「当たり障りのないことしか言わない」経営幹部がソートリーダーになれない根本的な理由

Why executives who play it safe can't be thought leaders: The fundamental reason

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「当たり障りのないことしか言わない」経営幹部がソートリーダーになれない根本的な理由
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ポイント

  • Ragan.comは「ソートリーダーシップの失敗」を2026年9月9日に報じた
  • 経営幹部の多くは当たり障りのない意見に留まり失敗している
  • リスクを取る発言こそ真のソートリーダーに求められる

米国の広報・コーポレートコミュニケーション専門メディアRagan.comは、「なぜあなたのソートリーダーシップは失敗し続けるのか」と題した記事を2026年9月9日公開の記事で報じた。執筆したのは同メディアとその姉妹サービスであるPR Dailyの編集長アリソン・カーター氏で、経営幹部が「業界における権威ある論客」として認められるための発信が、なぜ機能しないのかを論じている。

同記事によると、ソートリーダーになりたいと望む経営幹部は今や非常に多いという。しかし実際に発信されているコンテンツの大半は、誰も反論しないような「当たり障りのない意見」にとどまっており、それが失敗の根本原因だとカーター氏は指摘する。

「安全な発言」は専門家止まり

カーター氏は自らが2つの業界専門誌の編集者として毎週数十本の寄稿を受け取る立場から、その実態を具体的に示している。記事によると、届く原稿の多くが「AIは仕事を奪うのではなく変革する」「AIはコミュニケーションをより重要にする」「いまこそ人間的スキルが大切だ」といった内容に集中しているという。

これらは間違いではない。しかしカーター氏は「それらはすでに業界の大多数が受け入れている考え方であり、明らかなことを言っているにすぎない」と断じる。反論を受けるリスクがある立場表明を回避している限り、その人物は「業界の将来を先導する者」ではなく、せいぜい「その分野の詳しい人(サブジェクトマター・エキスパート)」に留まると同記事は論じている。本当のソートリーダーとは、「間違っているかもしれないリスクを取るだけの好奇心と自信を持った人間だ」というのがカーター氏の主張だ。

ザッカーバーグとダイモンの「型」

記事は、「型破りだが無責任ではない」発信のモデルとして2人の経営者を取り上げている。

1人目は米テクノロジー企業Metaのマーク・ザッカーバーグCEOだ。同記事によると、ザッカーバーグ氏は米紙ウォール・ストリート・ジャーナルへの寄稿で、AI主導の未来を「個人の権利拡大を繁栄の源泉とし、超知性の主目的を発明に置き、安全の基盤として力の分散を重視する」というビジョンとして描き出したという。AIの未来を雇用喪失や大量破壊兵器のリスクではなく楽観的な視点で捉え、AIの力が企業だけでなく一般消費者にも広く分配されるべきだと主張した内容は、AI業界の内外で多くの論者と鋭く対立するものだったと記事は伝えている。

カーター氏はこの発信がMetaの事業戦略上の利益に資するものでもあると率直に認めた上で、「それでもこの論稿はMetaの宣言書としてではなく、世界のあり方についての幅広い思想リーダーシップとして書かれており、消費者にも他の企業にも向けた意図表明になっている」と評価しているという。

2人目は米金融大手JPMorgan ChaseのCEO、ジェイミー・ダイモン氏だ。記事によると、ダイモン氏は銀行業界のCEOの中で特に広く名の知られた存在になっているが、その理由は「思慮深くありながらも断定的に物を言う姿勢」にあるという。過去には在宅勤務に対する激しい批判発言が行き過ぎたとダイモン氏自身も認めた事例もあったとされる。しかし彼が広く評価されているのは、自社の業績報告にとどまらず国家の状態にまで踏み込む毎年の株主向け書簡だとカーター氏は指摘する。

2026年の書簡でダイモン氏は「我々は少し軟弱になりすぎたと思う。懸命に働くこと、野心を持つこと、自己責任を示すこと、そして国を愛することは素晴らしい資質だ。ケネディ大統領の言葉を思い出せ。『国があなたに何をしてくれるかではなく、あなたが国のために何をできるかを問え』」と記したという。記事は「書簡には財務・経済データも豊富に含まれているが、ダイモン氏が仲間のCEOたちの上に立てているのは、自分の直接の管轄を超えた発言をいとわない姿勢にある」と伝えている。

リスクを取る覚悟が問われる

カーター氏は記事の後半で、ザッカーバーグ氏もダイモン氏も「例外的な存在」であり、地球上で最も強大な企業を率いる著名人だと認めている。その上で、「あえてこの2人を選んだのは、両者ともに失敗を経験し、発言を嘲笑われた経験があり、それでも批判を受けると分かっていながら発信し続けているからだ」と述べているという。

カーター氏の結論は明確だ。「それがソートリーダーに求められることだ。担当している経営幹部がそのリスクを取る準備ができていないなら、それはそれで構わない。しかし広報担当者として、真のソートリーダーシップとは何か、単なる雑音とは何かを経営幹部に正しく理解させることがあなたの仕事だ」と記事は締めくくっている。

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