有料認証バッジ付きの偽アカウントが50万いいねを獲得し報道機関も誤認した事例が問う危機対応の盲点

Instagram's Blue Badge Fuels AI Deepfake Disinformation: 500K Likes for Fake Images

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有料認証バッジ付きの偽アカウントが50万いいねを獲得し報道機関も誤認した事例が問う危機対応の盲点
画像: 情報ソースより

ポイント

  • 著名人のAI偽画像がSNSで拡散し、50万いいねを集めた
  • Instagramの認証バッジが偽情報拡散を加速させた
  • メディアや検索結果にも偽情報が波及する事態となった

離婚発表の直後、まるでタイミングを狙ったかのような投稿が拡散した。ハリウッド女優のミア・ゴス氏がシャイア・ラブーフ氏との離婚申請を行った数日後、「MY EX IS MY BIGGEST FAN(元カレは私の一番のファン)」と書かれたTシャツを着た彼女の画像がInstagramに出現し、約50万件のいいねを集めた。この画像はAIで生成された偽物だった。米テクノロジーメディアThe Vergeが2026年10月15日、詳細を報じた。

投稿したのは「@miagoth_」というアカウントだ。フォロワーは100万人を超え、Meta社(FacebookやInstagramを傘下に持つ米SNS大手)が提供する青いバッジ、いわゆる「認証マーク」も付いていた。ゴス氏の代理人、クリスティン・トリピキオ氏は「このファンアカウントがInstagramの認証基準を満たしているという事実は、根本的なレベルで不安を覚えさせる」とThe Vergeにメールで回答し、「Instagramが公人の肖像の保護よりも偽造・加工画像の拡散を優先しているとしか思えない」と批判した。

「認証バッジ」が逆に偽情報を後押し

問題の深刻さは、Metaの認証バッジが有料購入によって誰でも取得できる仕組みにある点だ。著名人や公式アカウントを識別するために設けられたはずの青バッジが、今回はファンアカウントに付与されており、一般ユーザーや報道機関が公式情報だと誤認する遠因になった。

The Vergeの取材後、Metaの広報担当者アレックス・ジエジャン氏は「認証コンテンツであるかAI生成コンテンツであるかに関わらず、他者になりすますためにその人物の肖像を使用するアカウントは許可していない」とメールで回答し、問題のアカウントのうち複数を削除したことを明らかにした。@miagoth_アカウントは「公人へのなりすまし」を理由に削除されたが、それはゴス氏側が複数回にわたってInstagramに苦情を申し入れた後のことだった。

AI偽動画も数百万再生を記録

ミア・ゴス氏のケースだけではない。テイラー・スウィフト氏がドレイク氏の楽曲「Burning Bridges」を歌うAI生成動画は、Instagramで180万回再生を記録している。この動画のコメント欄には「彼女のPRチームはこれを見て嫌がるだろう」といった書き込みが並んでいた。

The Vergeが確認した別のアカウントでは、スカーレット・ヨハンソン氏のAI生成画像を専門に投稿し、アカウント内に企業向けの広告掲載の窓口情報やPaatreonおよびTelegramの有料チャンネルへのリンクを掲載していた。ミリー・ボビー・ブラウン氏やゼンデイヤ氏、アリアナ・グランデ氏といった女性芸能人のAI生成画像を性的な内容で投稿するアカウントも確認されている。The Vergeが8件のアカウントについてMetaに問い合わせたところ、そのうち一部が削除された。

偽情報の連鎖がメディアにも波及

記事によれば、ミア・ゴス氏の偽画像は離婚というニュースバリューに乗って芸能系メディアに拾われ、その報道がさらにGoogle検索に影響を与えた。検索すると、AIによる自動要約が「ゴス氏が元交際相手にあてこすりをした」と説明し、その根拠として問題の偽情報を報じたブログ記事を引用するという連鎖が生じた。さらに、Googleの検索結果画面には「ミア・ゴス、挑発的なTシャツでInstagramを沸かせる」という見出しのセクションが目立つ位置に表示されていた。

生成AIの一般向けツールが普及して以降、著名人を素材にしたAIコンテンツの問題は繰り返し起きている。AI生成のドレイク風楽曲がYouTubeから著作権侵害で削除され、スカーレット・ヨハンソン氏はOpenAIが本人の声に似た音声をChatGPTに採用したことに対して法的対応を取った。アリアナ・グランデ氏は自分のAI生成コンテンツを投稿するアカウントをブロックしたと伝えられている。テイラー・スウィフト氏は2024年の米大統領選で、ドナルド・トランプ氏が自身の支持を示す偽画像を投稿したことをきっかけに、カマラ・ハリス氏への支持を公に表明している。The Vergeは「誰もが、たとえ富裕層や有名人であっても、新しい技術をめぐる規範と格闘していた時期があった。今やオンライン上のAIコンテンツの洪水は増すばかりで、それを止めようとしているのか、あるいは止める手段があるのか、判然としない」と評した。

情報ソース一覧

AI偽情報Instagram認証バッジ

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