880万フォロワーが小規模店舗を直撃、SNS炎上が招く非対称な広報リスク

Celebrity's social media post turns small shop into 'battlefield': A PR crisis lesson

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880万フォロワーが小規模店舗を直撃、SNS炎上が招く非対称な広報リスク
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ポイント

  • ケリー・クラークソン氏のSNS投稿で小規模店が炎上
  • 880万フォロワーが店を攻撃し脅迫が殺到
  • 店側は非売品の鳥を巡る誤解と反論し混乱が続く

歌手のケリー・クラークソン氏がニューヨーク・ブルックリンの小規模専門店「Art of Play」への不満をSNSに投稿し、一夜にして店舗が脅迫や嫌がらせにさらされる炎上に発展した。USA TODAYが2026年10月13日、共同オーナーへのインタビューを含む詳報を公開した。

発端は2026年10月10日だった。クラークソン氏がX(旧Twitter)に投稿し、同店での接客体験について「まるで私がお金を持っていないかのような目で見られた」と批判した。氏のフォロワー数は880万人に上る。クラークソン氏は1990年の映画「プリティ・ウーマン」の一場面、主人公が高級ブティックで見た目を理由に差別的な扱いを受けるシーンに自らの体験をなぞらえた。

鳥1羽をめぐる食い違い

論争の中心となったのは、店内に展示されている機械式の歌鳥「Molly」だ。シアトルのアーティスト、ブリス・コルブ氏が制作したオートマトン(自動人形)で、店内の26席の劇場で行われるマジックショーでも使われている。

USA TODAYによれば、同社はSNS上の声明で、Mollyは壁に固定されており販売品ではないと説明した。クラークソン氏がSNSに投稿した「1万5,000ドル(約225万円、1ドル150円換算)」の価格タグは、Mollyそのものではなく、コルブ氏が制作する別の類似品を受注した場合のおおよその費用を示したものだという。店側はクラークソン氏に対し、ドイツの時計師が制作した別の歌鳥オートマトン(約2,000ドル、約30万円)を案内しようとしたが、氏は5分以内に退店したとも説明している。

クラークソン氏はその後も投稿を続け、店のオーナーを「失礼」「嘘つき」と呼んだ。Art of Playも複数の声明でクラークソン氏の主張に反論し、直接連絡を取って誤解を解こうとしたとしている。双方がSNS上で相反する説明を公開し続けたことで、騒動は急速に拡大した。Billboardが引用したCurbedのインタビュー記事によると、店舗への電話は脅迫的な内容のものが相次ぎ、対応できなくなった店側は電話を切らざるを得なくなった。店頭のタブレット端末にも、従業員が接客中にコメントが届き続けたという。「実際のお客様が今連絡しようとしても、絶対につながらない状態だ」とルービン氏は述べている。

脅迫と支持が同時に押し寄せる

共同オーナーのアダム・ルービン氏(43歳)がUSA TODAYに語ったところによれば、店の隣人の個人情報がオンライン上にさらされるドクシング(個人情報暴露)まで発生した。皮膚がんの手術からの療養を切り上げて店の対応に当たったルービン氏は、「ケリー・クラークソンは私たちを危険にさらした」と語った。

一方で、地域コミュニティからの支持も届いている。店が閉まっていた10月12日(月曜日)には、支持者がドアの前に贈り物やパストリーを置いて去っていった。売上はオンライン・店頭ともに急増し、来店客数も増えているという。ミシガン州から家族を訪ねて来店した80歳のポール・リプソン氏は「素晴らしい店だ。非常にユニークな場所だ」と話した。近隣在住でマジックショーにも通うザック・トーマス氏(40歳)も店を訪れた一人だ。

Mollyの値段は1500万ドルに

この騒動を受けて、ルービン氏はMollyを1,500万ドル(約22億5,000万円)で売りに出すと宣言した。「人気に応じて値上げした」と皮肉めかして語った同氏は、もし実際に売れた場合の使い道も決めているという。従業員全員に1万5,000ドルずつ配り、制作者のコルブ氏に100万ドルを支払う。残りの資金でアンティークのオートマトンを大量に購入し、大型のガラスケースに収めて展示する。そのケースの上には「非売品」と書いた大きな看板を掲げる予定だと話した。

Billboardによれば、今回の騒動における双方の主張は、第三者によって独立して確認されていない。双方の説明は食い違ったままだ。

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