危機対応は数分単位の時代へ——広報統合会社トップがカンヌで見た業界の転換点

Crisis Response: From 24 Hours to Minutes – Golin Ketchum President on Preparation

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危機対応は数分単位の時代へ——広報統合会社トップがカンヌで見た業界の転換点
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ポイント

  • Golin Ketchum社長が、炎上対応は「数分」の時代と指摘
  • かつて24時間あった対応時間が大幅に短縮されたという
  • 事前準備、モニタリング、そして顧客参加の重要性を強調した

PR業界専門メディア「PR Daily」は、GolinとKetchumが統合して誕生した広報代理店「Golin Ketchum」のタマラ・ノーマン(Tamara Norman)社長へのインタビューを2026年7月8日公開の記事で報じた。

ノーマン氏は業界歴30年超のベテランで、自身の言葉を借りれば「インターネット以前」からこの仕事に携わっている。1994年に業界入りして以来、最大の変化として同氏が挙げるのは「変化のスピード」そのものだという。「クライアントは私たちが常に一歩先を行くことを期待している。だから私たちは、常に次の曲がり角の先を見ようとしている」とノーマン氏は述べている。

Golin Ketchumが正式発足、統合の経緯

Golin Ketchumは2026年6月10日に正式発足した。コミュニケーション業界専門メディア「CommPRO」の報道によると、同社はGolinとKetchumの2社を単一の広報代理店として統合し、統一されたブランドと経営体制のもとで運営を開始したという。マット・ニール(Matt Neale)氏がCEO、タマラ・ノーマン氏がプレジデント(社長)に就任した。

同社はブランド・消費者マーケティング、コーポレートアフェアーズ、ヘルスケア、テクノロジー、食品・農業・栄養といった分野にわたるサービスを提供するとしている。ニール氏は統合の意図について「GolinもKetchumも、クライアントとの強固な関係と市場における高い評判を築いてきた。両社名を合わせることは、その歴史を尊重しながら、一つの組織として築いていく未来を映し出している」と述べたとCommPROは伝えている。

ノーマン氏はこの発足後、フランスのカンヌで開催された「カンヌライオンズ国際クリエイティビティフェスティバル(Cannes Lions International Festival of Creativity)」に参加。Golin Ketchumとして複数の賞を受賞したという。帰国後、現地での会話や見聞をもとに業界の主要トレンドをPR Dailyに語ったのが今回の記事だ。

炎上対応の時間は「24時間」から「数分」へ

カンヌで最も多く話題に上ったテーマの一つが「信頼とレピュテーション(評判)管理」だったとノーマン氏は語っている。

AIによる偽情報・誤情報の生成が加速し、それがソーシャルメディアによってより多くの人々へより精密に拡散される現代において、ブランドが反応に使える時間は大幅に縮小しているとノーマン氏は指摘している。同氏によれば、自身が業界に入った当初、ブランドは問題への対応に通常24時間を確保できたという。しかし今は「数分にまで縮まった」と述べたとPR Dailyは伝えている。

そのためブランドは、オンライン上の会話をモニタリングして問題が広まる前に察知するツールへの投資と、事実とフィクションを区別できる技術の導入が不可欠だとノーマン氏は強調している。「できるだけ早く先手を打つことが、ブランドが評判を守るうえで本当に重要だ」と同氏は語っている。

さらに、新しいキャンペーンや施策を打ち出す前の「シナリオプランニング(想定訓練)」を入念に行うことも鍵だとノーマン氏は述べている。誤った情報が世論を塗り替え始める前に動かなければならず、一日かけて返答を考える余裕はないとしている。「これだけ物事の動きが速い時代には、ブランドを高める取り組みをしているときでさえ、準備を万全にしておく必要がある」とノーマン氏は語っている。

コントロールを「手放す」ことがブランドを文化にする

評判管理においてブランドのコントロールを強める一方で、マーケティングプロセスの特定領域ではコントロールを手放すことが、ブランドを文化の一部にするために必要だとノーマン氏は語っている。「少し手放すということだ」と同氏は述べている。

この考え方の具体的な表れとして、より多くのブランドが顧客に自社のかわりに語ってもらう取り組みを進めており、コミュニティがブランドの支持者として参加できる場を広げていると同氏は指摘している。

具体例として挙げられたのが「Dr Pepper」の事例だ。コンテンツクリエイターのRomeo Binghamが制作してバイラル(爆発的に拡散)した歌をもとに、Dr PepperがそれをテレビCMに仕立て、「カレッジフットボールプレーオフ全国選手権(College Football Playoff National Championship)」の放映中に流したという。「クリエイターに、ファンに、あなたたちが誰であるかの一部、あなたのブランドの創造と育成の一部になってもらうということだ」とノーマン氏は語ったとPR Dailyは伝えている。

また同氏は、今年のカンヌでは過去に見たことがないほど多くのクリエイターやインフルエンサーが参加していたと語っている。

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