「発言する責任」を感じる広報担当者が3年で34ポイント急落、"戦略的沈黙"が新たな選択肢になる理由

Corporate Advocacy on Social Issues Drops, PR's Role Rises Paradoxically

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「発言する責任」を感じる広報担当者が3年で34ポイント急落、"戦略的沈黙"が新たな選択肢になる理由
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ポイント

  • 企業が社会課題について発信すべきだと考える広報担当者の割合が、2023年比で34ポイント急落した
  • 自社ビジネスと無関係な社会課題への発言責任を支持する広報専門家は55%にとどまる
  • 社会の分極化が進む中、より慎重な「戦略的沈黙」が新たな選択肢として浮上している

社会的な分極化が深まる中、企業が社会課題について積極的に発信すべきだと考える広報・PR担当者の割合が、2023年比で34ポイント近く急落した。米国の広報研究機関であるIPR(Institute for Public Relations)が2026年10月14日、USCアネンバーグ広報センターによる調査結果の要約を公開した。また、同調査に基づく年次報告書「2026 Global Communication Report: A Quiet Shift」の概要をIABCが紹介している。

報告書は、704人の広報専門家を対象に2025年12月2日から2026年1月12日にかけて実施したグローバル調査と、1,011人の米国一般市民を対象に2026年1月9日から11日にかけて実施した別調査の結果を組み合わせたものだ。USCアネンバーグ広報センターが、IABCとMeltwaterの支援を受けて制作した。

社会課題への発言支持、3年で34ポイント減

IABCが公開した報告書の概要によれば、自社のコアビジネスと無関係な社会課題であっても企業が支持・擁護する責任があるとした広報専門家の割合は55%にとどまった。2023年時点では89%、2024年時点では85%だったこの数字が大幅に低下しており、2020年比では38%減という水準にまで落ち込んでいる。

一方、分極化そのものへの危機感は、広報専門家のほうが一般市民より高い。IPRが公開した調査要約によれば、米国における政治・社会的な分極化を「高い」または「極めて高い」と評価した割合は、広報専門家では81%に上る。同じ問いへの一般市民の回答は69%であり、12ポイントの開きがある。

「沈黙」が戦略オプションに浮上

対応姿勢に関しては、より慎重で守りを重視する傾向が数字に表れた。IPRの調査要約によれば、広報専門家の80%が「インフルエンサーや外部組織をより丁寧に審査すべき」と回答し、76%が「より頻繁なシナリオプランニングを支持する」と答えた。メッセージを事前に徹底的に検証すべきだとした割合は69%に上る。

さらに特徴的なのは、41%が「沈黙が最も効果的なコミュニケーション戦略になることがある」と回答した点だ。IABCが紹介した報告書の内訳では、社内広報担当者(インハウス)に限るとこの割合は52%まで上昇する。反対に、PR代理店側の担当者は53%が積極的な「攻め」のアプローチを支持しており、インハウスと代理店とで戦略的な方向性に明確な差がある。

広報部門の役割は、むしろ高まっている

発信を控える傾向が強まる一方で、広報部門そのものへの社内評価は上がっている。IABCが紹介した報告書によれば、分極化によって広報の役割が組織内で増したと答えた割合は91%に達した。また、議員や政府機関の担当者を優先ステークホルダーとして重視する度合いが過去1年で高まったと答えた広報専門家は60%を超えている。

今後5年間の投資見通しについては、人工知能・危機対応・政府渉外への投資が増えると予測する一方、DEI(多様性・公正性・包括性)、サステナビリティ、パーパス関連の取り組みへの投資は減少が見込まれると報告書は示している。また、インハウスのコミュニケーション担当者の3分の2を超える割合が、近い将来に自社の広報機能が再編される可能性があると回答した。

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広報社会課題企業戦略分極化

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