広報の成果報告で「だから何?」と返される企業が見落とす経営言語への翻訳術

Why PR Metrics Fail in Boardrooms: A Fortune 500 Comms Exec's Take

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広報の成果報告で「だから何?」と返される企業が見落とす経営言語への翻訳術
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ポイント

  • 広報成果が経営層に響かないのは「だから何?」の問いに答えられないためです
  • 25年以上の経験を持つ専門家が、広報に経営言語の必要性を指摘しています
  • 広報活動を売上やリスク削減など経営指標に変換し、貢献を示すべきだとしています

広報活動の成果を経営層に報告しても「で、それが何なのか」と返される。この問いに正面から答えられる広報担当者は少ない。その構造的な問題を、Fortune 500企業で3度にわたりコミュニケーション部門のトップを歴任したキャサリン・エルナンデス=ブレイズ氏が解説した。広報・コミュニケーション業界向けの専門メディアRagan.comが2026年10月5日、同氏の講演内容を記事として公開した。

エルナンデス=ブレイズ氏は25年以上の広報・マーケティングキャリアを持ち、現在は複数の非営利団体の独立取締役も務める。Ragan Communicationsが2026年9月15日に開催したオンラインカンファレンス「Communications Measurement Virtual Conference」に登壇し、広報担当者が経営の意思決定の場で存在感を発揮するために何が必要かを語った。

経営層が本当に聞きたい問い

広報担当者はクリック数、メール開封率、従業員の感情調査など、さまざまな指標から成果を示そうとしている。しかし経営層がそれらの数字に対して投げかけるのは、たった一つの問いだ。「So what?(だから何なのか)」。エルナンデス=ブレイズ氏はこの問いを「ビジネス流暢性」というキーワードで整理し、広報チームがいかに経営言語に変換した答えを用意できるかが、会議室での信頼性を左右すると語った。

広報部門が報告する数字が経営層に響かない構造的な理由は、指標の「言語」にある。経営会議の場では収益、リスク、生産性といった財務・オペレーション上の言語が中心だ。「リーチ数が先月比20%増えた」という報告は、広報チームにとっては成果を示す数字でも、CFOやCOOには売上や利益との接続が見えない限り、意思決定の材料として機能しない。

「椅子を自分で持ち込め」の意味

記事タイトルに用いられた「Comms needs to bring its own chair to the table」という表現は、経営の議論の場に呼ばれるのを待つのではなく、広報部門が自らの力で経営貢献の根拠を作り、席に座る正当性を示すべきだという考え方を指す。エルナンデス=ブレイズ氏はこの姿勢を、単なる心構えではなく、測定と報告の実践に落とし込むことが必要だと説いた。

具体的には、広報活動の成果を売上の保護、採用・定着率への貢献、危機回避によるコスト削減といった経営指標と直接結びつける形で提示することが求められる。開封率やインプレッションを単体で報告するのではなく、それがどの経営課題にどう影響したかを語れるかどうかが、広報チームの評価を分ける。

25年の経験が示す共通の課題

エルナンデス=ブレイズ氏はFortune 500企業で最高マーケティング・コミュニケーション責任者を3回務めた経験を持つ。その経験を通じて見えてきたのは、広報部門が経営層から軽視されるケースの多くに、指標の「翻訳不足」という共通の課題があるという点だ。

どれだけ豊富なデータを持っていても、それが経営判断に使える言語で提示されていなければ、広報部門は予算配分の議論でも後回しにされやすい。エルナンデス=ブレイズ氏は、データを持つことと、データを経営の武器に変えることは別のスキルだと語っている。

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