ブログ流入が8割消えても売上19%増、HubSpotが証明した「システム」としての広報戦略

HubSpot: 75% Blog Traffic Drop, 19% Revenue Growth - True Owned Media Power

ソースに基づく報道記事 10件の情報源

ポイント

  • HubSpotはAI検索台頭でブログ流入が75%以上激減した
  • しかし売上は19%増、顧客数も16%増と業績は好調だった
  • これは統合システムと真の権威性、コンテンツ引用数が強み

PR・コミュニケーション戦略の専門メディア「Spin Sucks」は、2026年7月21日公開の記事で、インバウンドマーケティングツールを提供するHubSpotがAI検索の台頭によるトラフィック激減を経験しながらも、業績を大幅に伸ばした事例を詳しく報じた。同記事はSpin SucksでPESOモデルの普及・教育活動を行うジニ・ディートリッチ(Gini Dietrich)氏が執筆した「PESOモデル診断」シリーズの第4回として公開されたものだという。

トラフィックは消えたが、売上は伸びた

同記事によると、HubSpotのオーガニック検索トラフィックは月間約1,350万件から約860万件へと落ち込んだという。その後、サードパーティーのトラフィック計測ツールがブログへの流入が75〜81%減少したことを計測した、と記事は伝えている。

しかし、HubSpotの業績は対照的な内容だったという。同記事によると、HubSpotの2025年度通期売上高は31億3,000万ドルに達し、前年比19%増を記録した。さらに顧客数も前年から16%増加したとしている。同記事はこの結果について「トラフィックとビジネスは、もともと別物だった」と評している。

失ったのは「借り物」だったコンテンツだけ

ではなぜ、これほどのトラフィック減少が業績に影響しなかったのか。ディートリッチ氏は記事の中で、AIが奪ったトラフィックの性質に着目している。AIに流入を奪われたコンテンツは、著名人の名言、退職届のテンプレート、HubSpotの専門領域から遠い検索ボリューム狙いの記事など、「もともとHubSpotが所有する権限を持たなかったコンテンツ」に集中していたという。一方で、20年にわたる実績に裏打ちされた本物の権威性を持つコンテンツは、AI時代においても流入を維持したと記事は伝えている。

競争優位の源泉はブログではなく「システム」だった

記事が強調するのは、HubSpotの競争優位の本質がブログ単体にあったのではなく、複数のメディアが互いを強化し合う「統合システム」にあったという点だ。具体的には、20万人以上を認定している「アカデミー」による資格制度、業界が引用せざるを得ない独自調査レポートの定期発行、受賞歴を持つ自社主催カンファレンス、買収によって傘下に収めたメディア企業、そしてポッドキャストなど、複数の自社メディア資産が相互に機能していると記事はしている。

さらに記事は、AI時代における指標の転換についても言及している。「何人の人間がコンテンツを訪問したか」ではなく、「AIがそのコンテンツを何度引用するか」こそが重要な指標になりつつあるという。HubSpotは自社のカテゴリーにおいて最も頻繁にAIに引用されるベンダーブログとなっており、自社で行ったコンテンツ再構築の実験によってAIによる引用数が大幅に増加したと記事は報じている。

また、HubSpotの最高マーケティング責任者(CMO)がトラフィック急落という厳しい状況下でも顧客成長数を根拠に落ち着いて対応できた背景には、コンテンツと収益を結びつける明確な測定体系があると記事は指摘している。同記事は、CMOの28%しか組織内で真の影響力を持っていないのは、この「コンテンツから収益への線引き」ができていないためだとしている。

さらに、HubSpotはトラフィック減少を「製品化」した点でも注目に値するという。AI時代の検索最適化(AEO)ツールを、打撃を受けてから18ヶ月以内に自社製品として販売し始めたと記事は伝えている。ディートリッチ氏はこれを「危機が製品になる」とし、PESOモデルの習熟度において最高水準の「リーダーシップ段階」に相当する動きだと評価している。

なお、PESOモデルとは、Paid(有料広告)・Earned(報道獲得などの獲得メディア)・Shared(SNSなどの共有メディア)・Owned(自社ブログやメールマガジンなどの自社所有メディア)の4種類のメディアチャネルを統合して運用するコミュニケーション戦略のフレームワークだ。ディートリッチ氏が考案し、Spin Sucksを通じて普及活動を行っている。

情報ソース一覧

オウンドメディアPESOモデルHubSpotAI

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