインストーミングで85%超、コンテンツ制作が75.7%、調査・リサーチが61.7%、社内向けのコミュニケーション業務が55.3%と続く。一方、危機対応や読者・視聴者の分析といった高度な活用は普及が遅れている。
危機対応への備えの欠如は特に際立っている。合成音声・映像などのいわゆるディープフェイクや偽情報への対処について「十分に準備できている」と答えた担当者はわずか4%未満だった。さらに51.5%が、対応プロセスやツールが存在しないか、あるか分からないと回答した。
Ragan Communications CEOのダイアン・シュワルツ氏は「AIは興奮と不確かさの両方をもたらしているが、今回の調査は広報担当者に方向性と明確な指針を与えてくれる。広報担当者がAIに積極的に向き合っているのは前向きな兆候だが、まだ乗り越えるべき大きな壁がある」と述べている。
「ツール導入」から「組織変革」へ
スターク氏がカンファレンスで訴えたのは、AI活用の課題が「どのツールを使うか」という選択の問題ではなく、「どう変わるか」という組織変革の問題に本質的に移行しているという点だった。一律の全社ポリシーに頼る時代は終わり、職能別に体制を組み直す必要があると指摘した。
情報ソース一覧
- あなたの古いAI導入ガイドラインでは不十分でしょう - Ragan Communications Your outdated AI adoption guidelines aren’t going to cut it - Ragan Communications www.ragan.com/ragan-insider-employee-experience-26-stark-phyusion/
- あなたの古いAI導入ガイドラインでは不十分でしょう Your outdated AI adoption guidelines aren’t going to cut it ground.news
- Raganの「AIとコミュニケーションの現状」調査:コミュニケーションチームがAIをどのように活用し、どこで準備が不足しているかをベンチマーク - Ragan Communications Ragan’s “State of AI & Communications” Study Benchmarks How Comms Teams Use AI and Where Readiness Breaks Down - Ragan Communications www.ragan.com
- 従業員体験カンファレンス | 2026年8月3日~5日 | テネシー州ナッシュビル The Employee Experience Conference | Aug. 3-5, 2026 | Nashville, TN www.ragan.com/store/the-employee-experience-conference/
- コミュニケーター向けAI導入ロードマップ - Ragan Communications The AI adoption roadmap for communicators - Ragan Communications www.ragan.com/the-ai-adoption-roadmap-for-communicators/
- 社内コミュニケーションにおけるAI成熟度ギャップ - Ragan Communications The AI Maturity Gap in Internal Comms - Ragan Communications www.ragan.com/white-papers/the-ai-maturity-gap-in-internal-comms/
- AI統合型コミュニケーション機能を構築するための9つの教訓 - Ragan Communications 9 lessons from building an AI-integrated comms function - Ragan Communications www.ragan.com/9-lessons-from-building-an-ai-integrated-comms-function/
- 従業員体験のためのAI導入戦略 | Samantha Starkがこのトピックについて投稿 | LinkedIn AI Adoption Strategies for Employee Experience | Samantha Stark posted on the topic | LinkedIn www.linkedin.com
- AIとコミュニケーションレポート:導入、統合、そして次に来るもの AI and Communications Report: Adoption, Integration, and What's Next www.ragan.com
- AI準備状況を明らかに:あなたのチームの成熟度ステージを見つけよう AI Readiness Revealed: Find Your Team's Maturity Stage ragantraining.com/ai-readiness-revealed-find-your-teams-maturity-stage/