10万人超の社員を混乱させなかった、ハネウェル分割「情報一元化ハブ」の設計と運用

Honeywell's Internal Communication Strategy for Corporate Split to 100,000 Employees

ソースに基づく報道記事 10件の情報源

ポイント

  • 産業大手ハネウェルは2年間で3社に分割されました
  • 77カ国10万人超の社員へ大規模再編を伝える必要がありました
  • 社内広報の中心は「セパレーション・ハブ」による情報一元化戦略です

企業広報・コーポレートコミュニケーション専門メディアのRagan.comは、産業大手ハネウェルの会社分割における社内広報戦略について、2026年7月21日公開の記事で報じた。

ハネウェルは過去2年間にわたり、3つの独立した会社——ハネウェル・テクノロジーズ、ハネウェル・エアロスペース、ソルスティス・アドバンスト・マテリアルズ——に分割されたという。77カ国に10万人以上の社員を抱えるなかで、この大規模な企業再編をどのように社内に伝え続けたのか。その実務上の工夫を、当事者が詳細に語った内容を同記事は伝えている。

「セパレーション・ハブ」という一本化の発想

社内広報の中心を担ったのは、ハネウェル・テクノロジーズのシニア・バイスプレジデント兼チーフ・コミュニケーター(最高広報責任者)のステイシー・ジョーンズ氏だ。同氏はブランドと広報戦略の立案から実行までを一貫して統括したという。

ハネウェルが社内イントラネット上に構築した「セパレーション・ハブ(Separation Hub)」という専用サイトを、ジョーンズ氏のチームが運用・拡充した。このハブには、進捗状況のアップデート、FAQ、過去に開催した全社集会の録画映像が集約されたという。分割に伴って所属会社が変わる社員や、社内で役割が移る社員向けに、必要な手続きや手順を案内するガイダンスも掲載されていたと記事は伝えている。

サイト内には新しいメールアドレスの切り替え時期など、重要なマイルストーンを明示した詳細なタイムラインも設けられていたという。「日々の業務では変化が見えにくくても、着実に前進していることを社員に実感させた」とジョーンズ氏は語ったとされる。複数のサイトに情報が散在するのを避け、分割に関するすべての情報を「唯一の情報源(single point of truth)」として1カ所に集約する設計思想が貫かれたという。

「生きたリソース」として運用し続ける

同ハブは公開後も静的なページとして放置されることなく、状況の変化に応じて継続的に更新・拡充されたとRagan.comは報じている。

ジョーンズ氏のチームは社員から寄せられる質問を読み込み、繰り返し出現するテーマを特定した。そのパターンに基づいて、新しいツールをハブに追加したり、FAQの項目を増やしたりしていったという。「流動的でなければならない。すべてを予測することはできない」とジョーンズ氏は語ったとされる。

情報へのアクセスを促す工夫も講じられた。毎週配信される社員向けニュースレターのトップ記事にハブへのリンクを張り続け、全社会議では経営幹部が社員に対してハブに質問を送るよう促したという。分割に関する疑問はハブへ——という動線を、あらゆる接点で強化したことがうかがえる。

さらに、社員のコンディションや情報ニーズを把握するため、定期的なパルス・サーベイ(短時間の簡易アンケート)を実施したという。「世界中の現場を歩き回ることはできない。だからこそ、社員が何を考えているかを知ることが重要だった。そのデータが私たちの羅針盤だった」とジョーンズ氏は述べたとされる。ジョーンズ氏のチームはこの調査結果をもとに、新たなコミュニケーション素材を作成していったという。

分割完了後は「ブランド・センター」へ

ハネウェル・テクノロジーズがハネウェル・エアロスペースからの分離を正式に完了した2026年6月29日、同社は「ブランド・センター(Brand Center)」を立ち上げたとRagan.comは報じている。

新設されたブランド・センターには、パワーポイントのテンプレート、新しい名刺の発注方法、ハネウェル・テクノロジーズとしてのストーリーの語り方ガイドなどが収録されているという。一方、セパレーション・ハブは2026年7月末に閉鎖される予定だという。同ハブは、ソルスティス・アドバンスト・マテリアルズの分離計画の初期発表に合わせて開設されて以来、その役割を果たし続けてきたとされる。

「セパレーション・ハブは『そこへたどり着くためのワンストップ・ショップ』であり、ブランド・センターは『私たちを前進させるためのワンストップ・ショップ』だ」とジョーンズ氏は表現したという。

同様の大規模な組織変革を経験するコミュニケーション担当者へのアドバイスとして、ジョーンズ氏は「耳を傾けること、すべてのメッセージをビジネス戦略に紐づけること、そして忍耐を持つこと」を挙げたという。「長い月々だが、短い日々。多くのことが起きる。決定やスケジュールより速く動くことはできない。だが、ゴールに到達したときの達成感は他に替えがたい」と語ったとされる。

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企業分割社内広報コーポレートコミュニケーション組織変革

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