従業員2000人超の調査が示した「DEI広報は量より納得感」が経営トップへの信頼を左右する理由

DEI comms: Employee satisfaction, not just quantity, builds trust in leadership

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従業員2000人超の調査が示した「DEI広報は量より納得感」が経営トップへの信頼を左右する理由
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ポイント

  • DEI広報では、発信量より従業員の納得度が重要です
  • これは経営トップへの信頼と職場の包括的雰囲気を左右します
  • 米独2,051人調査が、広報は「本物だと感じるか」を強調しました

DEI(多様性・公平性・包括性)に関する組織の広報活動は、発信の量よりも従業員がその内容に納得しているかどうかが、経営トップへの信頼感と職場の包括的な雰囲気を大きく左右する。PR・コミュニケーション分野の学術研究を行う非営利機関IPR(Institute for Public Relations)内に設置されたDEI専門の研究センター、IPR CDEI(Center for Diversity, Equity, and Inclusion)が2026年10月7日、この調査結果をまとめたレポートを公開した。

調査の設計と対象

調査は、2025年1月にトランプ米大統領がDEI施策に制限を加える大統領令を発令してから6カ月後、米国とドイツの従業員を対象にオンラインアンケート形式で実施された。対象は従業員50名以上の組織に勤める米国の従業員1,036名とドイツの従業員1,015名で、合計2,051名から回答を得た。2つのサンプルは性別・年齢・性的指向といったDEIに関わる主要属性において比較可能な構成となっていた。

背景にあるのは、2025年1月にトランプ大統領が発令した一連の大統領令だ。政府機関や政府との契約関係にある組織に対してDEI施策を制限するこの命令を受け、組織は女性・有色人種・LGBTQ+コミュニティといったマイノリティへの取り組みの見直しを迫られた。こうした状況の中でもCostco、Apple、Microsoft、Patagoniaといった企業はDEIへのコミットメントを維持した一方、DEIの立場を後退させたり、これまで公言していた価値観から距離を置いたりする企業も現れ、経営幹部の一貫性と誠実さが問われるようになった。

米独2,000人超の回答が示した共通点

IPR CDEIによれば、今回の調査では両国に共通して複数の重要な傾向が確認された。

まず、組織がDEI支持を示すコミュニケーションを行っていると、従業員はそのDEI関連コミュニケーションに対して高い満足感を示した。また、DEIコミュニケーション自体の有無と、そのコミュニケーションへの従業員の満足度の両方が、職場における包括的な組織風土の形成に貢献した。ただし、その効果の大きさは発信そのものより従業員の満足度のほうが強かった。

さらに、DEI支持を発信することと、従業員がそのコミュニケーションに満足することの双方が、経営トップの誠実さへの認識を高め、その認識がさらに包括的な組織風土を強化するという連鎖も確認された。

米国とドイツで異なる傾向も

両国の結果はおおむね一致していたが、細部に違いもあった。DEI支持の発信が経営トップの誠実さへの認識と結びつく度合いは、ドイツのほうが米国より強く出た。一方、DEIコミュニケーションへの従業員満足度が経営トップの誠実さへの認識と結びつく度合いは、米国サンプルのほうが強い関係を示した。また、経営トップが誠実であるという認識が包括的な組織風土の形成に与える正の影響は、ドイツの従業員においてのみ確認された。

レポートはこの結果から、重要なのは組織がDEIへの支持を「伝えるかどうか」だけでなく、従業員がその支持を「本物だと感じるかどうか」だと指摘している。「DEIについて発信するだけでは不十分だ。従業員は、組織が宣言と行動を一致させているかを見ている」と記している。

加えてレポートは、効果的なDEI広報は一方的な情報発信ではなく双方向のプロセスだと強調する。経営者側から発信するだけでなく、従業員の視点や価値観に耳を傾けることが、DEI施策を組織全体に根づかせる上で欠かせないとしている。DEIコミュニケーションへの従業員満足度は、経営トップへの信頼と信用を構築するための「核心的な要素」だと結論づけた。

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