世界最大級のAI企業が広報トップを9カ月空席にした理由と、危機対応の司令塔不在が招くリスク

Why the World's Most Noted AI Company Can't Fill Its PR Head Role for 9 Months

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世界最大級のAI企業が広報トップを9カ月空席にした理由と、危機対応の司令塔不在が招くリスク
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ポイント

  • OpenAIは広報最高責任者(CCO)ポストを9カ月以上空席のままにしている
  • その間、国防総省との論争など危機対応が必要な局面が多発した
  • 採用難航はIPO評価額低下のリスクを高めると指摘されている

ChatGPTを開発したOpenAIが、広報・コミュニケーション戦略全体を統括する最高責任者(CCO)のポストを9カ月以上空席のままにしている。炎上対応からIPO広報まで対外メッセージを一手に担うべき役職が、世界で最も注目を集めるAI企業に存在しない。広報業界の専門メディアPR Dailyが2026年9月25日、この異常事態を報じた。

前CCOのハナ・ウォン氏は2026年1月、「約5年間OpenAIに在籍したのち、次のステップへ進む時期だと判断した」とLinkedInに投稿して退職した。フォーチュン誌が同年9月23日に報じたところでは、それから9カ月が経過した現在も後任は決まっておらず、OpenAIは最近、外部の経営幹部向け人材紹介会社ダバーサ・パートナーズに採用支援を依頼した。

炎上続きの2026年

空席が問題視されるのは、2026年を通じてOpenAIが繰り返し批判の矢面に立ってきたからだ。フォーチュン誌の記事によれば、国防総省との契約をめぐる論争、イーロン・マスク氏との法廷闘争、ハッキング事件、アップルとの訴訟など、危機対応が必要な局面が連続して発生した。

OpenAIのサム・アルトマンCEO自身も、AI業界全体がこの技術の利点を伝えることに「ひどく失敗してきた」と認めている。一方で同氏はAIが社会インフラを破壊しかねないという懸念も公言しており、PR Dailyはその矛盾を「どちらか一方だけを主張することはできない」と指摘している。

有力候補の辞退と揺れる指揮系統

フォーチュン誌の取材によれば、OpenAIが最有力候補として接触したのは、配車サービス大手ウーバーで広報・企業統括部門のトップを務めるジル・ヘーゼルバッカー氏だった。同氏は2026年春にオファーを断った。事情を知る複数の関係者は理由として、ウーバーCEOとの強固な信頼関係、報酬水準、そして家族の事情により東海岸から移住が難しいことを挙げている。

採用が難航するもう一つの要因として、フォーチュン誌は役割の指揮系統が定まっていない点を挙げている。CCOが共同創業者でもある社長のグレッグ・ブロックマン氏に直接報告するのか、それとも最高マーケティング責任者(CMO)の下に置くのかが社内で議論されたままになっている。このCMOポストも、2026年4月にケイト・ラウチ氏が病気療養のため退任して以来、空席の状態が続いている。

暫定体制と採用の長期化が招くリスク

現在は、最高グローバル担当役員が暫定的にコミュニケーション部門を統括し、外部のPR会社ブランズウィック・グループがIPO関連の広報を支援している。また2026年7月には、財務広報を専門とするジョシュ・キング氏をコミュニケーション担当副社長として採用した。

ダートマス大学タック・スクール・オブ・ビジネスで45年にわたり企業広報を教えるポール・アルジェンティ氏は、フォーチュン誌に対してこう語っている。「問題はOpenAIがCCOなしで機能できるかではない。確実に機能できる。問題は、繰り返す評判上のリスクが投資家にとってのリスクプレミアムを高め、その結果としてIPO評価額を下げることにならないかだ」。

OpenAIはフォーチュン誌に対し、ふさわしい人材を見つけるまで急ぐつもりはないと回答している。PR Dailyは「それ自体は賞賛できる姿勢だが、技術の進化がこれほど速い中でこれほど慎重に動くことは、長期的な評判に影響を及ぼしかねない」と論評している。

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OpenAI広報CCO採用難

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