売上6年で倍増した米独立系PR会社が示す「買収で広報の守備範囲を再設計する」戦略の全貌

Independent PR Firm Doubles Sales in 6 Years, Driven by Strategic Independence

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売上6年で倍増した米独立系PR会社が示す「買収で広報の守備範囲を再設計する」戦略の全貌
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ポイント

  • 独立系PR会社MikeWorldWideが創業40周年を迎えた
  • 2026年には売上約7,500万ドル、前年比28%増の見込みだ
  • 買収とAI活用、そして「独立」経営が成長を加速させた

米国の独立系PR会社MikeWorldWide(以下MWW)が創業40周年を迎え、2026年の売上高が約7,500万ドル(約112億円、1ドル150円換算)に達する見込みであると発表した。前年比28%増は同社として過去最高の成長率で、大手広告グループ傘下のPR会社が統廃合に揺れるなか、独立系として異例の規模への到達を示した。MWWが2026年10月8日にプレスリリースを通じて公表した。

MWWは1986年、創業者でCEOのマイケル・ケンプナー氏がニュージャージー州で1台の机と1台のタイプライターから立ち上げた会社だ。現在は米国・欧州・中東・アフリカ・中南米にまたがる約300人の体制を持ち、「世界最大級の独立系PR会社」を名乗るに至っている。2020年の売上高は3,800万ドルだったが、この6年間でほぼ倍増した計算になる。

2件の買収が成長を加速

プレスリリースによれば、直近の成長は有機的な事業拡大と2件の戦略的買収によって支えられている。

2024年にはBerk Communicationsを買収した。これによりスポーツ、エンターテインメント、食品・飲料、危機対応の領域で専門性を大幅に強化した。Berkは買収後初年度に16%の売上成長を達成し、MWWと合わせてスポーツ業界専門誌「Sports Business Journal」が選ぶ「Best Places to Work in Sports」に2年連続で選ばれている。

2026年にはHudsonLakeを買収した。約35名の専門家を加え、従業員向けコミュニケーション、組織変革、人材エンゲージメント、労使コミュニケーションの分野で深い知見を社内に取り込んだ。同社はこの買収について、企業の評判を「組織の内側」からも支えられる体制を整えたものと位置づけている。

独自AI基盤「PRISMA」を構築

MWWはここ数年、スポーツ分野での実績拡大や国際展開に加え、独自のAIプラットフォーム「PRISMA」を構築してきた。PRISMAは現在、同社の事業基盤を支える中核システムと位置づけられている。ケンプナー氏は「AIは定型業務を速くし、より高い価値を生む。しかしクライアントは依然として、人間の経験と判断力、戦略と創造性を必要としている」と語っている。「局面が重大で、結果が最も大事な瞬間に、クライアントは最も信頼できる人物を部屋に呼ぶ。我々の機会は、その人間としての強みをより高度なインテリジェンスと速い実行力と組み合わせることにある」とも述べている。

顧客の獲得面でも進展があった。FOXスポーツ、ニューヨーク・ニュージャージーFIFAワールドカップ2026ホスト委員会、Big 12カンファレンス、Academy Sports + Outdoors、Altria、スタンフォード・ヘルスケア、GXOロジスティクスが新規または拡大契約として挙げられている。

「独立」を戦略と位置づける理由

ケンプナー氏は独立性について、単なる所有構造の問題ではなく、意思決定の速さを生む仕組みだと説明している。「独立とは我々の経営の仕組みそのものだ。大手グループを遅らせる組織の壁なしに、投資の意思決定を素早く下し、必要な人材をその場に集められる」と語った。

MWWはかつてInterpublic Group(世界的な大手広告グループ)に会社を売却した経緯を持つが、その後自ら買い戻して独立を取り戻した。今回の40周年の発表は、その「独立経営」という選択が長期的な成長モデルとして機能してきた実証として位置づけられている。

ケンプナー氏は「40年は、持続するものを作り上げてきたことを意味する。同時に、ここまで来た方法が自動的に次の目的地へ連れて行ってくれるわけではないことも、十分な変化を生き抜いてきたから分かっている」と振り返っている。

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