新CEOの社内紹介で「芝刈り機の思い出」を選んだスタンレー・ブラック・アンド・デッカーの広報戦略

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新CEOの社内紹介で「芝刈り機の思い出」を選んだスタンレー・ブラック・アンド・デッカーの広報戦略
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ポイント

  • 米スタンレー社は新CEO信頼構築に業績より人間味を重視
  • 「祖父の芝刈り機」話で改善への姿勢を社内に伝達した
  • 親しみやすい物語が鍵で、同社は純売上高40億ドルを記録

コミュニケーション専門家向けメディアのRagan(レーガン)は、工具およびアウトドア・ソリューションのグローバルリーダーであるスタンレー・ブラック・アンド・デッカーが新CEOへの信頼構築に取り組んだ社内コミュニケーション戦略を、2026年9月11日公開の記事で報じた。

記事によると、先月(2026年8月)にナッシュビルで開催された「Ragan Employee Experience Conference(レーガン・エンプロイー・エクスペリエンス・カンファレンス)」において、スタンレー・ブラック・アンド・デッカーのシニア・コミュニケーションズ・マネージャーであるアリッサ・ウィンタースタイン氏が登壇し、同社の社内広報戦略を詳しく紹介したという。

祖父の芝刈り機エピソードが核心に

ウィンタースタイン氏の説明によると、同社のコミュニケーションチームが新CEOの社内への紹介に際して特に重視したのは、業績や資格といった公式な情報よりも、新リーダーの人間的な側面を従業員に伝えることだったという。

具体的には、新CEOが語った「初めての仕事」にまつわるエピソードが活用された。そのエピソードとは、祖父の壊れた芝刈り機を自分で修理してから、それを使って草刈りを行ったというものだ。ウィンタースタイン氏はカンファレンスの場でCEOの言葉を引用し、「彼は芝刈り機を借りて、見つけたときよりも良い状態にして返そうとしていた。そしてCEOの役割についても同じように、今受け取っている状態よりも良い状態で従業員に返すつもりだ」と語ったと伝えている。

この芝刈り機のエピソードは、新リーダーが「物事を修理し、より良い状態に戻す」という姿勢を持つ人物であることを従業員に伝えると同時に、CEO職への取り組み姿勢を比喩的に示すものとして機能したと報じられている。

「フランス・リビエラ」は共感を生まない実例として

ウィンタースタイン氏はまた、新CEOを紹介するQ&A形式のコンテンツを作成する際には、従業員向けに公開するすべての回答を必ずしも使う必要はないという考え方も示したという。

Raganの記事は、ウィンタースタイン氏が以前の職場での事例として紹介した内容を伝えている。あるリーダーが、従業員向けの自己紹介コンテンツの中でフランス・リビエラへの休暇を繰り返し引き合いに出したというケースだ。この種のエピソードは従業員にとって最も共感しやすいエピソードではなく、除外すべき例として判断できると、ウィンタースタイン氏は示したという。

対照的に、祖父の芝刈り機を修理したというエピソードが効果的だったのは、新リーダーの人格や価値観、そして「自分で手を動かして問題を解決する」という仕事への姿勢を具体的に伝えていたからだと報じられている。

「親しみやすさ」が信頼構築の鍵

Raganの記事が伝える今回の事例の本質は、CEOトランジション(CEO交代)時の社内コミュニケーションにおいて、新リーダーの「人間的な親しみやすさ」を前面に出すことが従業員の信頼獲得に有効だという点にある。

スタンレー・ブラック・アンド・デッカーのCEO、クリス・ネルソン氏は、2026年7月29日に発表した2026年第2四半期の決算において、「チームは戦略を実行し、収益性のある有機的成長を実現することにコミットしている」と述べており、同四半期の純売上高は40億ドルを記録したという。

同カンファレンスの発表内容が示すのは、こうした業績という公式な文脈とは別に、従業員との信頼関係を築くには「数字」ではなく「物語」が必要だという実務上の知見だ。アリッサ・ウィンタースタイン氏がカンファレンスという公開の場でこの事例を共有したことは、同様のCEO交代を経験する他の企業の広報担当者に向けた示唆として広く受け止められている。

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社内広報CEOコミュニケーションリーダーシップ信頼構築

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